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#3 教員に求められる力(1)

 このコラムを連載する原動力として、教員を志している学生や、生徒と一生懸命向き合っておられる現役の先生を応援したいという気持ちがあります。

 私たちがいる世界は目まぐるしく変化しています。SNSなどの情報技術の発達と共に、世界がより多様化し、生徒の価値観もそれに応じて多種多様になっています。そんな現代の学校現場では、過去には存在しなかった、あるいは顕在化しなかった様々な問題や課題が起こっています。

そんな時代の中、今、「教員に求められる力」とは何でしょうか。

それは大きくは以下のことが挙げられます。

①ティーチング・スキル 

②コーチング・スキル 

③マネジメント・スキル

④カウンセリング・スキル 

⑤ペーパーワーク・スキル

⑥コミュニケーション・スキル

今回のコラムでは①〜③を、次回のコラムで④〜⑥を具体的にみていきたいと思います。

①ティーチング・スキル

文字通り「教える」力のことです。このスキルは教科能力と教科指導能力に分けることができます。前者は自身の教科の力。より深い知識・技能があると教える内容が増えると共にその深みが増しますよね。教員自身が教科の専門性を高める努力が必要です。教科指導能力とは、生徒に知識・技能を定着させる力のことです。深い知識・技能を有していることと、内容を理解させ実践させる能力は全く別物です。生徒に知識・技能を定着させることが授業の最大の目的ですから、より良い定着方法を研究することは教員の使命とも言えるでしょう。

②コーチング・スキル

コーチングとは「目標実現のため、必要なスキルや課題を一緒に見つけ、最終的にその人がその目標達成に向け自走できる状態を作りつつ、その目標達成をサポートする」ことです。ティーチングと混同されそうですが、両者には明確な違いがあります。コーチングは生徒の自主性を尊重しつつ、成長を促すのが特徴です。一方、ティーチングは指示・命令型を主に置き、教える側が主体となり、情報やスキルなどを伝授します。自分の知識やスキルを「教えることによる成長」を目指すのがティーチングであり、相手自身の「気づきによる成長」をサポートするのがコーチングなのです。

③マネジメント・スキル

マネジメントとは「組織の中にいる人材を活かしつつ、組織の目標を達成する」ことです。生徒は学校生活の中で、様々な組織(クラス、クラブなど)に所属します。それぞれの組織の長(クラス担任、クラブ顧問)は、生徒の個性を活かしつつ、目標を達成できる組織を作っていく必要があります。マネジメントを考える上で大事なことは、(1)動機付け、(2)目標の設定、(3)適切な指導、(4)評価とフィードバックです。これらの何一つ欠けても、良い組織になることは難しいでしょう。

それぞれのスキルは相互作用するものです。それぞれのスキルを高めるだけでなく、場面に応じてスキル同士をうまく組み合わせていく必要があります。

次回のコラムでは

④カウンセリング・スキル 

⑤ペーパーワーク・スキル

⑥コミュニケーション・スキル

を見ていきたいと思います!


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