さとのば大学に参加して2週間

 さとのば大学という地域留学プログラムに参加して2週間が経とうとしています。日本全国いろいろな地域から自分が滞在したい地域を選ぶ事ができ、私は岡山県西粟倉村という、山に囲まれた県境の村に滞在しています。出身は福島県、大学は山梨県と、東日本をテリトリーとして生きて来た人間がいきなり西日本の小さな村に飛び込んできて、戸惑うことも多くありますがなんとか生きています。


なぜ西粟倉に来たのか

 これは来るべくして来たというか、気づいたらこうなっていたというか。というのも、私は元々西粟倉とは別の地域を希望しており、西粟倉は第2希望という立ち位置でした。しかし地域コーディネーターさんの都合上、第1希望の地域より先に面談していたことや、第1希望の地域がまん延防止により受け入れ見送りになったことで、第2希望の西粟倉に来ることになりました。水曜日の朝に第1希望の地域から受け入れ見送りの連絡が来て、その直後に西粟倉が受け入れを承諾してくださったので、その日の午後には西粟倉に来るまでの交通手段の話をしているというスピード感…。ですが地域コーディネーターの方が面談の時に逆質問をされたことや、「西粟倉めっちゃハードだよ」の声に背中を押され、第2希望とは言っていましたが実質同率第1希望でした。ちなみになぜ”実質”かというと、西粟倉は車がないとどこにも行けない(ガチ)のに、私は運転免許を持っていないからです。その一点のみがネックでした。はよ免許取りたい。


西粟倉の印象

 一言で言うなら、「懐かしいけどエネルギッシュ」。私も出身は福島の田舎町、朝は車に轢かれたタヌキと何かに齧られたであろうアオダイショウの残骸にビビり散らかし、周りを見渡せば田んぼと畑と果樹園、最寄り駅までは車の距離、一本逃すと遅刻確定の電車、夜に目が合うのは人ではなくハクビシン、って感じのド田舎で育ちました。ゆーっくりと時間が流れていくところ、ちょっと車通りの多い道から外れたら静寂が広がるところ、田んぼが広がる風景、周りを取り囲む山…。果樹園がないのが寂しいけれど、私が育ったところと、どことなく似た景色が懐かしいなぁと感じました。

 ですがのどかな田舎町にとどまらず、村全体がエネルギーに溢れているところ!! ベンチャー企業が多く、移住者も多いこの村は、新しい事が常に生まれているような、源流のような場所です。「やってみん掲示板」という、やりたいことを掲示すると賛同してくれる人を募集できる掲示板があったり、常にチャレンジし続ける「カッコいい大人」がいっっっぱいいたり。のどかな村にアツい人が集まっている、このギャップもなかなかいい。よきよきです。


これからここでしたいこと

 高校時代、一度自分の故郷が大嫌いになり、実は大好きだったことに気づいたり、地元の福島に(色んな意味で)(良くも悪くも)どっぷり浸かった3年間を過ごしたり、いろんなところにビュンビュン行ったりしてみて、実はどんな場所にでも「something nice」は眠っているんじゃないか、という私なりの仮説があるわけです。だから、私はどんな小さな「something nice」に気づく事ができる人間でありたいし、それを

「羨ましいだろお前ら?!?!?!?!?!?!?!」

ってドヤ顔しながら宝物を見せるみたいに見せびらかしたいと言う密かな野望があります。羨ましいと思われるような福島(地方)を見せびらかしたい、「世界中から福島を羨ましいと言わせたい!!」が私の高校生からずーーーーっと口に出し続けている願いごと(一部の皆様、耳ダコだよ!!!!って言葉は重々承知しております。でも黙らぬ。)。この願いごとを、これからプロジェクトという形にして何か一つ、成果物を作るのがこのさとのば大学での目的です(まぁ実はちょっと動き出してるんだけど)。縁もゆかりもない西粟倉という土地に飛び込んできたわけですが、どっぷり浸かって私なりの視点から西粟倉の「something nice」を見つけて、見せびらかしてから帰るのが個人的な目標です。なんかプロジェクトもまだまだバンビが立ち上がってすらいない段階なのに、地域のイベントで発表会まで決まってしまったので、腹括ってやるしかないなぁ、と。とりあえずスケッチブック片手に散歩してスケッチするところから。

2022年2月13日

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