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「D&I」を取り入れている企業の紹介~(物語コーポレーション・スナック都ろ美・サイボウズ)~

メインビジュアルの写真。水風船(水ヨーヨー)の集合体って意外とダイバーシティーっぽいのだなぁ、と気付かされました。今回も「find Insity」として、当社が勝手に共感する企業を紹介させていただきます。


いろいろな会社が「D&I」、「DE&I」、「SDGs」などの声明を上げています。その中で個人的に「魅力的だな」と思った企業・団体を紹介していきます。

といっても、内情を知っているわけではないので、完全なる個人の感想になりますので、あしからず。

1.物語コーポレーション

物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」「焼肉はっぴぃ」「丸源ラーメン」などを運営する会社です。驚くべきは創業1949年の超老舗であること。その後、2008年にジャスダック上場、現在はプライム市場に上場している飲食店経営の会社です。(私も焼肉店を時々利用させてもらっています)

そんな「物語コーポレーション」はかなり明確な目標を持ってD&Iに取り組んでいます。

この会社のすごいところは明確な数値で管理している点です。
「2030年目標」「2050年目標」に具体的な数値を入れていたり、「データ集」で「男女別の育児休業取得率」、「インターナショナル(外国籍人財)の正規雇用」、「女性活躍推進」などの数値をオープンにしています。

また、僕は本来 D&I を本当に具現化した状態は「企業文化」になっている状態だと思っているのですが、「物語コーポレーション」も単に目標となる数値を決めて管理しているわけではなく、しっかりと「長期経営ビジョン」や「経営目標」に掲げて文化にしているように見受けられます。

目指すべき姿
1.正々堂々と明言・意思決定できるリーダーで溢れる会社 【多様性の表現】

2.活発な議論文化により、 清く正しい意思決定と
イノベーションを生み出す会社【多様性の表現が生む価値】

3.明るく元気・正直で、人間的温かみ溢れる“個対個”の 関係で繋がる大家族 【多様性の受容】

物語コーポレーション「長期経営ビジョン」

私たちは、Smile & Sexyだから、一人ひとりが自然に議論する。

議論なしの多数決はやめよう
議論なしの押しつけはやめよう
議論なしの根回しはやめよう

物語コーポレーション「経営目標」

「企業文化」として根付かせながら「D&I」を実現していきたい、という想いがあって、されにそれを具体的な数値で管理していく。素晴らしい取り組みだと思っています。


2.スナック都ろ美

はい。至ってマジメです。スナックの紹介です(笑)。できれはめちゃくちゃインパクトのあるホームページを見ていただきたいのですが、実は「スナック都ろ美」は本当のスナックではなく「嚥下食が必要な子供を持つ親たちのコミュニティ」の場なのです。

「味」を楽しむ。人間の三大欲求の1つが「食欲」。
人は生まれてから死ぬまでに約9万回、この欲求を満たすことができます。

そしてこの楽しみを奪われてしまう障害に「嚥下障害」があります。
もしも、生まれてきてくれた子どもが「嚥下障害」として一生を過ごすことになってしまったら・・・。

そんな悩みに対して「どうしたらいいの?」と深く考えずに、

「大変なことかもしれないけど、出来ることはたくさんあるし、みんなで楽しく過ごしましょう!」

と言ってくれているような感覚になります。
この団体のVISIONは秀逸で、

「食」を通して、インクルーシブな世の中をつくりたい!

をコンセプトに、嚥下障害に限らず様々な人々が自由に食事が出来る風景を描いています。
その絵がこちら。

VISION「ママたちの野望」

16の具体的な実現したい内容。(ジョンレノンっぽい方もいますね(笑))
そこを突き詰めていくと、いろいろな立場の人へのさりげない配慮がなされている場所は、障がいが無い人も心地よく過ごせる、といったコンセプトが伝わってきます。

また、寄付支援者の呼称を「パトロン」にしていたり、随所にユーモアが散りばめられています。ともすれば「かわいそうな子を持つ、大変な親」として見られてしまいがちな状況を自然体でポジティブに捉えられる感覚がすごく素敵です。

3.サイボウズ

当社はD&Iの取り組みですべきことは企業文化を確立することだと思っているのですが、サイボウズはまさに企業文化としてD&Iを取り入れています。

「多様な個性」
「100人100通りの働き方」
「想像責任」

といった指針を会社から発信しているとともに社内に事業部を設けて積極的に議論をしています。

例えば上記の記事では社内のメンバー同士で「D&I」と「お金」の問題を考えています。

サイボウズに限らず、そもそも時間とお金をかけて、D&Iに特化して取り組む必要があるのかな?と思う経営層やメンバーもいると思うんです。そのあたり、みなさんはどうお考えですか?

サイボウズの場合は、D&Iに取り組むことは「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念につながっているから、わかりやすいと思っています。

コストをかけてまでD&Iに取り組む必要ってある?|サイボウズ式

ここでは「目に見える多様性」という課題に対して、下記の意見が出ています。

サイボウズでは最近、自分とは違う相手のことを想像する「想像責任」という言葉も使われていて。説明責任・質問責任と合わせて、語られない言葉を想像することがより重要になってくると思います。

声を上げられない人への「想像責任」を持つ|サイボウズ式

こういった議論が社内のメンバーで話されていて、「多様性理解促進チーム」として会社の正式な活動になっていっています。

人事本部の組織(多様性理解促進チーム)ができる前に、社内の部活動としてダイバーシティラ部(Diversity Lab)という部活が発足し、社内の啓発活動を行っていきました。

部活動では有志の社員が集まり、主にセクシュアルマイノリティに関する勉強会を自主的に実施していましたが、部活動だと業務外での活動になるため、取り組める内容や準備にかけられる工数がどうしても限られてしまいます。業務としてダイバーシティの推進に取り組むチームがあるほうが、より広い範囲に影響を与えられ、知識や行動のアップデートも促しやすいのではと考え、2019年秋ごろに「多様性理解促進チーム」が発足しました。

発足のきっかけは部活動の立ち上げ|サイボウズの舞台裏

企業文化だからこそ出てくる意見や議論。トップからのメッセージではなく、社内から出てきている点がより素晴らしいな、と思います。

※余談ですが、サイボウズの「想像責任」と僕のnoteの「「食べ物の好き嫌い」と「仕事の得意・不得意」って実は同じじゃない?っていう話」はちょっと似ているなぁ、と思ってしまいました。

最後に:「find Insity」という取り組みについて

株式会社Insityでは「find Insiry」と称して、世の中にある「みんなちがってみんないい」を体現している人や企業などを紹介しています。

今回も「D&I」をテーマに(立場をわきまえろ、と言われるくらい大変おこがましいですが)3社の取り組みを紹介させていただきました。

今後もD&Iを文化として捉えて実践している企業や団体を紹介できればと思っています。

ちなみに過去には下記記事を記載しています。

今後もこのような形で勝手に良いと思ったものを紹介させていただければと思います。ではでは。


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