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大手ゼネコンに学ぶ新規事業創出ガイド: 成功のための5つのステップ - 事業開発のプロ人材が明かす設計法


<はじめに>

新規事業担当者からよく聞く課題には、次のようなものがあります。

  1. 組織文化との整合性

  2. 上層部のサポートの獲得

  3. リソースの確保と競合

  4. チームのモチベーションの維持

この記事では、建設業界の実際の案件を例に、大手ゼネコンがどのようにして新規事業を創出しているのか、制度設計の流れを解説します。


<事業開発プロ人材としての筆者の実績>

大手建設会社(従業員規模:約10,000名)数社で新規事業部の立ち上げを担当し、以下の成果を上げました。
・事業計画策定
: 初年度から3年目までの具体的な事業計画を3ヶ月で策定
評価設計: 事業計画の評価基準および評価プロセスをハンズオンで設計

<なぜ大手ゼネコンが新規事業に取り組む必要があるのか>

建設業界が新規事業に取り組む理由には、以下の課題があります。

①労働力不足とデジタルトランスフォーメーション(DX)の急務
②コスト管理と利益率の改善
③安全管理と品質管理の強化
④売り手市場と働き方改革の必要性
⑤若手社員とベテラン社員のDXへの馴染みの違い

<大手ゼネコンが新規事業開発にハードルとなりうる要素>

  1. 保守的な企業文化

    • マーケットインよりもプロダクトアウトの発想が強い

    • 新規事業をやるべき理由を組織に浸透させるハードルが高い

  2. 既存事業の優位性

    • 既存事業が最もスムーズに投資を行いやすく、完全新規事業は生まれにくい構造

<スムーズな制度設計のためのポイント>

  1. 経営陣からのコミットメント

  2. 新規事業開発の初期事例づくり

    • 制度設計と並行してイノベーション人材の選定(最低1名)

<具体的な新規事業創出設計成功のステップ例>

  1. 戦略的目的の明確化

    • 新規事業を通じて何を達成したいのか、具体的な目的や目標を明確にします。これには、収益増加、技術革新、市場シェア拡大などが含まれます。

  2. 組織文化の醸成と人材育成

    • 新しい事業に挑戦するためには、失敗を恐れず挑戦を奨励する文化が必要です。また、社員が新しいスキルを習得できるよう、教育やトレーニングを充実させます。

  3. 評価・報酬制度の設計

    • 新規事業の成果を適切に評価し、それに応じた報酬を提供する制度を設計します。これにより、社員のモチベーションを高め、事業の成功を促進します。

  4. 外部人材やエコシステムの活用

    • 社内のリソースだけでなく、外部の専門家やパートナー企業、研究機関と連携することで、事業を支援し、成功の可能性を高めます。

  5. 事業化リスクへの対応

    • 新規事業のリスクを最小限に抑えるために、段階的な検証を行い、必要に応じてリスク分散策を講じます。これには、プロトタイプのテストや市場調査が含まれます。

<大手ゼネコンの新規事業創出制度事例>

⭐︎A社の新規事業創出制度

  • 提案プロセス: 個人または部署単位でビジネスアイデアを提出

  • 審査プロセス: 段階的な審査を経て、最終的に3-5件を選定

  • PoC期間: 8ヶ月間のPoC(Proof of Concept)期間を設け、無償プロトタイプと有償MVP(Minimum Viable Product)で検証

  • 事業化フェーズ: PoC期間を経て事業化を判断し、必要な資金・人材・組織体制を確保

⭐︎B社の新規事業創出制度

  • フェーズ1: 顧客ニーズ評価と社内フィードバック

  • フェーズ2: 投資回収可能性の評価

  • フェーズ3: 事業計画の妥当性と法的準備状況の評価

  • フェーズ3.5: テストケース実施とリスク評価

  • フェーズ4とフェーズ5: 定期的に事業計画進捗を確認し、必要に応じて軌道修正

⭐︎他大手企業の事例

  1. アイデア創出:社内外から幅広くアイデアを募集し、個人やグループで提案を受け付ける

  2. アイデア評価:事業性、技術性、市場性など多面的な評価軸を設定

  3. アイデア磨き込み:提案者主体で事業部門メンバーがサポートし、メンタリングや勉強会で能力を向上させる

  4. 事業化検証:市場調査と事業性分析を実施し、提案者が積極的に関与

<最後に>

大手ゼネコンが新規事業を成功させるためには、組織文化の改革、経営陣のコミットメント、外部リソースの活用など、さまざまな要素が必要です。本記事で紹介した具体的な事例や制度設計のポイントを参考に、自社の新規事業開発に役立ててください。新規事業の成功は、企業の未来を切り開く重要な鍵です。失敗を恐れず、挑戦し続ける姿勢が最も重要です。

・もう少し詳細の事例を教えてほしい
・使っているテンプレートが欲しい

など上記でしたら無償でご提供しますので、
お気軽にご連絡いただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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