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すっぴんで会社に行くな


■このnoteを読んでみてほしい方

・職場、または他者との立ち位置に悩んでいる
・上司との関係が縮まらない。
・どちらかというと他人と話すのが得意でない方


実は大学一年生の頃に大学へ行かない、いや行けない時期がありました。
その時に感じたことが今の社会人生活で活きているような、そんな話。

■大学へ進学するまで

私は、かなりの田舎で育ちました。
小学校、中学校は1クラスのみ。高校では、少し人数が増えましたがそれでも2クラスでした。
小中高と運動部で、陽キャとも仲良しな陰キャといった感じでしたね。
ちなみに、私が育ってきた地元の雰囲気はこんな感じ。

①苦手な人と距離を取る事が難しく、はっきりと他人を拒絶する人は少ない
②相手の嫌な面を見ても「ここで波風立てても仕方ないしな。。。」と否定しない
③良くも悪くも、トラブルはうやむや。時間が解決(するように見える)

なので、拒絶は「ドラマ」の話であり、現実では起こらない。
今思えば、人間関係にはだいぶ恵まれていたのだと思います。
そんな感じで高校を卒業し、とある東京の大学へ進学。


■大都会最高!

大学へ入学した私は、毎日が驚きの連続でした。
「え?mixiで繋がる?なにそれ?」「入学前にオフ会したってどういうこと?」
て感じで田舎ものでしたが、クラスには割とすんなりなじむことができました。
私のクラスは、インハイ常連高のエース(以下、佐藤くん)がクラスの中心になっていて、佐藤君のイエスがそのままクラスの総意になる感じ。

部活動経験者って自分よりも実績が凄い人がいると、無意識にその人の意見を尊重しちゃいません?あれって何でしょうね、本能でしょうか。

今思い返すと上位下達の鑑ですね、銀行さながらです()。

私は佐藤くんと家が近かったので、2人で遊ぶことも多く、どんどん仲良くなっていきました。授業でもサークルでもずっとつるんでいましたし、佐藤くん(と私)の周りには人が集まるので「都会って最高すぎん?卒業後は、地元で暮らすなんて考えられないわ。」と、大学での1学期はとても順調でした。

そして夏休みに入り帰省してみると、地元は地元で楽なんですよね。
観光地に行くのはお金もかかるので、友達ととにかく車でドライブ。
適当に向かった先の山や海でひたすらのんびりする日々。
その間は「やっぱり地元が楽だな。地元から離れるとか考えられない。」
なんて、調子いい事を考えていました。


■そして、仙人へ。。。

夏休みも明けて、寒くなってきた11月の東京。

私は自宅に引きこもっていました。


原因ですか?


いいえ、都会の寒さではありません。


夏休み明けから急に始まった佐藤くんによる徹底的な無視です。


この時は衝撃的でした。夏休み明け、挨拶したところからいきなり無視ですから。
夏休み中は大学のメンバーとは特に連絡は取っていませんでした。
最初の頃は良く遊びの誘いが来ていましたが「地元に帰省してるからごめんね!」のやり取りで終わっていて、佐藤くんの機嫌を損ねるような事も思いつきません。
クラスメートも佐藤くんの視線を気にして絡みに来ないので、キャンパス内では独りぼっち。サークルに行っても、佐藤くんとかち合うとその場の雰囲気が悪くなるので、次第に行かなくなりました。

こんなはっきりとした拒絶は初めての経験だったので、頭の中は「佐藤くん」事案でいっぱい。
初めは「お前、それでホントに大学生なの?こんなの現実に起こるものなの?勘弁してくれよ。。。」と怒りでいっぱいでしたが、時間が経つにつれて「自分に何か非があったのではないだろうか?」と理由を探すようになっていきました。
しかし、答えは見つかりません。私は佐藤くんではないのですから。
クラスメートにLINEで聞いても理由が不明です。無視してる事は謝ってくれたけど、むしろ自分自身が情けなくなってきてしんどくなるだけでした。

大学の授業も苦痛です。なんせ、佐藤くんとの共通科目が多い。
視界にいる限り、常に心の中は鉛が詰まっているような感覚です。

そんな生活が2週間ほど続いたある朝、急に起きれなくなりました。
頭の中は「1限!1限!起きて準備!」って言ってるのに全然起きれません。
そのうち大学へ向かうバスの時間が過ぎ、1限には間に合わず午後へ突入。

結局その日は大学へ行かないことにしました。
そう決めると、気持ちは楽になりましたが翌日になってもやはり、大学へ行こうとすると頭が重くて起きれません。
ATMへ行くのも面倒くさくて、Pontaポイント(1万ポイント超)でLチキ買って食べる日々でした。

行けない原因が佐藤くんなのは、分かる。が、有効な解決策が見つからない。
何もしていないはずなのに、謝る必要ある?でも、何かしてしまったなら謝ってこの状況から脱出したい、楽になりたい。

と考え続ける日が続き、クラスメートから何度か「単位やばいんじゃない?」の連絡が来ても「体調悪いから休むわ。ありがとう」と返すだけ。
大学へ行かなくなってから2週間が経っていて
気づくと仙人になっていました。


■ふと見えたもの

そんな時、東京に進学している地元の友人から「ルイヴィトンの個展に行かない?」と連絡が。その時は正直、個展にはあまり興味がありませんでした。
普段なら断っていたと思いますが、一人では限界だったのでしょう。

正直、この時行った個展の詳細はほとんど覚えていません…!!
しかし、このモニュメントを見たとき、私の中で何かが刺さりました。

右記リンクより引用(https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/geometry-of-light)

これ、とても面白い形だと思いませんか?
見る角度や方向で、モニュメントの見え方が全く変わるんです。
この時、佐藤くんとのことも同じだ。。。と思ったのです。

「私が何かしたんじゃなくて、佐藤くんが私を見る角度を変えてしまったのか。」

と同時に、自分が無意識に抱えていた「関係を断つこと」に対する恐怖もスーッと溶けていった気がしました。
この事があってから、佐藤くんとの関係は気にならなくなり大学にも復帰して、無事に卒業することができました。


■他人の目は変えられない

私が今回のエピソードから気づき社会人の貴方に伝えたいこと、それは

他人の目なんて気にせず、自分らしく生きていこう!

なんて綺麗な言葉ではありません。

「他人は、自分が見たいようにしか相手を見ない」と言う真実です。

自分の社会的な評価は、自分ではなく相手が決めるもの。
それは「行動・立ち振る舞い」を見た相手が自身の主観に照らして判断するもので、こちらが決められるものではありません。

でもそれって実は、他人の評価がコントロール可能だという事実でもあります。

これ、若手が仕事していく上では非常に重要な事です。

何故なら仕事を進める決定権はあなたではなく、上司にある。
上司抜きで進められる仕事が、社内や社外に与えるインパクトは非常に小さい。
大きな仕事をする時は、上司の目を通ることになるんです。

だって、責任を取るのは上司ですから。

それなら、自分の見え方が上司からプラスに見えるほうがいいと思いません?
「こいつは信頼しても良さそうだ」だと見られている方が難癖をつけられなくて済みますし、施策の進めやすさに直結します。

しかし評価のコントロールといっても、特別なことをするわけではありません。

本当に単純ですが『相手に対してきちんと挨拶をする』、これにつきます。

人は、知らない他人を警戒します。それは情報がないからです。
未知だから、本能的に警戒する。なので最初の評価は、マイナススタートです。
そこから『顔』『体格』『態度』『声』といった変数を積み上げて、自分の評価がプラスに近づいていく。

その中でも大きな変数が『態度≒挨拶』です。
下のようなセリフ、社内でよく聞きませんか?

「あの若手、顔はいいけどさ。。。挨拶とか態度悪くない?」
「アイツって、全然挨拶返さないよね。可愛げないわ。」

挨拶して嫌な顔されたことないですよね?
(もしある場合は、相手がやばいやつである可能性が非常に高いです)
社内で誰かとすれ違う時や、誰かに話しかける時には挨拶する。
挨拶をきちんと継続するだけで、あなたの印象は良い方向に変わります。

そうすれば、上司や先輩はあなたを伸ばす方向に配慮しそれを素直に受け止める事であなたはさらに成長できます。

挨拶が嫌い、もしくは苦手な方もいると思います。
私も、決して明るい方ではないので挨拶する時は仮面を被ります。
素の自分で挨拶ができないのであれば、その一瞬は仮面を被るべきなのです。
個人的なポイントは以下の2つ。

①相手が先に挨拶した場合は、相手の声量にほんの少し上乗せして挨拶する
②先に挨拶する場合は、普段の自分の声量から1.2倍程度

テンション高く「おはようございまぁす!」とかやらなくて良いので、仮面を被りほんの少しだけ元気な声で挨拶してください。

挨拶が苦手なあなたの小さな継続が、あなたの仕事ぶりを良くする大きな助けになっていきますように。

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