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映画『PERFECT DAYS』を見てきました

主演の役所広司さんがカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞し話題の映画『PEEFECT DAYS』を先日見てきました。

(以下、ネタバレを含みます)

コロナ禍で映画館から足が遠のき、Netflix、アマプラ等で映画を見ることが多くなってましたが、やはり映画館の大きなスクリーンと音響設備で見るのはとても刺激的でいいですね。

本作の日本国内のキャッチコピーは「こんなにふうに生きていけたなら」。

スカイツリーが見える古くて狭いアパートに住み、都内の公園のトイレ清掃の仕事をする主人公の単調で、質素で慎ましい日常生活を描いた作品です。

この時代にスマホを持たずガラケーを使用。
毎朝、決まった時間にアラームもかけず、隣人が家の前を掃き掃除する音で起床。
歯磨き、洗顔、植木に水をやり、駐車場の自動販売機で同じ缶コーヒーを買って車に乗り、仕事へ向かう。

ルーティンをこなし、生真面目に隅々までトイレを掃除をこなし、神社のベンチで取る昼食時に、木漏れ日の写真を毎日撮影。

帰宅後、近くの銭湯で汗を流し、浅草の行きつけの飲み屋で晩酌し、帰宅後読書し就寝。

これを毎日、毎日、ずっと繰り返す。

冒頭30分程度は、本当に、文字通り毎日の同じ情景を繰り返し続けるため、このまま2時間続くのか…?
と少し戸惑ったが、当然、仕事や仕事仲間のトラブル等で非日常的なことも起きつつ、基本的にはこのルーティンを毎日繰り返すという日常を2時間描き続ける。

映画も小説も、作った人たちには作った人の思いや考えがあると思うが、それをどう受け取るかは見た人の自由な感性で構わないと思う。

私がこの映画から感じたのは、人間にとっての豊かさとは何か。
ということをよく考えなくてはならない。ということです。

ウェルビーングという言葉がビジネスの領域においてなにかと取り上げられていますが、究極のウェルビーングとはこの映画の主人公のような生き方なのかなと思います。

日本には「禅」があり、それを体現して生きているような姿。
一般的にイメージされる「豊かな」生活とは対照的な、質素で慎ましい生活。
でも、そんな生活にも毎日眺める木漏れ日や植物が育つ姿といった、小さな発見や気づきに小さな感動や幸せが実はたくさんある。

身なりに必要以上に気を使い、聞いたことのない食材を使った料理を食べて、とかそういうことじゃなくて、目を見開いてよくよく観察しないと気づかないようなことにこそ、しかもそれはお金で買えるわけではない、そういうものにこそ幸せってあるんだよ、というメッセージが込められていたように思います。

仕事が忙しくなればなるほど、時間がなくて映画を見に行くなんて…
という方も多数聞きますが、話題の映画や小説を見たり読んだりすることは時代がよく反映されていて、世の中のトレンドを掴むことにも繋がり大変有益だと思うので、頻繁には難しくとも、たまには息抜き&教養のため、にいいと思います。



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