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著 山川隆義『瞬考』/読書記録

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 表紙の『メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す』の一文に興味を惹かれました。そんな瞬間的に物事を考える人の思考パターンを知りたくて、購入。


『瞬考』=仮説を一瞬ではじき出す思考法

 元々、コンサルタントの著者で幅広い業界の社長などに経営戦略をご提案していた著者。

 本書は、AI化が進む中でビジネスプロデューサーになる事を提案している。ビジネスプロデューサーとは…仮説を一瞬ではじき出し、物事を解決するために、最適な人を集め、マネジメントする役割の人である。
 選ばれる側、選ぶ側に二極化に分かれるこれからの世の中。瞬考を用いて、選ばれる側に回ろうというもの。

 私自身、ビジネスプロデューサーにはあまりピンとこなかった。
 しかし著者がコンサルタントとして、培った思考法やノウハウなどはとても興味深いものがあったので、取り入れていきたいと思う。

・『相手が知らなくて、かつ知るべき事』
 企業の社長を相手にしていた著者。生半可な提案はことごとくつっぱねられた。しかし知識や経験豊富な社長に刺さる価値があった。それは…『相手が知らなくて、かつ知るべき事。』
 この把握が一番難しいが…それを知ることができれば、社長にとってとても付加価値の高い情報になり、信頼関係構築に繋がる。
 『知らなくて、知るべき事』は相手が社長に限った話ではなく、仕事や友達などどんな人にとっても、使える価値であり、重要な情報になる。

・『一を聞いて、十を知る』
 『一を聞いて、十を知る』、これは一つの事から様々な仮説を生むことができる事。この境地に至るには、『一を聞いて、十を調べる事』。これを続ける事によって、知の財産が築くことができる。インプットの量が増えていくと、情報同士が繋がり、アイデアの量や質が爆発的に増えていく。
コツコツ、インプットを増やすことが大切。

・『歴史の横軸と業界知識の縦軸』
 この両方を軸を幅広く知ることで、『相手が知らなくて、かつ知るべき事』を把握する事に繋がる。
 また『歴史の横軸』を把握する事で、時の流れと共に、各業界の世の中の変化に伴った求められる能力がわかる。そしてそれは将来において、必要になるものが見つけやすくなる。
 『業界知識の縦軸』について、多様な業界を幅広く学ぶ。それによりある業界でおきた事が、別の業界でも同じ事が起きていた事に気づく。これは将来おきるであろう事象を気づくことができる。

・『伸びる企業を見つける方法』
 エンジニアの動向を追う。業界のエンジニアが最もアンテナが高く、感覚が鋭い。エンジニアの大移動先の分野が数年後の将来、株価が反応し、盛り上がる業界になるという。

・『成長企業を見つける方程式』
 会社四季報の分析。➀1992年~2001年まで東証へ昇格した企業。➁うち一度でも単年度経常利益が赤字となった企業を除く。③うち1992年~直近の年間平均増益率が40%未満の企業は除く。④うち一度でも減益になった企業を除く。⑤うち業界後位の企業は除く。
 このスクリーニングを行う事で成長企業を見抜くことができる。バフェットコートなど活用することをおすすめ。株式運用する私にとって、このスクリーニング方法はとても精度が高い。

まとめ
 私自身、著者が推奨するビジネスプロデューサーになる事にピンとこなかったのは、正直なところである。ただAIが台頭する中で、ビジネスプロデューサーへの推奨は、筋がとても通っていて、論理的であった。読まれる方によっては、とても感銘を受ける方もいるかもしれないので、気になった方がいれば、書籍に目を通してもらいたい。
 
 上記に一部ではあるが、ご紹介させてもらった内容は、ぜひともビジネスで取り入れたい内容である。
 著者のまとめの中で、覚えておきたい文面。『相手が知らなくて、知るべき事を常に考えながら、一を聞いて、十を調べる事で、インプットの量が増やし、出会った相手に価値を提供していく。』
 とてもワクワクする文面だと感じた。これを継続する事で、きっと新しい世界が見えるし、自分発信できっと良い影響を及ぼす事ができるのではないかと思う。




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