アカデミー賞に感じたダイバーシティ&インクルージョン 〜病気と闘う人も忘れないで〜
ここ最近、モヤモヤしてしまうことがたくさんで、それらが頭の中をグルグルと回っていました。
みなさまであれば、きっとすぐにアウトプットしていくはず。私はというと、しばらく自分の中で消化できるまで考え込んでしまうことがしばしば。
それでも、広報としてダイバーシティ&インクルージョンの啓蒙活動に長らく向き合ってきたからこそ、書きたいと思います。
そんな私が最近いちばん心を痛めたことの一つが、アカデミー賞での一幕。
きっと同じ気持ちの方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
誰が悪いとか、正しいとかいうことは主題からそれるため、ここでは触れずにおきたいと思います。
日本でも女性活躍推進法を起点に、年を追うごとに女性登用や活躍の機会が増えつつあり、国際女性デーなどの啓蒙活動も活性化されました。
そんな中、ダイバーシティという言葉も、より多くの場面で聞かれるようになりました。
単一民族中心の国である日本では、海外に比べて、女性活躍そのものを指したダイバーシティという表現も多くみられますが、本来は多くの多様性について指す言葉とされています。
それは、女性や男性の性差にはじまり、LGBTQ+(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィアなど)、人種や国籍、障がい、家族の介護をする人や退役軍人、考え方、価値観、学歴、職業なども含まれます。
忘れてはならないのが、「病気と闘う人」も含まれることです。もちろん治療中の人も、治療後の人も含まれます。
そして、ダイバーシティには、目に“見える”違いがあったり、目に“見えない”違いも含まれていたりします。
新年度を迎えて、これまでとは違う環境や文化の中で仕事をスタートされたり、進学された方も多くいらっしゃることでしょう。
そんな時、身近にダイバーシティを感じる瞬間があるかもしれません。
残念なことに、「病気と闘う人」がダイバーシティの概念から忘れられている場面が世の中にまだまだ多くあります。
もしも身近に、そのような方がいらっしゃった際は、そっと寄り添って守って差しあげてください。
多くの方は、病気だから特別扱いをされたいのではなくて、ご自身も健康な人々と一緒に社会に参加していきたい思いがあるからこそ、活動されていらっしゃると思います。
そのような方々を守るとは、様々なカタチがあると思います。近い立場として分け隔てなく接することや、助け舟を出してあげること、治療に伴う必要な時間を理解してあげることなど…。
普段接する中で、目に見えて、姿かたちで気が付く病と闘う方もいらっしゃるかもしれません。そんな時にも、興味本位でそれを口に出して発言したり、質問したり、おもしろおかしく話題にすることは慎みましょう。
病と闘う人は、勇気を出して社会に参加している、それだけでもたくさんの葛藤と向き合って、人知れず辛い気持ちがあるかもしれません。健康な人には計り知れない世界があるのだということを理解する努力を忘れないようにしていきたいです。
私にとって、そんな思いでいっぱいになった今年のアカデミー賞。
正しい知識によって、人の尊厳を軽んじる出来事を未然に防ぐことが可能になると信じて、多くの方に知っていただく機会になればと切実に感じています。
ダイバーシティ“多様性”を尊重して、インクルージョン“共存共栄”していく社会に、もっと近づけますように
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
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