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【不登校リカバリーCPC】娘の発達障害回復記録④私が複雑性PTSDだった!?

久々の記事投稿となります。前回の続きから、大学1年生になった娘の発達が、どのように改善していったかについて書いていきたいと思います。今回は、娘の回復そのものを支えた、親である私自身の回復をメインに書きます。よかったら、記事を番号順にご覧くださいね。以下のマガジンにまとまっています。

自己紹介

トラウマの癒しを提供するハートエデュケーションセンター代表、川村法子です。ざっくりとした自己紹介は、以下からご覧いただけます。


欲しかった情報〜発達障害の原因

一つ前の記事で、発達障害を「個性」として扱うことに、否定的な立場をとっていると書きました。これについては、脳神経科学が説明するところであり、決して個人的感情や見解で書いているのではありません。

娘の回復に向けて取り組み出して数年経った頃(2008〜2010年頃?)、インターネットで発達障害についての海外の研究記事を見つけました。それは、発達障害が神経と関わる問題であることが発見されたという記事でした。その記事を今見つけられないのは残念なのですが、わざわざ見つける必要もないくらい、現在では広く知られていることです。

その後も、しばらくは、日本では情報が得られませんでしたが(私のサーチ不足でもありますが)、2019年に出版された「発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療/杉山登志郎」という書籍に出会った時、これまでの点と点が線でつながったような感覚を得ました。その頃には、すでに娘の発達について悩んではいませんでしたので、答え合わせのような体験でした。

「翻って、臨床において問題行動を多発させるグループのなかに高率に、母子ともにASDという組み合わせが認められることに同時に気がついた。さらに臨床を続けるうちに、この発達障害の診断が付される親の側にも被虐性の既往が一様に認められることにも気づいた。」(P17-18)

「特に目立つのが、親の側に、父親にも母親にも、うつ病や躁うつ病が極めて多いことであった。」(P18)

「徐々に筆者は、このような親の側の特徴が、複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)の臨床像に一致することに気がついた。すでに精神科受診をしていた親の場合、さまざまな診断を受けていたが、発達障害に関しては未診断、さらにトラウマの既往に関しても、そのことに十分に配慮された治療がなされていた者は皆無であった。彼らは、発達障害の臨床像と慢性のトラウマからくる複雑性PTSDの症状とを共に有しており、つまり子どもに認められる諸症状と基本的には同一であった。」(P18)

発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療/杉山登志郎

私の複雑性PTSD

複雑性PTSDとは、2020年に認められた診断概念で、本人の心身や自己認識、関係性など、人生のあらゆることを通して慢性的な生きづらさを生じさせる精神障害のことです。特徴的なことは、この症状が、事件や事故に巻き込まれるというような、一過性のトラウマではなく、継続的なトラウマによって生じるという点です。

私が、生きづらさの果てに、2008年から積極的に自分の過去のトラウマを癒していた時には、この診断名は存在していませんでした。ですが、杉山登志郎先生の書籍から、当時、私が複雑性PTSDを発症していたことがわかりました。皮肉なもので、あらゆることをやり尽くして、回復してやっと、自分に生じていたことを理解したのです。

私にとってトラウマセラピーは、とてつもなく効果的でした。以下に、私が回復させてきたことをいくつかリストアップしてみます。

  • ぼーっとする偏頭痛

  • 身体が硬直して動けなくなる群発性頭痛

  • 頭の中にモヤが生じるブレインフォグ

  • 11歳から続く慢性便秘症

  • 朝ベッドから降りると足が痛くて歩けないほどの冷え性

  • 朝起きることができないほどの起立性調節障害

  • いつも疲れてぼーっとしている慢性疲労

  • 急に心臓がドキドキしたり、喉が詰まって声がでなくなるパニック障害

  • 毎日あらゆることに不安ばかりが募る不安障害

  • 子ども時代から希死念慮が続く慢性的なうつ状態

ここに書いたものは、心身に関わるわかりやすい症状ですが、これ以外にも関係性や仕事、子育てにおける細かな変化は、数えきれないほどあります。

特に夫婦関係の改善や子どもたち全員が健やかに育ったこと、私の仕事における自己実現、人生の質の変化は、トラウマセラピーを進める上での大きな希望となりました。

つまり、トラウマセラピーとは、ただ、真っ暗闇を歩くような修行ではなくて、さまざまな回復を実際に体験しながら、虹の橋を渡るような希望に満ち溢れたものなのです。

回復した今だから言えること

今現在、私に仕事を通して出会ってくださった方々も、子どもたちの学校や活動を通して出会った友人たちも、私が、こんな生きづらさを抱えていたとは、誰も想像できないと言います。

そんな時、以前は、自分がのん気に平々凡々と生きてきたと勘違いされているようで、悔しく感じていましたが(笑)、今では、「勘違いされたっていい!なんて最高の褒め言葉なんだろう!」と感じます。

悔しい思いを感じていた時は、まだまだ、私も、自分を認めきっていなかったのでしょうね(笑)。いろんな苦しみが、過去のものになっていけばいくほど、身も心も軽くなり、過去に自分だと思っていたものが、全く必要なくなっていきました。

と書くと、なんだか高尚なことに思えるかもしれませんが、実は、この親の状態こそが、子どもたちの発達と深く関わっていることは、科学的に証明されているのです。

お子さんの発達課題、特に神経的な課題を感じている方は、ご自身、または、パートナーが、“慢性的な生きづらさ”を抱えていないか、少し考えてみてもいいかもしれません。

また、現在子育てをされていない方で、ご自身の発達や、心身の健康に悩んでいる方も、ご両親について少し考えてみてください。トラウマの科学には、「生きづらさや苦しみは、本人の性格や運命のせいではない」と言い切れる潔さがあります。

「トラウマがあることに責任を持つ必要はありません。トラウマを回復させることに責任を持ちましょう。」

これからも、ハートエデュケーションセンターは、トラウマ回復を目指す皆さんと、共に歩んでいきたいと思います。

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