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記録を残そう。誕生日にカメラを買った。

28歳になった。

地下鉄サリン事件の翌日に生まれたから、誕生日が近づくとテレビが事件関連の特集だらけになるが、それも年々減っている気がする。誰かにとっては祝福で包まれた日が、別の誰かにとっては地獄のような日なのだという実感も薄れていく。


これまでの誕生日がどんなものだったか、全てを覚えているわけではない。写真にでも残っていれば思い出せるが、私は、元彼と過ごした日々の写真は別れた瞬間に全消去する派なので、彼らと付き合っていた期間の記録が無くなった今、自分の脳に思い出を頼るしかない。

しかし、ポンコツなこの脳みそは、2020年までの誕生日をどう過ごしたか、思い出すことができない。幸せだったのかも定かではない。ガチャポンで回したポケモンのフィギュア「ヌマクロー」が誕生日プレゼントだった年があったことだけは記憶している。相当不満だったのだろう。

最近ハマっているアニメ『攻殻機動隊』で、バトーというマッチョで痺れるハードボイルドなキャラクターがこんなことを言っていた。

刹那に過ぎる時の中で、自分という個を特定しうる証拠を、記録しておきたいからこそ、人は外部記憶にそれを委ねる

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 25話

こうして文章を書いている、今この瞬間もそうだ。暇つぶしだとか、考えの整理のためとか色々理由はあるけど、突き詰めると、自分を記録しておきたいという気持ちが一番大きな原動力だ。

そして、「写真を撮る」というのも、記録の方法の一つである。

他の人が日々どれほど写真を撮っているのか分からないが、私は写真を比較的よく撮る方だと思う。これは父の影響かもしれない。

父は何でもかんでも写真に残すし、家族LINEをインスタだと思っているので、日々いろんな写真が送られてくる。数年前にドローンを手に入れて以来、その傾向はさらに強くなった。文章もよく書いているし、「記録しておきたい」という気持ちが強い人なんだろう。こういうのって遺伝したりするんだろうか。


話を誕生日に戻すが、この日は夫が祝ってくれて最高の日となった。ここに記録しておく。

誕生日イヴと称して、前日からホテルニューオータニ幕張に宿泊。朝食のビュッフェでプールサイドの席を用意してもらい上機嫌に。

ホテルから出ると野球のユニフォームを着た人たちが列をなして歩いているのを発見。ユニフォームから察するに、カープとロッテの試合のようだ。

「オープン戦かな〜」と話しながら、予定ではこの後公園で凧揚げをすることになっていたが、席が空いていたら野球観戦をしようという話になり、ファンたちの後ろを着いていった。

久々の球場、初めて見るZOZOマリンスタジアムに大興奮しながら、チケット売り場の前をうろちょろしていると、ちょっと強面のおじさんに話しかけれらた。

「今からチケット買うの?良かったらこれ貰って」

どうやら一緒に見る予定だった知人2人が来られなくなって、チケットを譲る人を探していたらしい。とんでもないビッグ・サプライズ・エクストラ・スーパー・バースデープレゼントを貰った。

私たちにビールまで奢ってくれたこのおじさん、昨年は通算70試合球場に足を運んだほどのロッテファン。口が裂けてもカープファンだとは言えず、私はこの日、千葉ロッテマリーンズに魂を売った。


カープに勝利し、おじさんとハイタッチをしてホクホクな気持ちで予約していたバーベキュー会場に到着。周りの大学生たちの会話を盗み聞きしながら肉を頬張る。腹も満たされ、誕生日の締めくくりに夫に連れられて行ったのが「ヤマダ電機」である。


誕生日プレゼントが「カメラ」であることは前日知らされていた。どの機種が良いか、迷いに迷った末、一緒に買いに行こうという結論になったそうだ。

数年前からカメラが欲しかった。写真を撮るだけならiPhoneで事足りるが、「この夕陽、写真で見るより素敵だったのに!」というもどかしい気持ちから解放されたくて。その念願がようやく叶い、我が家にカメラがやってきた。

NikonのZ fcというタイプのものだ。正直性能とかよく分からないが、とにかく見た目が可愛すぎてこれにした。これからどこに行くにもこいつと一緒だいうことが嬉しい。

そういえば、カメラメーカーって国内のものが多いな。是非とも応援したい。バリバリにiPhone使ってますけども。


というわけで、カメラを手に入れたので、早速撮ってRAW現像とやらをやってみた。


たたたたた楽しい!写真撮る時の「カシャっ」て音だけでもう楽しい。

これまで以上に、記録しておきたいという気持ちが高まっている。明日は久々の出社で憂鬱だったけど、早めに出発して豊洲の景色でも撮ってみようと思う。


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