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ちょちょら組・猿田彦神社・佐瑠目神社

猿田彦神社・佐瑠目神社にお邪魔した。

初日に伊勢神宮の内宮・外宮にお邪魔して、家内安全や世界平和など、ざっくりと大事なことをお願いしては、いそいそとお守りを購入していたのだが、実は内宮近くの猿田彦神社が道拓きの神様で、すぐ隣の佐瑠目神社が芸能の神様を奉っていたのだ。


知ったのは伊勢滞在四日目の出来事。



遅すぎる…

ぽん太が同じ一門の「三遊亭とむ」兄さんに話を聞き、なんと兄さんの名前を出せば正式に祈祷できると知った一向は、慌てて神社に連絡を取り、急な用事にも動じることなく先方は笑顔で迎えてくれた。

伊勢を去るめぇ(佐瑠目)に気がつけて良かった。

こんな馬鹿なことばかり言ってると、神様から「駄洒落の腕を上げてしんぜよう」と、あまりありがたくないご利益をいただいてしまうので、ここでおしまいにしときます。


鳥居をくぐるとすぐ右手にある佐瑠目神社のお社には、著名人の名前が掲げられた旗がいくつも飾られている。禰宜の神田さんのお話によれば、新海誠監督が「君の名は」制作を終えた際に、ここで祈祷し、見事大ヒットを果たしたそう。以来、作品を創り終えるたび、ここまで足を伸ばしては大ヒットを飛ばしつづけているのだとか。
社務所では、こたびの新作「すずめの戸締まり」のポスターも額に入って飾られていたので、また映画界を盛り上げてしまうこと間違いなしだ。

興業収入の1000ぶんの1でも良いので稼ぎたいと下世話な祈りを込め、禰宜の案内に従い玉串をさせていただいた。

とむ兄さんに礼を言わなきゃと帰り支度をしていると、なんと神田さんから「猿田彦神社の正式な参拝をいかがですか?佐瑠目は芸能ですが、猿田彦はすべてを良い方向に導く、道拓きの神様ですので…」とありがたい提案をうける。

ありがとう神田さん。出会った頃からにこにこされて、こちらを数秒で安心させちゃう笑顔の持ち主。神職につきながら、名字に「神」が入る奇跡のおとこよ。四日目まで猿田彦のことを「珈琲のあれ」くらいで捉えていたならず者にも本当に手厚くもてなしてくれる。

ありがたくお受けして、応接間で必要事項に記入すると

「玉串は代表の方おひとりになるので、文吾さんで宜しいですかね?」

一同、自分も含め「よろしくねぇな」と顔を歪めつつ、リーダーとして大役を仰せつかる。しっかりと手順を伺い、いざ本堂へ。

ありがたいお言葉を頂戴し、巫女さんの指示に従って立ったり座ったりお辞儀したりしながら、白いギザギザの紙が先端に付けられたありがた棒でご利益をいただく。

「続きまして、ちょちょら組代表・橘家文吾様、靴を脱いでお上がりください」


きた。



玉串を受け取り、正座で神様に備え、二礼二拍手一礼、願いを込める。







「GTOの再放送やりますように」




違う違う。





「みんなの道が拓けますように」




あと



「仲良しでいられますように」



ミスなくやりきり一同満足な顔つきで応接間に戻る。

「兄さん、良かったよ」
「なんか頼もしかった」

リーダーとしての株も上がったなと、ほくほくしていると、応接間までの帰り道の二択を間違えて「そっち行き止まりです」と神田さんに止められる。

みなが後方から

「さっき来た道だろ」
「どうやれば二択を間違えられるんだよ」


一同総ツッコミ




「なんの道を拓いてんだよ」



猿田彦の神様も、行き止まりを拓くことはでないようだ。



神様、どうかこの方向音痴も直してもらえますと助かります。


南海キャンディーズのおふたりの名前も確認できました
優しい笑顔の神田さん。※撮影時のみ、マスクを外してます




文・橘家文吾

ちょちょら組 落語家
橘家文吾 (Tachibanaya Bungo)
https://www.tachibanayabungo.com/

柳亭信楽 (Ryutei Shigaraki)
https://www.shigalucky.com/

三遊亭ぽん太 (Sanyutei Ponta)
https://pontathe2nd.amebaownd.com/

立川かしめ (Tatekawa Kashime) 
https://peraichi.com/landing_pages/view/tatekawakashime/

【滞在期間】2022年11月7日〜11月13日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)