予備校の英語の講義で教わったこと
浪人生時代に通っていた予備校での話です。
英語の講義では毎回必ず最初に雑談がありました。
英語とは全く関係ない、基本的にはどうでもいい話が大半だったので講義に集中する準備をさせる為の時間だったんだと思います。
今となっては講義も含めほぼ全て内容は忘れてしまいましたが、一つだけ覚えている話があります。
それは、『世界五分前仮説』。
『世界五分前仮説』とは、
「この世界の始まりは実は五分前だった」
という仮説です。
有名な思考実験の一つなのですが、私は初耳だったのでそれこそ天地創造レベルの衝撃を受けました。
そんなバカな。
地球が生まれておよそ46憶年。
西暦だっておよそ2000年(当時)。
化石は?
断層は?
歴史的遺物は?
何より、それまで過ごした20年弱の記憶があります。
そんな懐疑的な顔をしている受講生たちに対して講師は言い放ちます、
「すべてひっくるめて五分前に誕生した」と。
科学的な研究結果。
考古学的な調査結果。
数十年間の記憶。
そのすべてを持った状態で「世界は五分前に誕生した」と。
反論できるならしてみてください、そう言って英語の講義が始まりました。
無論そのあとの講義に集中できるはずもなく、なんとか反論できないかとそのことばかり考えてしまったのは言うまでもありません。
英語の成績が上がらなかったのは、名前も忘れてしまった講師のせいだったのでしょう。そうに違いない。
『世界五分前仮説』、この思考実験は反論不可能と言われています。
かろうじて反論できるとするならば、
『世界五分前仮説』が正しいと証明することもまたできないということぐらいでしょうか。
待ち時間や移動中など脳が暇な時にでも思考してみてください。
もしも完全に論破できたら歴史に名を刻めるかもしれませんよ。
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