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「@cosme」エンジニア社員インタビューVol.9 松田 進也さん(後編)~ 次世代のため、日本のために力を貸したい

日本最大級の美容系総合ポータルサイト「@cosme」のVPoE(技術部門マネジメント責任者)近藤俊太郎が、アイスタイルで活躍中のエンジニアに「突撃インタビュー」! 

前編に続き、CTOの松田進也さんにお話を伺いました。

テクノロジー&クリエイティブ開発センター
VPoE 近藤 俊太郎
新卒で日本電気株式会社(NEC)で金融系システムのSEとしてキャリアをスタート。その後、ベンチャー企業や三洋電機を経て、アイスタイルに入社。@cosme STOREの立ち上げや新規事業などを担当。2021年7月よりVPoEとしてテクノロジー、クリエイティブ領域を管掌。

元CTO
松田 進也

出身校:東京大学 工学系研究科 機械工学専攻
趣味: B級映画鑑賞、コーヒー、プラモデル制作
マイブーム: チーズ(リモートで家飲みでワインをやや飲むようになり、それに合うもの…ということで食べ始めました)


(近藤)インタビュー前半では、松田さんがエンジニアになったきっかけやアイスタイルに入社した経緯を話していただきましたが、後半では松田さんの今後のご予定などをお聞きしたいと思います。

(松田)よろしくお願いします。

キャリア最後の10年ーー大好きなモノづくりに立ち返る

(近藤)ところで、アイスタイルを辞めて次のステップを…と考えたのはどのタイミングだったんですか?

(松田)コロナ禍があってほぼリモートワークになって、「こういう働き方もあるんだな」と思った時でしたね。どこで働いても受け入れられる、受け入れざるを得ない状況になった時に、「会社で働くという形じゃなくてもいいのかな」と思って。

(近藤)通勤時間がない分、時間的な余裕もできますしね。

(松田)そうなった時に、もともと自分がやりたかった「モノを作る」にシフトしやすいのかなと。そもそも webエンジニアっておっさん世代がまだいない業界なので、どうやって60歳まで過ごすのかイメージが全然ないですよね。

(近藤)まだまだ歴史の浅い業界ですからね。

(松田)そんな状況の中、定年まであと10年というタイミングになった時に、社内で組織の面倒を見続けるというのももちろんアリな選択肢ですけど、自分自身の「最後の10年」を考えた時に、「もう1回モノを作れる環境になってきたかも」って思ったんですよね。

知識と経験を活かしてスタートアップをサポート

(近藤)コロナをきっかけにモノづくりに立ち返る方向を考えて、松田さんは2023年6月末でアイスタイルを退職されましたが、僕が懇願して引き続きご一緒できることになってホッとしてます。

(松田)ありがとうございます。プロジェクトマネージャーとして、おもに Amazonの件で実働に入らせていただくことになります。

(近藤)ポジションが変わってご自身のやりたいことにもっと携わっていただけると思うんですけど、それ以外で次にチャレンジしたいことや働き方のイメージはありますか? 

(松田)2年前に京都でとあるイベントに参加させていただいたんですけど、そこにはこれから独立して起業しようという人、起業したばかりのベンチャーの人がたくさんいたんですよ。その時に、こういう人たちを支援する動きが自分にはできるんじゃないかと思ったんです。

(近藤)なるほど、スタートアップの手助けですね。

(松田)はい。新たにベンチャーにジョインしてガッツリやるよりは、会社が大きくなっていく過程を間近に見た経験やエンジニアとしての経験をシェアできるんじゃないかと。あと、意外とみんな、SESさんに何かお願いしたくてもお願いする先がなくて困ったりするんですよね。そういう場面でも助けてあげることができるのかなぁと思って。

(近藤)顧問のような形で助言…需要ありますね。先日、まさにエンジニアを派遣するSESをやろうとしてるベンチャー企業の社長さんにアドバイスを求められた際、松田さんがおっしゃるように、単純にエンジニアを派遣しても受け入れる側にシステムの知見がないと業務が噛み合わないですよっていう話をしたんですよ。

(松田)はいはい。

(近藤)そういう場面でブリッジする人をセットアップできるか、セットアップできる SaaS みたいなサービスを一緒にやっていかないと「ぼったくられた」みたいなことにもなり得る。

(松田)「モノができなかった」とか…。私自身は、「こんな事業を自分でやりたい」とか「会社を起こしたい」という気持ちはなく、そういう情熱をもってやっている人たちの手助け、いいモノづくりの橋渡しができたら嬉しいです。

今後10年、日本のために何かやりたい

(近藤)ほかに今後10年でやりたいことはありますか?

(松田)そうですね…コロナが落ち着いて外国の方がまた日本に戻ってきましたけど、このままだと日本がただの観光の国になっちゃう気がしてて。日本のために少しでも何かできたらいいなぁとも思ってます。

(近藤)日本のためにというのはモノづくりを通じてだと思いますが、具体的にやりたいことがあるんですか?

(松田)具体的なプランはないんですけど、なんらかの形でモノづくりに関われたらいいなとぼんやり考えています。昔はオフショアに出す側だった日本が、今は受ける側になってきているじゃないですか。「日本は安くていい」なんて言われるとちょっとショックなんですよね。なので、技術大国日本をもう一度蘇らせる一助になれればいいなとは思ってます。

(近藤)「中国より日本のほうが安くて品質もいいならそっちのほうがいいじゃん!」という話はよく聞きます。これを楽観的にとらえれば、また違う日本の強みになるかもしれませんよね。

(松田)ですね。エンジニアリングだけじゃなくて仕事全般がここ数年で変わってくると思うんですね。そういう時、日本は大抵出遅れて、むしろ「禁止します」みたいな方向に行きがちなので、技術や工夫で日本の産業に貢献できたらいいなとぼんやりと思っています。

(近藤)いろいろ手がけながら、縁のあった会社で技術を駆使するような動きがあれば力を注いでみようという感じですかね。

(松田)そうですね。おっさんになってきたからこういうこと考えるようになったんでしょう(笑)。若いうちは「日本のために!」なんて考えたことなかったので。

(近藤)年齢を重ねたからこそ見えてくる境地なのかもしれませんね。

アイスタイルに向いている人は

(近藤)アイスタイルに向いている人ってどんな人だと思いますか?

(松田)実は私にとってアイスタイルはまだ3社目なので、ほかの会社と比較するのも難しいのですが、コンサルとして他社を見ていた感じから言うと、アイスタイルはビジネスとして稀有な会社だと思うんですね。

(近藤)ウェブもあってリアルもあって。

(松田)はい。それがある程度の規模で展開していて。エンジニアとしては、ビューティーや化粧品に興味があるかどうかよりも、リアルとネットの世界をどうつなげるかに興味がある人には合っている会社だと思います。

(近藤)なるほど。

(松田)実際、それを実現できる場がある会社なので。システムだけをゴリゴリ裏でやる人も必要かもしれませんが、せっかくこの業態の会社に勤めているなら、この環境を活かして、実世界とどうつなげるかに興味がある人には最適な会社だと思います。

(近藤)先日、「我々はすごい技術で世の中を変えていくというよりは、業界の課題を解決することで成長してきた会社だ」という話になったんですね。例えば、もともとメーカー主導の情報をユーザー主導にして、いいもの悪いものを判断できるメディアを作りましたよね。

(松田)@cosme がそうですよね。

(近藤)@cosme STORE も、ドラッグストアやバラエティストア、デパートを駆け回って買わなきゃいけなかったものを1カ所で買えるサービスを提供することで、生活者が本当にいい体験をできるようにしてきました。

(松田)ただ技術で「いいモノを作りたい」というよりは、その業界の課題を一緒になって解決することに興味を持ってくれる方にはやり甲斐がある会社かもしれませんね。

(近藤)松田さんもそのように感じながらモノづくりをされてきましたか?

(松田)そうですね。アイスタイルでの技術力は、「GPTなんとかを作れます」みたいな要素技術じゃなくて、外の世界がどんどん変わっていく中で、いかに迅速に追随できるシステムを設計できるか、その力だと思うんですよね。そういう技術力がアイスタイルでは必要だと思います。

(近藤)今日はありがとうございました。そして8年間お疲れ様でした。これからもよろしくお願いします!

(松田)こちらこそ!

【編集後記】会社の課題、業界の課題、日本の課題

最近、電気工事士の資格を取得し、「モノづくりが大好き」と公言する松田さんは、もしかしたら今ある課題を解決することに喜びを感じるタイプなのかもしれませんね。点かなくなった電灯を直したり、止まらなくなった上水を止めたり。一から新しいモノを創造するより、今あるダメージや不足を修復・改善・解決することにやり甲斐と達成感を覚えるのではないでしょうか。松田さんの言葉の端々にそんな思い入れが見え隠れしているように感じました。

退職して自由になる時間が増えるはずが、サポートを求める企業や人に囲まれてむしろお忙しくなるかもしれませんね、松田さん!

過去インタビュー記事まとめ

過去記事や取材記事などはこちらにまとまってます!

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