僕はアニメが見れない
僕は、アニメを見るのがとてもへたくそだ。
アニメを見ると、頭の中がうるさくてそれどころではなくなってしまうのだ。
最近、ゆるキャン△というアニメを見た。ゆるくキャンプをする女の子たちを描いたアニメで、映画化もされてかなり人気があるらしい。僕は名前くらいしか知らなかったのだが、友達に勧められてアマプラで見てみることにした。
女の子が一人、池のほとりでキャンプをしながら、何をするでもなく本を読んで過ごす。見てみると、大きな展開も事件もない感じが、キャンプ特有の時間がゆっくり流れる楽しみを疑似体験させてくれる素晴らしいアニメだった。
これまであまりアニメを見てこなかった僕からすると、こんな大きな出来事もないアニメというだけで、とても新鮮に感じられた。アニメといえば、悪者と戦ったり、真剣にスポーツをしたりと、大きなゴールに向かって挑戦をするものというイメージが強かった。もちろん、そうではないほのぼのしたアニメがあることは知っていたが、そんなものはつまらないと勝手に思っていた。
ただ、ゆるキャン△をみて、アニメにはこんな楽しみ方があるのかと、感心した。キャンプの楽しさを疑似体験して、ゆったりした時間をアニメを見ることで過ごすことができるなんて、夢にも思っていなかった。本当にすごいアニメだと心から思った。
にもかかわらず、僕の頭の中のバラエティ班が騒いでるのだ。
「髪の毛ピンクのやつ、居るやんけ!w」と。
アニメを心から楽しんでいることに嘘は無い。本当にゆるキャン△を楽しんでいるし、キャンプ場で見る絶景の描写では感動している。全く水を差すつもりはない。
だがバラエティ班がずーっとうるさいのだ。主人公がキャンプ場のベンチで夜まで寝過ごしてしまうというシーンでも、「んな奴居らんやろw」とツッコんでしまっているし、お姉さんがお礼として袋一杯のキウイを渡すシーンでも「キウイは余らんのよ。一杯無いし、一杯いらんのよ」と謎の水を差してしまう。
茶髪の女の子が出てきた時には、「おい!髪の上から眉毛出てるぞ!!物理!物理!!www」と、もう一人の自分が別ベクトルで大盛り上がりをかましているのだ。シンプルにアニメを楽しみたいのに、頭の中のバラエティ班が、横から野次を飛ばしまくるから、全然集中できないのである。
「アニメはそういうものだ」と割り切って楽しむのが、正解なのはわかっている。逆に僕が好きなお笑いに対して「こんな医者おる訳ないやん。」なんて言っている人がいたら、「そういうもんやん」と言っていると思う。同じように、アニメにとって髪の色とか、浮世離れした行動とか、かわいらしい声とかは「そういうもん」なのだ。
だが、僕の頭にはバラエティ班がいる。
いつでも彼らは自分の価値観で「ちょっと待ってくださいよ!w」とツッコミをし続けている為、コイツが頭にいる限り、僕は一生アニメを見るのがへたくそなんだろう。
これからも僕はこのバラエティ班と戦いながら、ゆるキャン△を楽しんでいこうと思う。
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