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IT業界比較1:大企業とベンチャーのスピード感

私、えいる は大企業・ベンチャーで主に以下の職務経験があります。

[大企業]

  • 従業員3000人超えのSIerで約16年勤務

  • 過去に1万人超えの超大手企業に常駐しての業務経験

[ベンチャー企業の経験]

  • 今は従業員250名前後のITコンサル系ベンチャーに勤務

  • 過去に4、5社のベンチャーさんと一緒にお仕事経験

そこで、よく聞く大手とベンチャーの違いが本当なのかを実体験から紹介。
今回は「意思決定のスピード感」について以下の真相を書いていきます。

  • 大企業って何をするにも腰が重いって本当?それメリットあるの?!

  • ベンチャー企業のスピード感が早い理由は?それで大丈夫なの?!


大企業 : 何をするにも腰が重いって本当?!

はい、冗談抜きで重いです。ベンチャー企業に転職して改めてスピード感があまりに違うことに驚きました。その原因とメリットをご紹介。


意思決定に時間がかかる原因


従業員1000人超えのような企業では「開発・営業部門」とは別に

  • 品質管理部門:プロジェクトの進行度合いやQCDを管理

  • 調達・購買部門:人的リソースや機材類の購入と管理

  • セキュリティ部門:社内外のセキュリティ対策やトラブル対応

といった個々の専門部門が増える傾向にあります。

これは企業規模と案件数が増えると調達やセキュリティといった案件共通の事柄は部署ごとより、共通部門でまとめて対応した方が効率的だからです。

理屈は間違っておらず、部署ごとに対応が異なるのはよくないと思います。
が、いざ新規案件を始めようとすると各部門へ説明/承認が必要になります。加えて、ある部門から訂正が入ると、それをまた他の部門に説明して…。

こんな部門間の調整・説明・承認がリアルに発生するのが大企業です。私のワーストケースは部材調達で3ヶ月の調整が発生し、その期間は新規企画の案件を止めざるを得なかった経験が実話としてあります。


部門調整に時間がかかる分、安定走行はします

面倒な部門調整…悪印象しかありませんが、しっかりメリットもあります。案件がスタートすれば「想定外のトラブルや考慮漏れでプロジェクトが炎上する確率がベンチャーより低い」です。

これは部門調整では、各部門の専門家が経験からリスクを察知・洗い出し・対策立案を行ってくれ、それらを整えてから案件スタートとなるためです。

やはり有識者の経験からくる意見は的確で、個々の分野のスペシャリストが揃い企業ぐるみで対応するのは大企業の強みだと思います。


ベンチャー企業 : スピード感が早い理由とリスク


意思決定までのプロセスが少なく、決定者との距離も近い


ベンチャー企業では大企業ほど専門部門はなく、基本的には自部門で判断を完結させるためスピード感が段違いです。大企業時代は3ヶ月かかった部材調達が3日後に手元に届いたのには本当に驚きました

加えて最終承認者と距離が圧倒的に近いのも理由の1つです。大企業時代は部門長に会うのは半年に1回程度でしたが今は週1で話す機会があります。部門長は意思決定の最終判断者であるため「距離の近さ=承認の得やすさ」に繋がり意思疎通と承認確率がグッと高まります。


走り出した後のトラブルが耐えない(経験・ノウハウ不足)

何事も爆速で進むベンチャー企業ですが私が転職して数ヶ月「こんなことも最初に決めないで案件スタートさせたのかぁ」といったトラブル発生と対応に何度か出くわしました。大企業時代は必ず最初に契約で決めていたので、驚きの連続です。

事後トラブルが多い原因ですがベンチャーは社員の絶対数が少なく出入りも激しいため、経験とノウハウが溜まらず過去を上手く活かすサイクルがないからだと思います。

逆に言うとベンチャーに転職後、経験やノウハウを記録・共有をする人材は本当に感謝され評価されます


まとめ

  • 関係者の意思決定と承認に時間はかかるが安定走行な大企業

  • 爆速で進むが、その先に未知の細かいトラブルが待ち受けるベンチャー

極端に書くと結論はこんな感じで一般的な噂と相違はないかと思いますが、その根拠やメリット・デメリットはお伝えできたかなと思います。

次回は、なぜベンチャーは尖った発想・事業が多いのかを書いてみます。

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