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魚の頭

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土俵に乗る

土俵に乗る

「同じ土俵に立つな」とか、「同じ土俵に上がるな」とか、
愚かしい(低い)レベルでやり合うのは賢明ではないとは、よく言われること。
諍いをけしかけられて、それに乗ってやり合ってしまえば相手と同じレベルだと。

とはいえ、
「土俵に乗る(立つ)」ほうがいい場合もある。
「乗らない」という選択もあれば、「乗ったほうがいい」場合もあるのだ。
だって、その土俵、自分のために用意された土俵だから。

大抵の場

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奇数の気持ち

奇数の気持ち

先日呼ばれた飲み会の場に区立中学の先生がいらして、ある生徒さんの話になった。中学三年生にして彼の九九は「シチシチ シジュウハチ」なのだとか。

「惜しい!」
その場にいた二人が声をあげた。
『近いけど、違う』と私は自分の中で呟いていた。
本当は惜しいも近いもなく、その生徒さんは覚え違いをしているだけ。単に歌詞を間違えて覚えてしまったようなものなのだ。と自分の結論付けをしたあと、九九のことをあれこれ

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怖ろしき哉、人生。

怖ろしき哉、人生。

この人はいったい、どこで何を間違えたのだろう?
他人(ひと)の人生を見ていて、思うときがある。

人生は素晴らしい!
基本的に、私はそう思っている。
けれど、そうとばかりは言えない。
人生は怖ろしくもある。
能天気で夢見がちなわりに、私は人生の怖さを心に留めるビビり屋チキンでもある。

コインは表と裏があって一つのコイン。
何事も表裏一体、「素晴らしき哉、人生」は「怖ろしき哉、人生」にどこからかと

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「自分がそうだから、 みんなもそう!」ではないのは当たり前だが……

「自分がそうだから、 みんなもそう!」ではないのは当たり前だが……

人が、こぞって来ない場所が好き。
大勢の人で賑わっているのが好きではないので、
気になる場所は平日狙いで行く。

平日は仕事で休みが取れないとか、
事情あって平日は動けないとか、
空いてる平日狙いができない人は多くいるだろうが、
世の中には、「賑わっている場所だから行きたい!」
という人もいる。
と、友人に言われたときの驚きときたら……。

たとえば、渋滞に遭うのが予想できるのに、
ちゃんと渋滞に

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くさくさすることは、ほっといて。

くさくさすることは、ほっといて。

ほっといてみる。

くさくさしたら、そのことはほっといて。

視界を広げるように、
広々した景色を思い浮かべて、イメージして、
自分の内の鎮まりを灯す。

ゆったり、ゆったり、
揺るがずゆったり、静けさを味わって。

《P17*0915*S22》

ポンコツでも、気のいい人がいい

ポンコツでも、気のいい人がいい

「失念しました」と言って、何回も同じことを訊いてくる。
焦っているのだか、メールの文章がときどきわけ分からんかったり、
あれこれ知らないことが多々あって、
場当たり的で考えが浅かったり。

そのポンコツぶりに笑ってしまうのは、その人が気のいい人だから。

「ったく、もう!」と思うときが無くはない。
けれど、「ったく、もう!」が呆れ笑いに変わってしまうのは、
その人がねじくれたりするところが無くて、

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それが、私の世界

それが、私の世界

イヤなことがあっても、私はよくなるばかり。
と言ってみる。

イヤなことは、イヤな世界で起こっていること。
そこに、いつまでも気持ちを置くのは、
水たまりに浸かっているようなもの。

気分を日なたにして、
「私は、よくなるばかり」
「何か知らんけど、よくなっちゃう」
と、言ってみる。

やっかいなのは、
じつは、水たまりが好きだったりすること。
ごたごたしていることに、興味があったり。

どうして

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泥に染まらず

泥に染まらず

蓮の種は、長い間、土に埋もれたまま発芽能力を保持することができるらしい。

ゴミ焼却場の建設予定地で発生した古代蓮。
工事の掘削が発芽のタイミングになり、開花した蓮は、1400年から3000年前の形態のもので、今は焼却場近くに「古代蓮の里」として群生している。

この蓮の「里」がある一帯は、およそ2000年前は多様な水生植物が茂る湿地帯。
リアルな想像のつかない時代の、蓮の花咲く湿地帯の光景とは、

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時間の密度

時間の密度

早朝の4時台、5時台に起きだして活動していると、時間の進み具合が昼間とまるで違う。
いくつかやることをやって、ふと時計を見る。

 ……? 5分(あるいは10分)しか経ってない。

ほんの5分、10分の間に、やることを終えるスムーズ感が心地いい。
で、次のことにとりかかる。
次のことも終えて、ふと時計を見ると、やはり5分か10分くらいしか経っていない。
けっこう時間を使った感覚なのに、かなり得した

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