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環境問題としての馬毛島基地問題

種子島西方に浮かぶしずく型をした無人島。 南北は4.5km、東西は3.0km。 この小さな島が今滑走路で埋め尽くされている。
マゲシカは島の固有種。ニホンジカの亜種で数百頭が生息していた(工事が進められた現在の生息数は不明)。

 大規模伐採前の立澤助教の調査では、メスや子どもがドングリなどの豊富な森をすみかとし、オスは草原で暮らす「すみ分け」が見られた。数が増えすぎるとオスはえさを巡る生存競争で淘汰(とうた)されるが、森のメスや子は生き残るため、群れは存続する。こうしたシカの自律的な密度調節機能が観察できる場所は、世界的にもまれだったという。

※立澤助教:北海道大学 立澤史郎助教(保全生態学)
馬毛島のマゲシカ、基地と共存できるか 識者の見解 [鹿児島県]:朝日新聞デジタル

日本で二番目に大きい無人島である馬毛島。そこでバランスする生態系は、われわれ人間にとって貴重な教科書と言い得る。馬毛島にかかわらず島の生態系というものは、われわれ人間が学ぶべき持続可能な知恵が詰まっているからだ。それがたとえ崩壊に向かうものだったとしても、反面教師として学ぶことが出来る。上記の引用を参考にするなら、馬毛島はニホンジカの個体数と森林資源の調和が学べる環境にあった。現在、シカの食害に悩まされる地域は多い。馬毛島に学べるものがあったかもしれない。


ひとつの環境が破壊されている。
これまでも繰り返されてきた環境破壊であるし、
これからもあるであろう環境破壊だ。
われわれが学べたかもしれない自然がなくなれば、
持続可能な世界は構築できなくなるだろう。


【馬毛島】
種子島の西方海上約 12Km
面積 820ha
周囲:16.54km
南北 4.50km
東西:3.03km
標高:71.1m


参考
馬毛島(まげしま)における施設整備について
馬毛島活用に係る報告書 PDF
馬毛島 - Wikipedia (トップの馬毛島写真はこちらから転載)
馬毛島のマゲシカ、基地と共存できるか 識者の見解 [鹿児島県]:朝日新聞デジタル
マゲシカ遺伝子に「独自性」 DNAの違い判明 基地工事進む馬毛島に生息 研究チーム公表、防衛省アセスに異議 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞 | 373news.com


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