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色野おと|いろノート
2024年2月3日 14:41
vergissmeinnicht ふぇあぎすまいんにひと〝僕のことを忘れないでください〟騎士ルドルフはそう言って、最後の力を尽くしてこの花を恋人のベルタに投げると、ドナウ川の流れに飲み込まれてしまった。ベルタは彼のお墓にその花を添えて、彼の最後の言葉をその花に名づけた。◆◇𓏸✧︎✼••┈┈••┈┈私はこの水浅葱色(みずあさぎいろ)の小さな花が愛おしく思ったものだ。女性の男性に対
2024年1月27日 08:47
ミッドナイト。真夜中……その言葉を聞くと私は思い出すことがある。そしてそれと同時に、Carpentersの『Slow Dance』を聴きたくなる。私が社会人になった年、1990年の夏のこと。東京で就職はしたけれど、お盆休みは東京で過ごすことなく、6歳年下の美樹と新潟へ帰ってきた。彼女は玉女短大1年生だけれど、私と同じ新潟っ子。彼女が短大を卒業したら一緒に新潟へ戻って結婚しようと約束
2024年1月20日 21:39
初めて一緒に歩いたのは、君が小学6年生だった頃の秋のことだ。当時、私は高校2年生で、夏休み前に中学校教諭をしていた母親の知人を通して「個人的に家庭教師をしてくれる人を探している」と紹介されたことがキッカケだった。最初に会ったときは、小生意気な女の子だなあって思ったものだ。一学期の期末テストで算数の点数が34点。もともと算数だけは苦手のようで、何が分からないのかが分からないといった状態だった。
2024年1月14日 08:59
雪混じりの雨の降る週末、ひとりで街に出た。たくさんの開いた傘で賑わう交差点、歩行者天国。そのスクランブルの一角にあるスタバの開けた大きなウィンドウに、交差点内を行き交う人達の姿と店内に座る人達が重なって映っている。まるで夢と現実のはざまの流れのように思えた。もしもあのとき、ふたりして違う決断をしていたら……と思うと、もしかしたら今ごろは君と一緒に夢を選ぶように楽しい毎日を過ごしていたのだろ