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【薬剤師の転職事情】当たり前だけど

薬剤師の転職事情について

前回は薬剤師の就職事情についてお話しました。今回は「転職」についてお話させていただきます。
過去は薬剤師も超売り手市場だったため、今では考えられない給与、特に地方は薬剤師誘致のため、年収700万円以上の求人はたくさん掲載されていました。調剤薬局への薬剤師派遣(病院への派遣は一部条件を除いて派遣法で禁止されています)に至っては、時給4,500円、家具家電付き住居、着任費用負担といたせり尽せりで、1年間派遣勤務すると年収1千万円近くになっていました。今では時給も1,000円近く低下し、相場は2割程度は下がっています。かつて人気のあった派遣も求人が減り、派遣で渡り鳥の様に働いていた薬剤師も正社員求人に応募したり、派遣先で正社員になったり、毎年押し寄せる新卒薬剤師もいたり、転職戦国時代に突入し始めています。

【薬剤師転職必勝法】

充足傾向の強い人気エリアで転職をするなら、沢山いる薬剤師の中でも採用側にとって価値のある人間にならなければなりません。これは一般社会では当たり前ですが、数年前までは薬剤師の資格があるだけで簡単に転職できてしまっていたので、甘い世界にどっぷり浸かっていた薬剤師は、言葉は悪いのですが、日々の業務をこなすだけになっていた方も少なくありません

①認定薬剤師、訪問経験、健康サポート薬局、管理薬剤師経験

差別化を図ると言う意味で、認定薬剤師の資格や施設などに薬を届ける訪問医療の経験など、薬剤師としての価値をあげられるものは全て取得経験が必要です。履歴書に資格を記載できるのは言わずもがな、訪問診療経験者であれば、担当施設数は⚫︎件、担当患者数は⚫︎件、担当エリアは⚫︎〜⚫︎、医師同行の経験有無と件数など、履歴書とは別に職務経歴書で詳細を書くことでアピールすることが必要です。薬剤師の得意文句「管理薬剤師はできません」も、もうやめましょう。

②かかりつけ薬剤師の実績を積む

かかりつけ薬剤師制度は算定を取るのに求められます。算定が取れる=利益に繋がるので、薬局としても積極的に対応したいのです。かかりつけ薬剤師は患者様1人1人に同意を得て登録が必要です。薬局によってはノルマがあり、薬剤師にとってはこれが営業行為と感じ苦手意識や拒否反応を示す人もいます。自分は医療人だと認識が強く、営業ノルマの様に求められる事に耐性が無いのです。薬局は一般企業です。そこに所属する以上、医療人であり会社員です。その認識ができないならば、調剤薬局を諦めて病院薬剤師になれば良いのですが、薬局に比べて規模によっては業務内容も多く、それなのに年収が低いので(近年は地域によっては逆転現象)そうもいきません。
会社は採用してメリットのある人を採用するのです。「⚫︎年間で⚫︎人とかかりつけ登録しました」職務経歴書に書ければ、価値はグッと上がります。

②40代半ば以上は地方に行く!

医師も薬剤師も都市部は充足傾向です。アーチェリーの的の中心を都心部とし、中心が充足してその次の円である近郊都市も充足傾向、更にその次の円はまだ応募はいけるかな、といったところです。
いやいや、求人サイトを見れば沢山求人があるよ!と言う方のおりますが、人気エリアでまともに戦えるのは余程のスキルがなければ40代前半までです。条件アップを考えて転職するなら、まだそこまで遠くない内から3番目の的で転職をするのがおすすめです。しかし家族や事情によってエリアを離れられないならば現職に留まるか、条件が下がってもやむを得ないスタンスで転職を検討する事になる思います。しかし、的はどんどん外のエリアに移っているので、早めの決断が必要と感じています。

まとめ

一般人と同じく薬剤師も自分の価値をどこまで高められるか、採用側にとってメリットは何かを考えて転職活動をしなければならない時代になりました。そして競合の少ないエリアはどこかを見極めて活動する必要があります。
当たり前のことを書いていますが、当たり前が当たり前ではなかった時代が長かった薬剤師業界は、特に40代以上の方は意識改革が求められています。

次回 黄金時代の薬剤師転職、実話談を記載したいと思います

余談

昔々、ファイナルファンタジー5というゲームがあり、プレイヤーが使用キャラクターの職業を選べるのですが、薬師と言うチート級の職業でラスボスを低レベルで倒しました。はい。


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