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世の中には勉強できない人が多すぎる!(やってもできない理由とその対策)

パンチの強いタイトルですが、今月一の気付きとしてここに記しておきます。

3月上旬、私は近所の塾でアルバイト講師として働き始めました。そこで私は今更ながら衝撃的な事実に気が付くことになります。

「真面目に勉強に取り組んでいるにも関わらずかなり学力の低い人」が多数存在することに———。


塾では、公立高校受験を控えた中学生達に、数学や英語などを教えることになりました。(それまでは、大学受験(中堅〜名門私立)を控えた文系の高校生に、家庭教師として数学を教えたことしかありませんでした。)

中学の内容ちゃんと覚えてるかしら、初歩的なことをきちんと説明できるかしら、などの不安を抱えて迎えた初勤務。しかし問題はそこではありませんでした。

塾での予習、学校の授業での復習、塾での演習と、みんな真面目に取り組んでいるのに、まともに分かっている生徒がほぼいないのです!!

惨状の例を挙げます。

〈数学〉
・同じ構造の問題でも、1や2がxやyに置き換わるだけで途端に意味がわからなくなる
・「y=ax+b」と異なる文字で表されると一次関数か分からない(例:y=cx+d, v=v₀+at)
・文字a のことを一次関数の傾きを表す文字だと思っており、違う文脈で出てきても傾きを代入してしまう
・グラフの交点や変化の割合の意味がわからない
・正負の数の四則演算が正しい順番でできない

〈英語〉
・語順で意味が変わることを理解できず、肯定文の語順で末尾に?を付けたものを疑問文として書く
・殆どの単語の発音と意味が分からない(例:favorite, interesting, any, that, etc...)

私は困惑しました。ちゃんと座って勉強してるのにどうしてここまで分からないのだろうか。しかも、この理解度なのにどうして一部の問題なら解けてしまうのだろうか……。ん?

生徒達は、どうやって問題を解いてるんだ?

これが解決のカギでした。
同じ分野・構造の問題を続けて出したり、違うものを混ぜて出したりしてみて、また、生徒達にどう考えたのかを尋ねて説明してもらううちに分かってきました。

その子達は、概念や問題の意味を理解しようとするのではなく、直感と手癖で解いている!!

例えば、
・○○の単元のワークだから、○○を使って解く(他の文脈で出てきたら何を使えば良いか分からないので見かけや直感で選ぶ)

・一次関数の変化の割合を求める問題では、「y座標の引き算」÷「x座標の引き算」をすると考えるので、「x,yの増加量」が与えられた時でもそこから更に何らかの数字を引いてから割り算しようとしてしまう

・時制も人称も数もスペルも発音も意味もわからないのでどこから考えて良いかわからず、とりあえずうろ覚えの見たことある文に似せて書いている

この上から高校内容を乗せたら、そりゃ混乱を極めるに決まっている……。

意味の分からないことに対し、理解や自分なりの解釈を諦めた結果、薄/無根拠な出題意図の推測や、形や操作だけを似せた変形でしか解けなくなってしまっている。これが、真面目に取り組んでいるのに理解度が低い理由でした。

誤解を防ぐために補足すると、もちろん最初はそれでもいいのです。けれど、解法をなぞることを通して、概念や問題に対する理解を深めるよう努めることが大事で、それを欠かすと、特定パターンの処理しかできなくなってしまいます。

生徒には、完全には理解せずとも、自分なりの解釈を深めるような学習を覚えてほしいなぁ、と思います。

どこまでできるか分からないけど、
バイト先生、頑張るぞ(!!)

*(ところで)*

家族や周りが比較的よく勉強のできる人や、エリートコースを進む人ばかりの環境にいると、感覚がバグってきます。

自分や周囲の人の頭脳を当たり前だと思わず、いろんな他者がいることを理解しないと、知らず知らずのうちに他者を傷付ける発言をしたり、トラブルになったりしかねません。

謙虚になることも大事ですが、世間における自分の立ち位置を弁えて、適切な言動をできるようになりたいものです。

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