Twitterでは秘密にしていたこと(自己紹介に代えて)

 いくつか記事を書いたあとでなんだけど、今回は自己紹介代わりに自分の学歴について書いてみようかな。

 noteのプロフィールにも 書いたとおり、ぼくが大学をやめたのは「低学歴・低収入の下層労働者として社会の底辺でこき使われて生きていきたい」と思ったから。幼少期から漠然と抱えていた破滅願望・底辺願望が思春期を経てどんどんふくらんでいって、20歳すぎでとうとう爆発してしまった格好だ。朝から晩まで正社員の上司にこき使われて、汗だくになって肉体労働に励み、それでももらえるお給料はほんのわずかだからボロいアパートで貧乏暮らしが精一杯……大学生になったころからそんな空想に憑りつかれるようになり、そのうち空想を現実にしたくて仕方がなくなった。

 分析的なことは苦手だから、どうしてこんな性癖に行きついてしまったのかという理由はわからない。だけど、やっぱり社会的な流れによるところは大きかったとは思うな。派遣切りが話題になったり、「勝ち組・負け組」という言葉が頻繁に使われるようになったのが、たしか10代のおわりごろ。蟹工船がベストセラーになったりもしたっけ。そういう影響は、なんだかんだでかなり強いと思う。あとは、ワーキングプアね。当時は、新聞とか雑誌で「ワーキングプア」という文字に出くわすだけで体が熱くなってたから。最近あまり聞かなくなったのが残念。言葉の響きからしていかにも弱者って感じの情けなさが滲み出ててすごくいいんだけどな、ワーキングプアって。

 こういうのがかなりのマイナー性癖であるという自覚はぼくにもとうぜんある。ほとんどの人にとっては意味不明もいいところだろうな。狂ってると思われてもまあ文句はいえない。でも、意外と世のなかには同じような願望を抱えた人がわりといる。これは、SNSでの交流を通じて知ったこと。「自分もダンシンさんのように学校(会社)をやめて、底辺に落ちたいです」という主旨のDMをこれまでいくつももらったから。世界は広い。

 ちなみに、お悩み相談DMに対しては「空想は空想として大事に育みつつ、それとは別に、きちんと学校を卒業してまともな会社に就職して、しっかりお金を稼いだほうがいいですよ」という面白くもなんともない返答をすることになる。残念だけど、これは仕方がない。だってほんとうにそう思うんだもん。

 他人にはそうやって忠告するくせに、じゃあどうして自分は大学をやめたのか?どうして空想を空想のままにしておかなかったのか?

 さてさて、どうしてだろう?

 頭をいくら捻っても、納得のいく答えはひとつしか思いつかない。

 答え:高校をやめていたから


 以前X(Twitter)でこういうポストをしたけど、実はこれ、ぼく自身の経歴だ。Xでは大学中退の話題は散々書いているものの、高校中退についてはこのときはまだ明かしたくなかったので、ネタっぽくぼかしておいた。

 高校中退をふせていた理由はごくごく単純で、身バレ防止のため。ぼくの職種(清掃業)は全体として低学歴な業界。一緒に働いてきた同僚のなかには大学中退という人もいたし、高校を途中でやめた人もいた。だけど、大学も高校もやめましたという人にはさすがにお目にかかったことがない。(わるい意味で)レアリティの高い経歴なわけだ。大学と高校を両方中退した30代の清掃員……もしも知り合いがそこまで読んだら、すぐにあいつのことだと勘づいてしまうはず。そうなると、ぼくの歪んだ性癖まで芋づる式に暴かれていってしまうわけで……それ、さすがにちょっとやばいよ。

 だけど、困ったことに、あれこれ書いているうちにやっぱりこの話もしたくなってきちゃったんだよね。だんだん我慢ができなくなってきた。これまで散々自分が経験したこと、感じたことを書き連ねてきて、この話題だけ避けるのもちょっともったいない気もするし。というわけで、書いてしまうことにした。せっかくnoteのアカウントもつくったことだしね。身バレの危険はとうぜんあるにせよ……あとは、ぼくのまわりの人たちがこんな記事には見向きもしない健全な性癖の持ち主であることを神に祈るばかり。なんとかなれ。

 高校をやめたから大学もやめたというのは、逆説的にきこえるかもしれないな。高校中退から高認試験を経て大学入学までこぎつけたら、今度こそはなんとしてでも卒業してやろうと固く決意するのがふつうだろうからね。だって、そうでしょう?これで大学までやめてしまったら、その人の学歴は中卒どまりということになってしまうわけで……大卒にリーチをかけた状態から一気に中卒まで転げ落ちるって、身分転落もいいところだよ。2ランクダウンだもん。

 たとえば、大所帯のスポーツチームで1軍から3軍に降格しましたとかなったら、すごく悲惨な感じがするよね。ちょっと前までチームの主力だった選手が、後輩に敬語使って荷物持ちしたりスパイク磨いてたりしたらどう思う?あいつ落ちぶれたな、って思わない?
 
 「高校中退→大学入学→大学も中退。結果、中卒」の一連の流れを、ぼくは勝手に「飛び退学」と呼んでいる。高校をすっ飛ばして大学に入る「飛び入学」というのがあるけど、まさにあれの反対バージョンだから。飛び入学では中卒から一段飛ばしで大卒までステップアップするのに対し、飛び退学では大卒リーチから中卒までステップダウンする。向きがちがうだけだ。いや、向きがちがえば意味もちがうか。飛び入学が突出した優秀さを示す名誉なことだとすれば、その反対たる飛び退学は……。

 しかし、結局自分が惹かれたのは、まさにその不名誉さになんだよな。高校をやめていたから大学もやめたというのは、そういう意味。学歴社会の下層に落ちることを空想して試しに穴をのぞきこんでみても、高卒のラインで底が見えていたらそれほど魅力は感じなかったんじゃないかな。少なくとも、わざわざ退学届けを出して実際に落ちてみようとはまでは思わなかったはず。

 でも、ぼくの場合は、幸か不幸かもっと深い穴が開いていた。目を凝らしてもちょっと底が見えなかった。だって、大学まで行った中卒なんて見たことないもんね。そうなると、落ちた先に何があるのか俄然気になってくる。ひとつの履歴書に中退がふたつあったら、世間からどういう扱いを受けるんだろう?どういう屈辱的な出来事が待っているんだろう?つまり、ぼくが穴に落ちてみたのは、未知の屈辱体験を求めたフィールドワークの意味合いもあるわけだ……とまでいうとさすがにカッコつけすぎだね。だって、学歴社会の最下層に落ちたあとのことを想像しているだけでノータッチ射精しそうになっていたんだから。我慢汁垂らしながらフィールドワークもクソもない。

 落ちた先で見たもの(大学と高校を中退して起きること)については、次回以降にまた書きます。ほんとうに書きたいのはそっちのほうなので。

 ところで、学生課に退学届けを提出しながら勃起する人ってどれくらいいるんだろうね?

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