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暗闇の俳優。展に行きました。

執着する対象を失ったら、人はどうなってしまうのか。

ほぼ日の記事を見て、星野正樹さんの写真展に行ってきた。


パーキンソン病に罹患し、演劇プロデューサーとしての道を絶たれた星野さん。そんな彼が撮った愛猫の写真が展示してされていた。

この写真は、自室をテープで目張りして真っ暗闇にし、頭に懐中電灯を巻きつけて、震える手で撮られたものらしい。

暗闇は擬似的な劇場で、言葉を介さずにコミュニケーションがとれる猫を俳優に見立てて、かれは演劇を作ろうとしたんじゃないかと、勝手に推測する。

半身といっても過言ではない演劇を失って、それでも何かに執着する姿は、はっきりいって醜い。しかしその人間臭さに、心打たれる。

もしぼくが執着する対象を失ったら、どこかに着々とする場所はあるのだろうか。


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