平成の音楽を振り返る① ~CDのミリオンセラーブーム~

 遅ればせながら、今年も、よろしくお願いします。

 今年のnoteは、音楽レビューだけでなく、自分が考えているさまざまなことを書いていきたい。
 とは言いながら、最初は、音楽の話題。

 思えば、私は、昭和生まれだが、昭和の音楽に触れたのは、最後の5年程度。
 私が聴いてきた音楽のほとんどは、平成生まれの音楽だ。
 30年間聴き続けてきた音楽。

 平成元年(1989年)最大のヒット曲は、プリンセス・プリンセスの「Dismonds」。

 2番目のヒット曲もプリンセス・プリンセスで「世界でいちばん熱い夏」。
 女性バンドのパイオニアであるプリプリブームで平成は始まったのだ。
 1986年に施行となった男女雇用機会均等法に象徴されるように、女性の社会進出が声高に叫ばれるようになってきた時代を反映して、プリプリは、女性バンド初の武道館公演をしたカリスマアーティストとなる。
 
 そして、平成の終わりとなる1年間は、インターネットのボーカロイドを起点にして生まれたシンガーソングライター米津玄師ブームで幕を閉じようとしている。
 普段は無意識に聴いているが、音楽は、時代を反映する鏡だ。

 平成の始まりは、CDの普及と同時にやってきた感覚がある。
 昭和の音楽は、レコード。平成の音楽は、CD。きっと、次の元号の音楽は、別の媒体で語られることになるだろう。

 CDの普及に続いたやってきたのは、ミリオンセラーブームとカラオケボックスブームである。
 ターニングポイントは、間違いなく平成3年(1991年)だ。
 前年1作品、前々年0作品だったミリオンセラーが一気に7作品生まれた。

「ラブ・ストーリーは突然に」小田和正
「SAY YES」CHAGE&ASKA
「愛は勝つ」KAN
「どんなときも。」槇原敬之
「はじまりはいつも雨」ASKA
「あなたに会えてよかった」小泉今日子
「LADY NAVIGATION」B'z

 いずれの楽曲も、未だにカラオケで人気が高い。
 ミリオンセラーにふさわしい楽曲がミリオンセラーになった時期だ。
 「ラブ・ストーリーは突然に」(ドラマ『東京ラブストーリー』主題歌)と「SAY YES」(ドラマ『101回目のプロポーズ』主題歌)は、200万枚を大きく超え、「SAY YES」は、翌年も売れ続けて300万枚に迫った。

 この頃、各地にカラオケボックスが乱立し、老若男女がこぞって、ヒットチャートに注目して、いち早くヒット曲を覚えてカラオケボックスで歌おうとした。

 「トレンディドラマ」「月9」は、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』によって世間に浸透し、その後のフジ月9ドラマ全盛期が訪れた。

 CHAGE&ASKAは、「SAY YES」に続いて、平成5年(1993年)にも「YAH YAH YAH」で史上初の同一アーティストで2曲のダブルミリオンを達成した。

 その流れを加速させたのは、モンスターバンドB'zを擁し、さらに織田哲郎がメイン作曲家として様々なアーティストを売り出したビーイングである。

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