感想を言わない男はつまらない

「感想を言わない男はつまらない」

最近、彼氏と別れた友人が言っていたことだ。

確かになあ。大したことを言って欲しいわけじゃないんだよね。とりあえず、なんでもいいからなんか言えと。

別れた彼氏は、とにかく感想を言わなかったらしい。君の話の方が聞きたい、と。

君の話の方が聞きたい。

なかなか歯の浮いたセリフである。


見城徹が珍しく(失礼!)ツイッターでまともなこと言っていた。

仲良くなりたければ感想を言え、と。

彼は職業的に作家と関係を詰める必要があったことは想像に難くない。そんな時にはきっと、新作の感想なんかをアツく語ったりしたのだろう。アホな番組でワインのテイスティングして女の子をはべらせている姿からは想像できないが、その時はきっといい表情をしているのだろう、たぶん。


海外では(ざっくりした物言いだが)、映画や芝居を観た後は喫茶店や飲み屋で何時間もその作品について語るのが普通らしい。

それは別に、人間とは何か、人が生きる意味とは何か、といった哲学的な問いに対する答えを探求したいわけではなく(もちろんしても構わないと思うが)、観た作品を肴に互いのことを話したい、ということだと思う。

広く見れば、別に高尚な芸術でなくてもいいのだ。

桜を見たっていいし、おいしいごはんを食べてもいいし、ただただ散歩をしたっていいのだ。

なんだって話の種になる。

こんなことを書いてきたけれど、私も自分の話をするのは苦手だ(仲のいい人には何時間でも話せるのだけれど)。

そんな自分に言ってみたいものだ。

人は意外なほどに君に興味があるんだ。

そう思えてはじめて、僕たちは自分自身について語ることができるのかもしれない。

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