バニラは合成香料化学で初めてのサクセスストーリー『香りの愉しみ、匂いの秘密』(ルカ・トウーリン)
ルカ・トウーリン(著)山下篤子(訳)『香りの愉しみ、匂いの秘密』
ルカ・トウーリンについて知っていることはほんの少しだけ。1953年のレバノンに生まれたこと。生物物理学と生理学を修得した嗅覚研究者であること。
私たちに共通点があるとしたら香水をコレクションしていること、くらいだろうな。古道具屋で古い香水を探しまわっているところもおなじ。
匂いと記憶は不思議な力で結びついているから、香りに運ばれてきた記憶というのは具体的で、鼻うたくらいの軽やかさで現実とむすびついてしまう。