ウイスキー
大好きな人たちに文章を褒められて、嬉しくて嬉しくてハイボールが進む。
昨日、ハイボールの作り方を書いたけど、間違って誰かに話したら、大好きな人たちに恥ずかしい思いをさせてしまうので、追記させて欲しい。
科学的に言うと、アルコールつまりエタノールは水より密度が低く、軽い。よって、水と混ぜ合わせるときは、ウイスキーを先に注ぐのが理にかなっていて、蒸留所のハイボールセミナーにも参加したことがあるけれど、ウイスキーは氷の次に注ぎ、最後に炭酸を注ぐのが、美味しい作り方とされている。軽いから上がってくるのだ。それに異論はない。ただ、私には逆が美味しく感じる、と言うだけだ。
kはお酒を飲まない。タバコも吸わないし、10時には寝て、朝5時ぐらいに目覚め、筋トレをする男だ。食にも摂取する水にも、持ち前の頭脳を生かして、日常は徹底している人だと思う。肉も意識的に排除している。ただ一緒に食事したら、その時は周りが不愉快にならない感じで、基本的にどんな食べ物でも美味しく食べる人だから、そこは問題ない。
私は食に関心がある方だし、健康・美容オタクでもあるので、一般的に行ったら気を遣っている方ではある。ただ、お酒も好きだし、肉も好きだし、本能に従って、飲食をしている。それらを我慢して、1年長生きするより、好きなものを食べて、快楽的に一生を終える方がずっといい。
だから、kに言ったことがある。
「どうしてそんなに私を舐めるの? あなたが摂取しているものの中で、私の性液が一番、体に良く無さそう。私はお酒も好きだし、肉も好きだから」。
そうしたら、彼はこう言ったのだ。
「体にいいかどうかは関係ない。舐めたいものはしょうがない。サキは俺にとってお酒みたいなものなんだろうね」
それ以来、「自分はkにとってお酒なんだ」と思うようになった。自分がお酒を飲んでいる時の恍惚感が、kにあるとしたら、一番美味しく、美しいと思える状態で飲んで欲しい。
もし私がウイスキーだったら。
冷たいグラスと氷に抱かれて、いまかいまかと炭酸を待ち望むようなことはしたくない。
強い炭酸が激しく、上がってくるところへ
満を持して、飛び込みたい。
もっともっと、激しく突き上げて。
頭がクラクラするほどの刺激を止めないで。
そう懇願しながら、炭酸と一つになりたい。
自分の快楽を決定するのは、やっぱり自分でいたいのだ。
飲み手である私は、下品と言われようと、タンブラーに付着した
混ざり合った液体をすこしだけ舐めたい。
納豆にしても、何回混ぜるとか時計回りだとか、色々な説があるけれど、
結局、そこには食する側の意思が介在する。
ウイスキーが先だろうが、炭酸が先だろうが、粉末を混ぜ合わせるわけでもないので、正直、大差はない。
けど、私はパチパチと弾ける炭酸に、ウイスキーが優しく蹂躙されるさまに
どうしても興奮してしまうし、自分と重ねてしまうのだ。
だから、私はウイスキーを後に注ぐことを、強く勧めてしまう。
そうだな、私が井川遥だったら、一杯目はウイスキー先のハイボールを提供し、この変態的な思考を伝えて、「二杯目はウイスキーを後に」と促すだろうな。それを断る男っているの?って思うわ。
ちなみに、ホットウイスキーや焼酎のお湯割の場合は、お湯が先であってます。お湯は上に上がってくるので、お酒と勝手に混ざってくれるから。
ついでのウンチクを言っとくと、ウヰスキーの「ヰ」は、ニッカウヰスキーの創業者がつけた名称で、ウイスキーの命である「水」から「井戸の井」を使いたいというところから来ているそうな。
水はエロスの象徴だな。
ああ、酔いが回り、気持ちがいい。
今日も私は空想の中で、kに犯され、飲み尽くされる。
That's all for today
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