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#1. 大きな空

(↓こちらの続きのシリーズです。まだ進行中ですが)



朝焼けフライト 〜サンライズ・フライト〜

「テラ・オーストラリス・デル・スピルツ・サントウ」(聖なる南の大地)編


〜〜〜〜


「ファ〜(よく寝た)」


10時間におよぶ
深夜をこえて


朝焼けの空をフライトし

なし男は
朝焼けのオーストラッリアのシドニー空港に辿り着いた。

あれから、
あの出会いから
数年後の物語だ。

ついに辿り着き
降り立った先の、、、


空は

大きくて
大きくて
大きな空


青は
青く青く
どこまでも青く


どこまでも
どこまでも


ピッカピカで
透き通っていて


無限大を超えた大空だった。

宇宙を超えた大空だった。


知らなかった
宇宙は、世界の中に大地の上にもあるものだったのだ。


もちろん
これまで
生涯で
一瞬たりとも
見かけたこともなく


体験


体験だった
体験の世界だった

そんな青い空は
大きく大きく
どこまでも
透き通っていた

、、、、



なし男は
ビックリした。

「ほぇ〜〜!

たしかに
空気が薄い
(紫外線が薄い)
とは聞いてたけれど

空気薄いと
こんなに違うもんなの??

空気が薄かったり
なかったりすると、
こんなんなの??」



長い長い
これまでの歩み、、
「今までの迷い悩み、
アレはいったい何だったろう、、」
などと


1ミリも
考える隙がないほどに


地頭(ぢあたま)はよくなく
根が単純で
染まりやすい
なし男は


アタマの中が
一瞬で
晴れ渡り
脳天気になり


脳内のキャンバスは
真っ青の
一色にクリアになった。


「は?そんな一瞬で?単純すぎやろ、お前、ふざけるな!アホか?」


いや
たしかに、、
その通り。


おっしゃる通り


ですし


そう思われるのも
まったくムリはなく
当然のこと


もし
長らく
曇り空が多い世界に
ずっといたとしたならば、だ。


しかして

その大地に降り立った人なら
苦笑いまじりかも知れないが
きっと
「まあ、分からんでもないね」と
賛同してくれる、はず!

ですよね?!


その大空に
迎えられた
なし男は
すべてから
大きく祝福されている気がした。


これから
始まる大冒険の予感。



時に
その祝福とは
思い込みが1ミリずれただけかも知れないが


その時の
なし男には
大きな大きなエネルギーをもたらしてくれて

そんな風に
預けられた
エネルギーは

思い込みでも
感違いでも
大した差はなく


むしろ
どんなものであろうが
まったく構わなくて


そんな小さな細々(こまごま)の
すべてを
まるっと
大きく包んでくれるような

そんな
大きな
大きなエネルギーだった。


大きいエネルギーであれば
どっちでも
どうでも構わないんだよ


そう、
感じさせてくれる、
そんな大きなものだった。


なし男の心は
歌い踊った。


「ガイドブックなんて、いらないさ!」


元来
地アタマはさほど良くなく
思い込みが激しく
偏った見方も多い
なし男は


なぜか
いつからか
「旅=ガイドブック不要」

という
頑な信念(いい意味の方の)
を持っていた。



たしかに
慌ただしい日程で
旅程を組まざるを得ない場合、
「旅行」には
ガイドブックが大切だろう

でも
今回は違う


むしろ
逆なのだ

ガイドブックを見ない方向がよいはずんなのだ、


なし男の
手帳には
日程など刻まれていない、


だって、、

旅だからだ。



旅とは

きっと

そのときどきで
外から起こるモノ
内から湧き上がるモノ

それらをすべて
飲み込んで


その時点で
発揮しうる
自分のベストを尽くして


歩み進んでいくもの
だから


と、
なし男は
勝手に
そう思っていた。


そんな風で

ガイドブックを持たず
コトバもままならないままに


なし男は

「まあ、ついたら何とかなるだろう。大きい都市だし」


シドニーに向かうバスを探すも
バス停が良く分からなかった。


そこで
そこらへんにいた
大きな白い肌の方々に

「シドニー!シドニー!バス!」と尋ねたら


みな
「??」と言う顔だったり
「分からない〜」みたいに首を傾げたりした。


何人か尋ねてると
何やら相手が言ってきた、が、
全然わからなかった。


こちらも
同じように
首を傾げ、
とりあえず
笑い合った。


何回かやりとりを
繰り返す

「シドニー!シドニー!バス!」

なんだか

「シニー?シーニー?シッニー?」


などと言っているように
聞こえなくもない。


なし男は
大きな声で言い返した

「ノー! バス!」

何言ってんだろう、バスもわかんないのかな?と。


ちょうどバスが通ったので
指をさした。


その人は
大きくうなづいた。


「オーケー!サンキュー!」」


指で大きく丸をつくって


そうして
バスが到着した先を見ると
バス停らしきモノがあった。


トコトコと歩いて
到着し
バス停を見ると
「Sydney」と書いてあったので


「これこれ」と
バスを待って乗った。


バックパックを背負った
ヨーロピアン風のホワイトなカップルが乗ってきたので


「まあ、この人たちもシドニーだろう」


とシートに座って、、


無事
1ミッションをクリアして
バスに乗れた
安堵もあり


外を眺めると
やっぱり
空が
どこまでも気持ちのいいモノだった。


その内に
旅人カップルが
立ち上がり
バックパックを背負いだした


注意して
運転手のガイダンスに
耳を傾けた


「シニー、シニー、シッニー」

、、、、


「は?シドニーじゃないの?」


旅人カップルは
シドニー行きじゃなかったの?


「とりあえず
まあ降りるか」


なし男は
見知らぬ土地に降り立った。




(つづく)


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