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ベトナム出張教育の体験談 パート4:「言ったことしかやらない」は間違いかも?!

出発2週間前に急遽、ベトナムへ出張が決定。会社や同行メンバーが飛行機やホテルを予約。この準備に甘え「ベトナムとは」を全く調べず前知識0で異国の地に降り立った私。

何も調べないからこそ現地の生の温度を肌で触れ、感じたこと、思ったことを記事にしていきます。

今回は、やっと本題の現地メンバー教育について。


「オフショア=言ったことしかやらない」は本当か?


オフショアの体験談として

  • お願いしたことは完璧にやるが依頼していないことは絶対にやらない

    • やってほしいことを細かく指示すのが大変

  • 早めに作業が終わっても期日になるまで教えてくれないことがある

    • 逆に遅れていた場合でも期日ギリギリまで遅れを教えてくれない

といった話を耳にすることがよくあります。

私も日本で普段仕事をしていると同じ様な経験は確かにありました。これは実際の現場では、何が起きているのか?私が見てきたリアルを紹介します。


意図を必死に理解し、言われたことを完璧にやろうとする実直さ


彼らの普段の仕事風景を一度も見たことがないと

  • 言われたことだけをさっさと終わらせて楽をしようとしている。

といった先入観や猜疑心を持ってしまうこともありますよね。しかし、私が見た現場の姿は、その真逆と言っても過言ではなく

  • 日本からの指示を身振り手振り、時には絵を描きながら必死に説明&理解

  • 曖昧な内容には何が正解なのか、皆で必死に議論して答えを探す

  • 納品前に間違いや漏れがないか、時間をかけてチェック

と、こちらの要望を形にしようと必死に、かつ実直に向き合っていました。よって職場はいつも関係者同士の会話で大賑わい。言葉はわかりませんが、時に言い争っていたり、と思ったら理解が通じたのか笑顔で握手したりと、ここでもベトナム特有の生命力や活力といった熱量が溢れていました。

そしてこれは15〜20年前、日本の職場で私が見ていた風景にそっくりで懐かしかったです。


「正しい結果を残す=生きる」に直結するリアルさ


現地で長く働く日本人から話を聞く機会があり「ITやオフショアの仕事は、現地でも人気が高く、給料も平均水準よりは上。一方で結果を残せない人は交代(日本で言うリストラ?)も簡単に発生する」とのことでした。

つまり「日本人の要求を満たせない=リストラ」のリスクを日々背負って、仕事をしていることになります。

ベトナムの平均年収は35〜40万円、フォーは一杯約200円。つまり、年収ベースだと1750杯。

日本だと平均年収は約400万円、ラーメンは一杯約1000円。つまり、年収ベースだと4000杯。

間違った例え&計算ですが経済格差が2倍以上ある中で本当に彼らは手を抜いて仕事をしているか?答えは絶対にNoだと私は現地に来て確信しました。

彼らは生きるために必死に私達の要求を一言一句、間違いがないように形にしようとしてくれています。


おわりに


いかがだったでしょうか?

今まで私の心に「オフショア=楽している」のイメージが全くなかったかと聞かれたら嘘になります。

しかし今回、現地で彼らの働く姿を間近で見て、触れたことで、その気持を少しでも持った自分が恥ずかしく、心から謝りたい気持ちです。

もちろん私が見たのは世界のほんの一部で運がよかった可能性もあります。ただ、まだまだ発展途上にある国で働く彼らにとっては「仕事=生きる」が想像以上に直結しており、我々の要求を必死に理解し形にしようとしている姿があることを知ってもらえると嬉しいです。

次回は、現地で見たからこそわかるオフショアで生まれる誤解・トラブルをどうやったら解決できそうかを紹介していきます。

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