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"未来の子"と見た、服飾産地の未来。

※)2021年2月、本アカウントを個人用から事業用に変更しました。
この記事は個人アカウント時代に民ノ布の中の人が書いたものです。


先日講義しに行った県立大学のデザイン学科生にお願いされ、衣類製造の川上から川下までざーっと見てもらうツアーを企画しました。

今回伺った工場は全部で4ヶ所。

まずは

生地製造工場。

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旧式織機と革新織機の両方を使って、主に帆布を作っておられます。
厚みや規格の差はあれど、織っているのは全て生機。工程も非常にシンプルなので見学時間は30分。
余った時間は、営業担当の方とおしゃべりしました。
どうしても「材料」であるが故、高品質なことは理解してもらえても、結局価格の話になってしまうそうで…。
私も日々よく考える課題です。私個人としては、もう「見せ方・伝え方の工夫」しかないのかなと。

そして

染色整理工場。

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生地工場から届く生地を晒したり染めたり形を整えたりおめかしするところ。
60年前の創業当時から設備はほぼ変えてないないという非常にクラシックな現場だったんですが、機械が古いと逆に「この生地の整理はうちが強い」などあるようで、最新設備であればいいというわけじゃ無いことも分かりました。
設備が古い分、この工場には今や少なくなったクリップテンダーがメインで稼働していて、私のようにセルビッチ大好き人間には最適な工場でした。

次に

製品プリント工場。

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プリント工場は10年ぶりの見学で、以前伺った京都の工場では全て人が手で刷ってたけど、今回行った工場はプリント機を導入し、ほぼ自動化してた。
それでもプリント素材を的確な場所に瞬時に置いたり、生地の特性を見ながらインクジェットの前処理剤を加減するなど、ところどころ人の手で行われていて、その辺は数値化できないものが存在しているようでした。

最後に写真NGの

縫製工場。

学生はテキスタイル専攻で、縫製のことは明るくなく初めての景色に刺激をもらったようでした。

「しまむらであろうとルイヴィトンであろうと、衣服は人の手によってつくられている」という事実を、頭では理解していても実際目の当たりにし、縫い手の方々の苦労を直接聞いて彼女達にも思うことがあったようです。

学生達が今後どんな道に進むのか分からないけれど、自分たちの手の代わりになってくれる人々の立場に立った、やさしいモノづくりをしていって欲しいと思った一日でした。

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