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日記(2020/9/20):ファッションがちょびっとでも分かっちゃったやつが、ファッションが分からないやつに、どう見えているか

土曜日、母が、外出前に、ファッションショーと称して、
「服装とアクセサリーのバランスを見てくれ。複数のアクセサリーのうち、似合う方を選ぶ」
という、ちょっとした面倒事を私に依頼してきました。

何せ、私はファッションセンスがない人なんですよ。メチャクチャ困りましたね。

で、暗色系の服装だったので、アクセサリーを合わせていた時に、一つ気づいたことがありました。

寒色系の服装で固めていると、アクセサリーが暖色系だと、そこが目立つ。
目立つのはワンポイントであろうが、じゃあみっともない感じで淡い色合いのものだと、それはみっともなく目立つ。
メリハリのある明るいアクセサリーが、かっこよく目立つ。これはもう見たら分かる

という事で、そのようにアドバイスしました。

***

さて、ふと気づきましたが、ちょっとしたファッションセンスを獲得したか、もしくは獲得していたということが分かってきました。
これは大きな驚きで、また大変嬉しいことでした。

が、同時に、
「一時間前の自分が、上の3行アドバイスを読んだら、どう思う? 『ケッ』以外の何がある?」
という内なる声が、どうしても聞こえてくるんですよ。

一時間後の自分が、宇宙人に誘拐(アブダクション)されて、宇宙語彙で喋って、ようやく聞き取れたと思ったら、何と
「お前は同化される。抵抗は無意味だ」
と、しかも善意に満ちた笑顔で言い出していたとしよう。
それくらいおぞましいだろう。それくらいいくら何でも分かる。

TV番組_スタートレック_ボーグ_お前達を同化する_抵抗は無意味だ_file

「ファッションセンスは怖くないよ。恐るるに足らん。苦手なジャンルに呼吸のように挑戦できるお前なら、きっと出来るさ。さあやっていきましょう」
自我研修済野郎が喋んな。
という感情しか持ちようがなくないか?
しかも、上の自我研修済文字列を、吐く側なんだぞ。今の俺は。最悪に気持ち悪いじゃん!?

これ、母にこの話をしたら、
「あら、ちゃんとアドバイスとして有用だったし、それをおぞましく思うなんて、よく分からないことを言うねえ」
との回答を得ました。

いや!?
むしろ、分からんの!?
「宇宙語彙でなんか喋る人、怖い」

と言うの、残念ながら広く一般的な話でしょう。
例えば、数学語彙宇宙語彙に聞こえることくらい、俺にも分かる。
一時間前の俺にとっては、ファッションセンスに関する話題は、十分に宇宙語彙に聞こえるんですよ。
洗脳されたような奇妙な笑顔で、本人の認識では良かれと思って、
「良いものだから強いて何が悪い?」
論法
で、要はこちらに迫って圧で強いて来るやつだぞ。
端的に、怖いに決まっとるやろ。
そういうことなんだよ。

***

誰かにとって、よく慣れた、馴染んだ語彙は、誰かにとっての宇宙語彙であり、怖いんですよ。

語彙に慣れれば慣れるほど、そこの恐怖の感覚は分からなくなる。
「語彙に慣れる」と言うことは、普通は「知識が深まる」と言うことなんだけど、知識が深まるのに比例して、こう言う形では「馬鹿になる」んですよ!
確かに、あることです。それは弁えていたはずだった。だけど、この解像度で理解すると、こ、怖ー!
この恐怖を忘れないようにしよう。
忘れるのはいいが、思い出せないのもしょうがないが、読み返したら少しは思い出せるようにしよう。

俺は俺じゃなくなる。
それはいい。しょうがない。
が、当時分かっていたことが分からなくなる。馬鹿になる。
しかも、おそらく、後で、「馬鹿になった」ことが「分からなくなって」、「自分は賢くなった」と言い出すだろう。
最悪の場合、「分からんやつはバカなんじゃなかろうか」という驕り高ぶったことを言い出すかも知れない。というか目に見えるようだ。
助けてくれ…そんなおぞましいことを…こういうの、せめて出来るだけ、抗えるだけ抗っていきたい…

(何だこの日記。コズミックホラーか???)

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