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「あんしん夜道」ができるまで

あんしん夜道開発者のいしてぃこと、石戸谷由梨です。あんしん夜道には2つの表現の仕方があると思っていて、1つは"夜道に恐怖心や不安を抱く女性のための防犯対策アプリ"、もう1つは"夜道のジェンダーギャップを解消するアプリ"です。

このnoteでは、あんしん夜道がなぜ後者の"夜道のジェンダーギャップを解消するアプリ"と表現されるのかについて、私の思いを中心にお話ししていきたいと思います。

出会いとジェンダーギャップ

あんしん夜道を開発するきっかけになったのは、私が今のチームメンバーに「ジェンダーギャップを解消するアプリケーションが作りたい」と言ったのがきっかけでした。ではなぜ私がそのようなことを言い出したのかについて、遡ってご説明したいと思います。

幼少期〜高校生までの私

兄が二人いる私は、それはそれは喧嘩っ早く、兄と取っ組み合いをすることは日常茶飯事でした。そんな反面女の子ともよく遊んでいるような子でした。小学校も中学校も地元の公立の学校に通い、バスケットボールを楽しくやっていました。先生という存在が好きで、生徒会をやったり、クラスで指揮を取ったり、俗にいう優等生だったとは思います(自分で言うのもアレですが・・・)。

高校では、それまでとは打って変わって異なる、女子校に進学しました。あひる坂で有名な高校で(埼玉 / あひる / 女子校でググれば即出ます笑)、そこでは生徒会(←実は中高生徒会長なんですよw)や山岳部に所属して楽しく過ごしていました。みんな個性が弾けていて、一生の友達が作れる素敵な環境だったなーと思います。

大学生になると

大学はみなさんご存知の🍵大に通っています。小学生の頃からパソコンを触るのが好きで(機械の分解とかプログラミングをしていたわけではないのですが…)、パソコンをずっと触っていられる学部どこかな〜と考えていたところ、🍵の情報科学科に無事合格することができました。またもや女子校ですね。別に女子校がいいからという理由で選んだのではないのですが、直感的にここが合うだろうと感じたところが、たまたま女子校だったというだけでした。

大学に無事入学し、塾講師のアルバイトと学校での授業(その時は教職をとっていたので大忙しでした)を奔走していく中、あるときから違和感を感じるようになります。それは毎回決まっていいほど男性と会話をしたり関わる時でした。

例えば「〜しないほうが可愛かったのに」「あいつがお前のこと気に入ってるらいいよ」など、これはほんの一部に過ぎませんが(かなり一部0.001%ほどですね)、説明できないモヤモヤを抱えていました。また私は、その時好意を抱いていた人(男性)に好きになって欲しくて、気に入ってもらいたくて、自分の外見を可愛い女の子っぽくするために懸命に勤めていました。

ジェンダーギャップとの出会い

そんな私に転機が訪れたのは、その好意を抱いていた人にここではいえないような存外な扱いを受けたことでした(かなり精神的に参ってましたね)。そこからでした、私が自分の現状を客観的に見るようになったのは。

自分の精神が参っていた頃、自分と同じような経験をしている人をネットで探していました。どう対処すればいいかわからなかったからです。するとだんだん浮き出てきたのは、私が経験したことは性差別であったという事実でした。私はこの時初めてジェンダーギャップを身をもって知ったのです。

気づくのにたくさんの時間を要しました。つまりそこまで私たちの思考は、無意識のうちに社会的な性差であるジェンダーによって侵食されていたんです(つまりジェンダーバイアスですね)。

そして皆さんに知って欲しいのは、皆さんは今気づかないうちに性差別を受けているかもしれない可能性があるということです(男女限らずに)。今回私に性差別をしてきた人は無意識のうちの行動で、全く悪気がありません。また私も、初めのうちはそれがだたの違和感であったので、気のせいかとも考えていました。だから私はどうしようもなかったんです。彼らを責めることもできなければ、理由がないので逃げることもできませんでした。そんな状況を、皆さんにも経験して欲しくないんです。つまりくどくなってしまって申し訳ないのですが、このnoteを通して伝えたいことは、違和感を感じた自分を大事にしてほしいということです。

P.S. 今思うと高校生の時、女子校であったからすくすく楽しく成長できたんだと思います。🦆の女子校に通っていて本当に良かったなと思います。女子校おすすめですよ^_^

※性差について知りたい方はこちらをみてみてください。実は私もサイト作成のお手伝いをしました!

Waffleとの出会い

その経験とは並行して、新たな出会いがありました。2021年の夏あたりに、その時中学校のセミナーのお手伝いで出会った、🍵大の先輩にNPO法人Waffleでプログラミングを教えるボランティアをしないかと誘われました。ちょうど教育に興味があり、プログラミングも専門の分野であったので2つ返事で引き受けました。今思うと、ここから私の世界がひらけていったなと感じます。

何度かボランティアをし、メンターから転じて講師を受け持つようになり、どんどんWaffleとのつながりが深くなってきました。そして、ある時Waffleインターンしてみない?といわれました。すごくやりたかったのですが、学校の授業(🍵情の2年生の前期は忙しいらしく笑)やバイトもあり悩んでいたところに、ジェンダーギャップとの出会いがありました。その時はWaffleがITのジェンダーギャップを解消する目的のNPO法人だからというよりかは、新しい環境に身を置いて心機一転、前向きに進みたいという気持ちが強く(もちろんプログラミングを教えることが楽しかったのもあります)、メールでインターンやりたいです!と気持ちを伝え(熱烈だよね的なことを言われました気がしますw)、ivyさんとドキドキ(笑)の面接をして、2022年の春から晴れてインターン生になりました。

フェミニストとは

学校の中に閉じこもっていた私にとって、Waffleで大人の方と一緒に仕事をすることがとても新鮮で、素敵な経験でした。人と関わるたびに、私の視野が30cm程度の竹物差しであったのが、50cm、100cm、10mと指数関数的にどんどん伸びていくのを実感できました(指数関数にはなってないですね 笑)。

インターンをし始め、初めてオフィスに行ってAsumiさんという方と作業をしていた時に、もう一つの大きな転機がありました。

その当時私は、ジェンダーギャップを気づいていたものの、親友などに話をするだけで特に行動を起こそうとしていませんでした(精神的に参っていた時期は抜けて憤りに満ちていた頃ですね)。そして一緒に作業していたAsumiさんにも、自分の経験は話していなかったのですが、性差別について自分の考えや憤りを感じていることを話しました。めちゃくちゃ話が弾みました笑。

するとそれを聞いたAsumiさんが私に向かって
「あなたってフェミニストなんだね」
と言ってきたんです。目から鱗でした。

その時に私は自分がフェミニストとして、性差別に対する思いを元に行動を起こすことができる、起こしても良いということに気づきました。それから私は、自分と同じような性差別を受ける人を減らしたい、自分の憤りの原因を無くしたい、そして自分の手でジェンダーギャップを解消していきたいと強く思うようになりました。情報科学科でプログラミングも好きだったので、自分の手で作ったプロダクトでそれができたらな…と考え始めていて、そうして行き着いた先が、「ジェンダーギャップを解消するアプリケーションを作る」でした。

しかしアプリを作るにしても、方法がわかりません。まだまだひよっこプリグラマーなので、どうしようか悩んでいたところ、「いしてぃハッカソンには出てみないの?」とivyさんに言われ、さらにちょうど参加者を募集していたJPHACKSというハッカソンを見つけ、思い切って個人参加で飛び込んでみることにしました。「ジェンダーギャップを解消するアプリ」という思いを抱えて。

この章の最後に

最近よく言われる言葉があります。
「フェミニストって悪い言葉じゃないの?」と。

私はここでフェミニストという言葉の良し悪しについて、皆さんに私の考えを説いていくということはしないのですが(言葉の解釈は人ぞれぞれなので)、私にとって"フェミニスト"という言葉は鎧だと思っています。なぜなら、ここまで長々と時間をかけて私のジェンダーに対する思いや、解消していきたいという思いを語ってきたのですが、それが"フェミニスト"という言葉を使えば一括りすることができるからです。

こう説明すると、それって悪いことじゃないの?って言われそうなんですが、私は自分がフェミニストですと示すことで、自分もそうだよと寄り添ってくれる方や、じゃあジェンダー的な発言に配慮するねというふうに言ってくださった方がいる事を知っています。だから、フェミニストって素敵な言葉で、私自信を守ってくれるような言葉だと思っています。(青い鳥や変なスレッドサイトに惑わされて欲しくないなとも思います笑)

あんしん夜道をなぜ作るのか

あんしん夜道は私がハッカソンでたまたま組まれたチームメンバーに「ジェンダーギャップを解消するアプリケーションを作りたい」という思いを話したことから始まりました。
(メンバーとの話はこちらのnoteに書きました!)

まずはメンバーに私が解消したい"ジェンダーギャップ"とはなんぞやという説明をし、では実際にどう言った問題を取り上げるのかをメンバーと何度も何度も話し合いました。そして話し合う中でメンバーの一人が、自分のパートナーは夜道に恐怖を抱いていて、それを払拭するために電話をしているふりをしている、ということを話してくださり、それを深掘りすることにしました。

そして夜道にはジェンダーギャップがあることがわかり、それを解消するようなアプリケーション「あんしん夜道」ができました。夜道のジェンダーギャップに関しては、詳しくはあんしん夜道の公式サイトに書いたので、見ていただけると嬉しいです!

↓↓↓↓↓ あんしん夜道公式サイト ↓↓↓↓↓

最後に / 現在の私

まず率直に今の感情を表すと、あんしん夜道を今も開発し続けられていてすっごく幸せです!自分のジェンダーギャップを解消したいという思いが、しっかりと着実に実現されているのを実感しています。しかしここで止まろうとは思っていません。性差分析の研究だったり、また新たなアプリの開発だったり、引き続きジェンダーギャップの解消に向けていろんなことに挑戦していきたいと考えています!

お願い

そして皆さんにお願いです!私の想いに共感してくださる方や、夜道に少しでも不安や恐怖を抱いたことのある方、あんしん夜道のヒアリングに協力していただけないでしょうか?オンラインまたはオフラインで1時間ほどお時間をいただきます。皆さんの貴重なお時間をいただく分、絶対に日本の女性が
夜道を安心してるけるようなアプリケーションを作りますので、どうかご協力お願い致します。

以下の応募フォームより、応募していただけると幸いです。
ヒアリング応募フォーム


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