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IT 大手企業は今も年功序列なのか?!

私、えいる の職務経験。

[大企業]

  • 従業員3000人超えのSIerで約16年勤務

  • この間に1万人超えの超大手企業とも数社、仕事経験あり

[ベンチャー企業]

  • 今は従業員250名前後のITコンサル系ベンチャーに勤務

  • 過去に4、5社のベンチャーさんと一緒にお仕事経験あり

この経験から「よく耳にする大手とベンチャーの違いや噂は本当なのか?」をテーマに今回は「大手企業の年功序列」について書いていきます。

  • 大手の主軸は40〜50代で出世は遅いって本当?

  • 若手や転職組が活躍できる場は少ない?!


年功序列ではなく、経験=年齢につながる実態


先に結論として大企業は意図的に年功序列を敷いているわけではなく、扱う案件の規模と広さから必然的に経験=年齢に繋がっていると僕は思います。


数百人規模で進むプロジェクトでは経験がとても大切


特に行政や医療などシビアな情報を扱うシステムでは、なるべく外部からの出入りを減らしたい意向から、一手に担える大企業が優先されます。

このような大型案件は歴史が長く、十数年に渡って改版を繰り返し今に至るケースが大半で、そうなると過去を知る人が非常に重要になります。

  • この機能を修正する場合、影響範囲はどこか?

  • 今回の改修では、事前に何が必要か?過去のトラブル事例は?

システムは大きさに比例して複雑性も増すので、経験豊かで全体を知る人、つまり長年システムに関わっている人が必然的に主軸として活躍します。

よって、年齢というよりも経験の豊かさで活躍の幅が決まると言えます。

ベンチャーでは数百人単位の案件は、そこまで多くなく複雑性も大型案件に比べて下がるので、経験初学者でもわりと進めやすいのが実態です。


大企業は扱う案件の業種幅が多く、専門性も高い


従業員が1000人超えるような企業では行政部門・医療部門・工場部門など、業種ごとに部門を区切り、それぞれのエキスパートが集まって仕事を進め、部門ごとの人の移動は少ない印象があります。

前述の通り、大企業は案件規模が大きく、クライアントのシステムを一手に担う性質から求められる業界知識も多くなります。病院の従業員並みに医療分野に詳しい社員が普通にいたりします。

この点から、なるべく部門間の移動を減らし、時間をかけて社員を育成する思考が強く、若手社員や転職組が現場で主軸で活躍するには少なくとも1年弱の時間が必要になります。


大手企業が迎えている年功序列の転換期


ここまで大企業で活躍するには経験=年齢が求められると書いてきました。しかし、実はここ数年で、その図式にも変化が生じています。


主軸となる中堅・ベテラン層の圧倒的な不足


2000年代前半、就職氷河期世代と言われる時代がありました。この影響で、35〜45歳世代が企業内で圧倒的に不足している現状があります。

「頼れる主軸メンバーが管理職になって、変わりの後任がいない」
「中堅社員が少なく社員間の年齢差に、ぽっかり穴があいている」

私の前職・周りの企業さん・クライアントなど同じ話を何度も聞いたので、色々な企業が現在、抱えている共通課題だと思います。


若手と中途採用が活躍できる機会の増加


この人材不足を受けて大企業でも徐々に若手に責任ある仕事を任せる機会が増えてきました。私の前職でも「20代後半で数千万円案件のPM」といった活躍の機会を受け、会社自体も年齢に関係なく人材を正当に評価する気質が高まっています。

また、これまで閉じた門だった中途採用にも積極性が増し「転職後数ヶ月で億単位案件の主軸」も夢ではなくなりました。

これは私が20代だった2010年頃では本当に考えられなかったことで、当時は「ベテランの実力ある社員をよこせ」とクライアントに叱られ、人員変更が発生したという苦い経験があります。

これまで無理と諦めていた大企業への転職、大型関係へのアサイン、給料の大幅アップも夢ではないと思います。


活躍できる機会が増えたことの弊害

大企業でも若手や転職組が活躍できる場は増えました。しかし、裏を返すと今までベテランがやってきた領域をやらざるを得ないというのも現実です。

社内には35〜45歳世代が圧倒的に不足しているため、20代から半強制的に任せられ頼れる先輩もいないという状況が待ち受けている職場もあります。

私の知人も、IT経験がそこまで多くない中で人材不足の影響で若いうちからクライアントの矢面に立たされ体調を崩した悲しいエピソードがあります。


おわりに

時代に変化に伴い大企業も、ここ数年で大きく変わろうとしています。

大企業に入社・転職して、大型案件の主役も夢ではない時代!!

一方で、社内の教育制度・フォロー体制を事前によく確認してから、採用のエントリや面接を進めることオススメします。

大企業の中で小さなベンチャー企業がいくつも動いている

こんな表現も嘘ではありません。

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