【米国株式投資】クローガー / KR / 予想配当利回り2.36% / 中立:注目の連続増配銘柄の最新の23年3Q決算と今後の株価見通し(Kroger)
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本日のアナリストは、🇨🇾キプロスを拠点に活動している、イアニス・ゾルンパノス氏です。
自己紹介
ゾルンパノス氏は、詳細なビジネス分析を通じてデューデリジェンス・プロセスを向上させることを目的とした株式市場調査プラットフォーム、「Yiazou Capital Research」の創設者。
以前はDeloitteとKPMGで外部監査と内部監査、コンサルティング業務に従事。公認会計士資格を保有し、ACCAグローバルのフェロー・メンバー。
また、英国の一流ビジネススクールで学士号と修士号を取得。
最新のレポート紹介
クローガー / KR / 予想配当利回り2.36% / 中立:注目の連続増配銘柄の最新の23年3Q決算と今後の株価見通し(Kroger)
Ticker: KR / 3253文字 / 所要時間7分程度 / 中立
サマリー
クローガー(KR)は全米で2000以上のスーパーマーケットを展開する大手食品小売業者であり、売上高はほぼすべて米国でのビジネスからもたらされている。
直近では、2023年11月30日に23年度第3四半期決算を発表しており、2024年3月7日に23年度第4四半期決算を発表予定となっている。
クローガーの概要
セクター:小売 - 守備的
現在の株価:49ドル
時価総額:353.7億ドル
一株当たり本質的価値:47.03ドル
安全マージン(Margin of Safety):-4.52%
過去5年間の配当成長率:13.90%
配当落ち日:2024年2月14日
配当支払日:2024年3月1日
予想配当利回り:2.36%
過去5年間の売上高成長率:8.10%
過去10年間の売上高成長率:8.40%
クローガー(KR)は米国を代表する食料品店で、全米に2,000以上のスーパーマーケットを複数のバナーで展開している。
そのうち、約83%の店舗が薬局を併設し、60%近くが燃料も販売している。
また、同社は約120店舗の高級宝飾品店も運営している。
同社は主要なプライベートブランド商品を提供し、自社ブランド商品の約30%を全国33カ所の食品製造工場で自社製造している。
さらに、同社は主要市場のほとんどでトップ2の食料品店となっており、また、売上のほぼ全ては米国からもたらされている。
同社は250億ドルでのAlbertsons買収を提案しており、この取引が規制当局に承認されれば、2024年に完了する予定である。
クローガーの収益と成長に関して
23年度第3四半期決算では、クローガー(KR)のEPSは0.95ドル、1株当たり売上高は46.837ドルだった。
前四半期と比較すると、EPSは0.96ドルからわずかに減少し、一株当たりの売上高も47.083ドルから減少している。
一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率は17.40%で、過去10年間の年平均成長率は11.60%となっており、長年にわたって着実な成長を見せていることが分かる。
また、今後10年間の業界の成長予測はプラスであり、技術の進歩や市場の需要など、さまざまな要因による継続的な拡大が期待されている。
加えて、同社の過去の財務レバレッジの程度は中程度のレベルを示しており、財務の安定性を維持しながら成長の余地を与えている。
以上より、安定した業績と成長率を踏まえると、クローガーは将来的な機会を活用し、市場において上昇軌道を継続する態勢が整っているようにも見える。
クローガーの配当に関して
クローガー(KR)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、1株当たりの過去5年間の配当成長率は13.90%、過去3年間の配当成長率は16.10%となっている。
また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は2.96で、比較的健全な財務状況を示している。
さらに、直近四半期の時点で、クローガーの予想配当利回りは2.36%となっており、1株当たり配当金(DPS)は0.29ドルである。
そして、同社はこの配当支払いを数四半期にわたって維持しており、配当分配の安定性を示している。
加えて、同セクターと比較すると、同社の配当成長は目覚ましく、一貫した増配で株主に報いるという同社のコミットメントを反映している。
信頼できる配当による収入源を求める投資家は、特に同社の堅実な財務指標を考慮すると、同社の配当パフォーマンスに魅力を感じるかもしれない。
全体として、クローガーの直近四半期の配当成長サマリーは、同社に関心を持つ配当収入を求める投資家にとって明るい見通しを示唆しているように見える。
予想配当利回り:2.36%
配当性向:24%
配当カバレッジ・レシオ:2.4
過去5年間の配当成長率:13.90%
EBITDA純有利子負債倍率:2.96
(出典:GuruFocus.com)
クローガーのバリュエーションに関して
クローガー(KR)の現在の株価は49.16ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である47.03ドルを上回って取引されている。
さらに、実績PERは19.13となっており、株価がやや割高である可能性を示している。
一方で、株価売上高倍率は0.24となっており、株価がその売上高に基づいて過小評価されていることを示唆している。
また、EV/EBITDAレシオは7.81と業界平均より低く、EBITDAベースでは割安である可能性を示している。
加えて、PEGレシオは1.13と1に近く、成長見通しの観点からは妥当な評価であることを示唆している。
しかし、5年平均や10年平均と比較すると、特に株価売上高倍率やEV/EBITDAレシオの面で割高に取引されているように見える。
以上より、投資家はクローガーへの投資を決定する前に、これらの要因を考慮した方がよいだろう。
クローガーのリスクとリターンに関して
クローガー(KR)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、1株当たり売上高の伸びは過去12カ月で鈍化し、株価は1年ぶりの高値に近く、投下資本利益率は加重平均資本コストを下回っており、潜在的な資本効率の悪さを示唆している。
一方で、プラス面では、ピオトロスキーFスコアが7で非常に健全な状況を示し、ベニッシュMスコアが-2.92で基準値の-1.78を下回っており、利益操作をしている可能性が低いことを示している。
営業利益率は拡大しており、これは一般的にプラスの兆候であり、予想配当利回りは10年ぶりの高水準に近くなっている。
さらに、アルトマンZスコアは4.27と高い水準を維持している。
全体として、売上高の伸びの鈍化や資本効率の懸念など、注意すべき兆候はあるものの、ピオトロスキーFスコア、Mスコア、営業利益率の拡大、高い配当利回り、堅調なZスコアは、クローガー株式への投資に関して、投資家に安心感を与える内容であるように見える。
クローガーのインサイダー(内部関係者)による売買に関して
クローガー(KR)のインサイダー取引分析によると、過去12ヶ月間、同社株式のインサイダーによる買い付けはなかったが、売却は13件あり、同社インサイダーが株式を売却していることを示している。
これは、インサイダーが会社の将来的な業績や見通しを信頼していないことを示唆している可能性もある。
ただし、インサイダーの同社株式の保有比率は、わずか1.84%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は47.44%で、同社株式のかなりの部分が機関投資家によって保有されていることを示している。
これは、同社の事業と潜在的な成長見通しに対する機関投資家の信頼度が高いことを意味する可能性がある。
全体として、インサイダー売りが確認される中、機関投資家の保有比率は高く、機関投資家による需給が同社の株価を一定量支えているという、複雑な様相を示しているようにも見える。
クローガーの流動性に関して
クローガー(KR)の流動性は高く、直近営業日の出来高は5,462,860株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は4,572,366株となっており、同銘柄の取引が活発であることを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は50.91%で、取引活動のかなりの部分が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
そして、この水準は、機関投資家や他の大規模な市場参加者が同社株式の取引に積極的に関与していることを示唆している可能性がある。
全体として、クローガーは流動性が高く、取引が活発であるため、短期トレーダーと長期投資家の両方にとって魅力的な銘柄である可能性がある。
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