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満身創痍のテレキャスターを完全復活してもらいました。

こんにちは。テレキャスターといえばポール・マッカートニー、いそかわです。

ポール・マッカートニーはレフティだが右利きのモデルをモディファイして無理矢理弾いているギター・ベースも多い。誰かこのギターを作ってくれないかな…

すいません、嘘です。私の中でテレキャスターといえば斉藤和義や布袋寅泰、リッチー・コッツェンですね。でも最近せっちゃん(斉藤和義)はギブソンのギターを使うことが多くなってしまい、少し寂しいです。どうでもいいんですが、昔使ってたせっちゃんのギターに「リアにシングルサイズハムバッカーを載せているのに何故かコイルタップされてしまう」テレキャスターがあった記憶があります。本人はコイルタップの音を気に入って使っていたのだとか。あのテレキャスター、どこに行ったんだろう…?

今回は家に眠っていたテレキャスターを修理に出して大手術を行い、無事復活させることができたというご報告です。久しぶりの投稿ですみません。仕事が繁忙期で死にかけておりました。

私のTwitterやnoteをご覧の皆さまはもしかしたら「こいつテレキャスターも持ってるのか」かもしれません。流石機材厨、ギター何本持ってんだと。ギターは1本ずつしか弾けないのに。浮気性なんです。そうです、今ではリバースヘッドのストラトに取り憑かれてしまった私ですが、5年前くらいまではよくテレキャスターを使っておりました。

それがこちらのテレキャスターです。

Fender USA 1985 Telecaster(修理前) オリジナル度が既に低いが、ここからさらに修理&モディファイが加わってしまうのである。

慣れないヤ⚪︎オクで中古のギターを落札するというかなり無謀なことをして入手したのですが、入手した当初はネックが逆反りブリッジが錆びつきナットがガバガバというジャンクに近い状態でした。ただ80年代のUSA製テレキャスターを当時8万円で手に入れられたという喜びで当時大阪の心斎橋にあった楽器修理店にバイト代を注ぎ込んで応急処置的な修理してもらい、「なんとか弾ける」状態にはしてもらったのです。ちなみに今(2023年)だと同年代(83〜85年製)のUSA製テレキャスターは15〜25万円くらいで取引されております。

でも、そんな高値で取引されるのは状態が良くオリジナル度が高い場合です。当時の私はアホにアホを重ねたアホの2乗でしたので、「80年代なんてヴィンテージになり得ないだろう」とボリューム・トーンノブをツインリバーブのノブに交換してしまいました。当時はせっちゃんが同じことをやっていたので真似しただけでした。

色々小細工はしたのですが、当時からこのギターは抜本的な調整がされていなかったため、現在に至るまで常に弾きにくかったのです。特に、ここ数年はネックをどれだけ調整しても弦がフレットに触れてビビる現象やリアピックアップがすぐにハウリングが発生したりと、楽器としての価値すら怪しくなってきました。


社会人になりたての頃の私とテレキャスター。手ブレがひどい。マーシャルとSweet Honey Overdriveだけでよく頑張ったものである(この時はもう2〜3台何かを繋いでいるけど)

しかし、今年になり、家で転がっていたテレキャスターを見て、昔弾いていたときのことを思い出し、「いくらお金がかかってもいいから完璧に調整しよう」と一念発起して修理に出すことにしました。

原宿にある某ギター修理工房に向かい、症状について確認してもらいました。そしたら問題点が出るわ出るわ、もう指摘されまくりです。私が上司に資料のチェック依頼したときくらい指摘が出てしまいました。その指摘が以下の通りです。

・ネックが逆反りしている
・逆反りしているうえにねじれている
・フレットが浮いている。どれだけ調整しても弦がびびるのはフレットの浮きが原因
・リアピックアップが断線している
・ピックアップセレクターのネジが1本外れている
・ジャックが緩くなっており、ガリが出やすい状態

もう何も言えませんよ。ジャンク状態から「なんとか弾ける」状態にしたのが7〜8年前です。そのまま放置してりゃそりゃこうなるよねと。会社でとりあえず「すみません」と連呼している私が工房でも出てしまいました。

ただ、工房のリペアマンは上司の数百倍解決策の提示が具体的です。上記の不具合を治すためには、以下の3点が必要とのことでした。

・指板削り&リフレット&指板再塗装
・リアピックアップ交換
・消耗パーツの交換

この時点で修理代金が2〜3万円じゃおさまらないなと目眩がしそうになりながらも見積もりをしてもらったところ、雨の日割引(2割引)を考慮しても5万5,000円ほど(リアピックアップ代別)でした。あまりの価格に、職人が電卓を叩いて価格を見せられた瞬間の記憶はありません。このお金があったらエフェクター何台買えるんだろう…とも思いましたが思い出のギターを甦らせる、その一心で修理依頼を行いました。

トボトボ金策を考えながら店を出てから、リアピックアップを何に交換するか考えだしました。正直リアピックアップの交換なんて何も考えておりませんでしたからね。

色々迷っているところ、目に留まったのはリッチー・コッツェンモデルのテレキャスターでした。

Fender Richie Kotzen Telecaster(Fender社HPより) 確か昔はフェンジャパから出てたよね…

リッチー・コッツェンモデルってシングルサイズハムバッカーを使用しているんですよね。調べてみると、チョッパーTというピックアップが載っているようです。サウンドハウスではシングルコイルとハムバッカーの良いとこどりみたいに書かれていました。どっち付かずとか両方の悪いところが悪魔合体しているとか書かれたりしてたけど。テレキャスターでリアをほとんど使わずミックスポジションばかり使っており、シングルコイルとハムバッカーの両方が載っているギターを持っていなかった私にとってはシングルサイズハムバッカーはアリな選択肢なんじゃないかと考え、チョッパーTに交換することに決定しました。

待つこと数週間、工房から無事ギターの修理が完了したとの連絡が入り、翌日すぐに回収しました。

最初に手に持ったとき、まず思ったことは「私のテレキャスターってこんなにも弾きやすかったのか」という驚きでした。フレットの詰まりもありませんし、ピックアップセレクターやジャックのぐらつきも無くなっておりました。学生時代の同級生が同窓会でめっちゃ美人になってやってきた気分です。お前こんなポテンシャル秘めていたのかと。

一か八かの交換だったチョッパーTについても、いい感じです。確かに、音の太さとかはハムバッカーなんですけど、そこまでハムバッカーっぽくないです。むしろ、テレキャスターのリア特有のハイがマイルドになりつつも主張している感じ。これならジャンルを問わず幅広く使えそうです。ただ、オリジナルのフロントピックアップとのミックスはあまり個人的に好きな音では無くなってしまいました。交換前はリアのシングルコイル特有の暴れ方とフロントの芳醇さを良い塩梅で混ぜてくれたのですが、今はそれぞれの主張が上手く噛み合っていないような気がします。リアが明るすぎるせいでフロントのくぐもった音が悪い意味で目立ってしまう気がします。

気になっていたハウリング問題も調べるため、スタジオに連れてきました。

テレキャスターとマーシャルは合いますよね。お好み焼きとご飯くらい合います(関西人限定)。

いざマーシャルに繋いでみると、全然ハウリングしない!すごい!あんなにすぐピーピー言ってたテレキャスターが嘘のようにハウリングに強くなりました。

また、カッティングもバキバキ決まってくれました。ハムバッカーで歪ませてカッティングすると粘りみたいなのが出ると思うんですけど、チョッパーTはその粘りがしっかり出ますね。でもしっかりキレは残ってくれています。チョッパーTにして本当によかったです。


つらつらと経緯から書いておりましたが、やっぱり楽器ってしっかりプロに調整してもらったら最大限活躍できるんですよね。皆さまも、my new gear…する前に弾かなくなってしまったギターを調整・モディファイしてもらった方が良かったりするかもしれません。元々手に馴染んでいるギターをさらに理想に近づけるわけですからね。それが自分の思い入れのあるギターならなおのこと愛着が湧きますよ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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