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祝!シンガーソングライター畑中摩美さんデビュー20周年特別企画!

2019年12月1日は、ASKAさんの「Fellows」作詞作曲企画でおなじみ、畑中摩美さんのデビュー20周年記念日です。
なので、今日は、シンガーソングライター畑中摩美さん特集をさせていただきます。

ASKAさんが2017年にYouTube上で開催した「Fellows」作詞作曲企画は、私にとってこの10年で最も大きな衝撃だったと言っても過言ではありません。

中でも最大の衝撃は、畑中摩美さんが作詞作曲して歌う「The One」でした。

ASKAのFellowsを、私が作ってみた / 「The One」畑中摩美

カラオケ音源だけを聴くと、どうしてもメロディーや詞は、苦悩や切なさを表した内容になるだろうな、と想像していました。
実際、アップされた数百曲を聴いてみましたが、そういうタイプの楽曲が多かったです。

しかし、畑中摩美さんは、人生が急に明るく輝き出すようなポップな曲調で、極めて心地良いリズムを刻んでいます。

こうやって自らの音楽を発表できる場を得た喜びと、理想の男性に巡り逢えた喜びを重ね合わせるような構成になってます。

こんなに才能があるアーティストを今まで知らなかったなんて……
と驚きました。
そして、それまでヒットチャート上位を賑わすアーティストしか聴いてこなかった私の音楽観が変わりました。

そんな畑中摩美さんがどんな音楽生活を歩んできたか。
テレビ番組風に振り返っていきましょう。

地元浜松の高校で音楽活動をしていた畑中摩美さんは、卒業後、東京の音楽専門学校に進み、すぐにシンガーソングライターとしての才能を認められます。

19歳で早くもポリスターのオーディションに合格。そして、1999年12月1日にファーストミニアルバム『ひと粒のワタシ』を発売してメジャーデビューします。

収録曲の「ヒエタユビワ」は、ラジオで多く流されて話題になりました。

畑中摩美「ヒエタユビワ」LIVE2014

この映像は、2014年のライブですが、10代でこのうねるようなメロディーと物語性に富んだ詞を書いていた事実に驚愕です。当時から畑中摩美さんの楽曲は、目立つ存在だったのでしょう。

しかし、畑中摩美さんがデビューした頃には、音楽業界が低迷期に入ろうとしていました。そして、その後は、大手事務所の力関係がそのままヒットチャートに反映される時代になっていきました。

畑中摩美さんも、2枚のミニアルバムを発表した後は、自らの楽曲を全国に広める機会を得られないまま、下積み生活を送る羽目になります。

2000年代後半は、バイトをしながら、楽曲を制作する生活をしていたそうです。今となれば、この苦しい期間をよくぞ乗り越えてくれた、と思いますね。

結局、畑中摩美さんは、東京での音楽活動を10年間で区切りをつけ、地元浜松に戻ります。

地元浜松に戻ったときは、もう音楽活動をやめようかと悩んでいたそうですが、そこは『音楽の都』浜松です。
周囲の方々からこんな声が。
「歌ってほしい」
その声を励みに、畑中摩美さんは、音楽活動の継続を決めます。
この当時、畑中摩美さんに音楽活動の継続を勧めた方々には、本当に感謝です。

そして、畑中摩美さんは、地元浜松で音楽活動を展開し、2011年にK-mix(静岡エフエム)の『神谷幸恵の独立宣言ザ★オーディションVol.3』に出場します。
そこで畑中摩美さんは、オリジナル曲「充電」を披露し、見事グランプリを獲得します。

畑中摩美「充電」浜松K-MIX 20110313

当時の映像が残っているのが貴重です。
2011年3月13日。東日本大震災が起きた2日後ですね。
この世の儚さと人の温かさを実感せずにはいられない状況の中で、畑中摩美さんは、魂を込めた熱唱を捧げます。

このグランプリをきっかけに、畑中摩美さんは、ミニアルバム『マミノス』『せっけんのうた』を発売。さらには、自らパーソナリティを務めるK-mixのラジオ番組『畑中摩美のまみの「す」』も始まります。

ミニアルバム『せっけんのうた』のタイトル曲「せっけんのうた」は、静岡県内のヒットチャートに長期間ランクインする大ヒットを記録します。

畑中摩美「せっけんのうた」

「せっけんのうた」は、メロディーと詞の一体感が絶妙で、畑中摩美さんの歌唱も、男性の心境をリアルに表現しています。
まるで男性が作った歌であるかのように、女性に依存しすぎて振られてしまった男性の悲哀を歌い上げます。

その女性が好きなあまり、女性が好きな音楽を聴き、女性が好きな小説を読み、女性と同じせっけんを使った男性に、最後に残ったのは自分の体に染みついたせっけんの香りだけ。
あまりに切ない情景に、文学と芸術を感じますね。

文学と芸術と言えば、「マシューのうた」を語らないわけにはいきません。
畑中摩美さんのコンセプト『ギターと声で、絵を描くように、そこに世界をつくる』の象徴とも言える楽曲です。

畑中摩美 「マシューのうた」

私は、Fellows作詞作曲企画のあと、様々なアーティストのYouTube動画を観たのですが、最も再生したのがこの動画。

「マシューのうた」は、描き出されるストーリーが豊かで、各場面が脳裏で映像のように流れます。私は、まるで絵本を読んで心が浄化されていくような錯覚に陥りました。
私が畑中摩美さんのファンになったきっかけは、まぎれもなくこの楽曲です。


他にも畑中摩美さんは、様々なタイプの楽曲を発表していて、自らの苦悩とその解放をテーマにした楽曲を私は、好んで聴いています。
その代表が「もってるものでやるしかないじゃん」でしょう。

畑中摩美「もってるものでやるしかないじゃん」

「もってるものでやるしかないじゃん」は、憧れの人になれなくて苦しむ人、手の届かない恋をして失恋した人、しがない生活を我慢して送る人に贈る応援歌です。

憧れの人になろうとするのはあきらめよう。その代わり、自分のもっているものを活かして、自分にしかできない人生を作り上げよう。
そんな意思表示が沁み渡るように伝わってきて、深く共感してしまいます。


最近では、サカイ引越センターのCM曲に起用された「あなたと私のいつものはなし」や不動産会社マストレのCM曲に起用された「夢の地図」が好評のようです。


畑中摩美「あなたと私のいつものはなし」

「あなたと私のいつものはなし」は、女性主人公が夢を追って2人の将来を考えてくれない彼氏に不甲斐なさを感じ、距離を置こうとします。
しかし、それは、彼氏の夢を支えきれない不甲斐ない自分の裏返し。そんな真理に気づいた女性主人公は、そっと彼氏の夢を見守り、応援しようと誓います。

映画監督の鈴木研一郎さんが手がけたMVも、楽曲の雰囲気を見事に表現する名作になっています。

畑中摩美「夢の地図」


「夢の地図」は、浜松市にある佐鳴湖を舞台に、女性主人公が愛する男性とともに、愛するこの街を仲睦ましく散歩して帰宅するまでの様子を描いています。
目にする景色は変わっていくけど、愛は変わらずに。そんな願いで心が温まる名曲です。
軽やかに散歩するリズムを刻むメロディーが気分を爽快にさせてくれます。

そして、今年の4月、畑中摩美さんのnoteで発売となった「はじまりの桜」は、私がどうしても映像化したくて、漫画動画MVを制作させていただきました。

畑中摩美「はじまりの桜」

世間では、散る桜は、不合格や別れ、はかなさの例えしてよく使われます。
しかし、畑中摩美さんは、そんな常識を覆すかのように、散る桜を、はじまりの合図ととらえ、新しい季節や出会いを後押ししてくれる希望として描きました。
畑中摩美さんの卓越した表現力を堪能できる、平成最後の桜の名曲です。


今年の10月22日、畑中摩美さんは、なゆた浜北ホールでデビュー20周年記念感謝祭『まみの実りの音楽祭』を開催しました。

大盛況のライブのもようが畑中摩美さんのロックナンバー「レディバード」に乗せて公開となっています。

まみの実りの音楽祭「レディバード」畑中摩美

「レディバード」は、畑中摩美さんの代表曲として有名で、CMにも起用されて、ファンの間でもトップクラスの人気を誇っています。
一途に恋に落ちてしまった女性を、かわいらしいテントウムシに例えて描いています。


そして、ラストに紹介するのは、やはり畑中摩美さんがライブのラストでよく歌っている「愛しい気持ち」でしょう。

畑中摩美「愛しい気持ち」

人生は儚く、永遠が存在しないからこそ、今このときを最も大切にしよう。
思うようにいかないことばかりの世の中だけど、それでも、自分を必要としてくれる誰かのために、輝いていたい。幸福を共有したい。

そんな気持ちがそんな気持ちが透明感ある歌声と優しいギター演奏から伝わってくる清々しい名曲です。

他にも、まだまだ数多くの名曲があるのですが、今回は「The One」プラス10曲に絞って紹介させていただきました。

畑中摩美さん、デビュー20周年、本当におめでとうございます。
これからも、音楽を必要とする人々に、畑中摩美さんの楽曲が届くことを心から願っています。

※「マシューのうた」「レディバード」「愛しい気持ち」収録のオリジナルアルバム『トゲノハナ』はAmazonにて好評発売中

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