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豊島のはなし2

二日目は6時に起床。7時間たっぷり眠ってもこの時間。得した気分になる。

大きな窓が気持ちいい。

日の出は6時45分くらいなので、それまで部屋で紅茶を飲んだりnoteを書いたりしながらゆったりと過ごす。朝の30分は貴重だ。夜の1時間分くらいに色々なことができる。

着替えて軽く走る。朝の空気はひんやりとしていて、一日が始まる香りがした。

目の前は海!

ヘアメイクを終え、2日目の最初の活動は「スポGOMI」から。

ユニクロ・GUウェアに包まれていざ!

スポGOMIとは、ごみ拾いにスポーツの面白さをプラスし、制限時間内でごみを拾い、その量と質でポイントを競う新感覚のゴミ拾いだ。おそろいのユニフォームに身を包み、頭と身体をフルに使って街をきれいにしようという活動だ。

よーいスタート!でユニクロ・GUの社員のみなさんと一斉にゴミを拾う。

スポGOMIのルールを学ぶ。

ゴミの種類によってポイントが変わるので、ゴミを見つけると、「ゴミだ…」という感覚よりは「ポイントだ!」という気持ちになる。

みんな必死!



ゴミ拾いというか、スポーツというか、遊びというか?
なんだろう、この感覚は。

楽しい!
そうだ、”楽しい”だ! 
ゴミ拾いが楽しい!

ニヤニヤ

ゴミはまるで置かれたように一直線に並んでいた。ちょっと不自然なくらい。
「打ち上げられて海からやってきたゴミ」といった感じ。

きっとこのペットボトルを捨てた人も、こんな姿になると思わずにポイッと捨ててしまったのだろう。何気なく捨てたものが、雨水に流され、川を通って海に揺られてたどり着いた。

どうしてもネガティブに捉えてしまうゴミ問題。もちろん、問題自体はネガティブだが、スポGOMIはゴミを拾うということがポジティブになる。いいことしている!という感覚よりも「楽しい!」が前にくる。
フラットな気持ちになれることが素敵だと思った。



スポGOMIが終わると、移動していよいよ植林活動だ。
島の小中学生、岡山大学の嶋教授、岡山大学のみなさん、社員のみなさんと一緒に作業。

土いじり好き!

オリーブ基金ボランティアでは、ツツジを植林する。

どうしてツツジを植林するのか?
ツツジはかつて、島に数多く自生していた。
お花見といえば桜だが、豊島ではツツジでお花見をしていたらしい。
それくらいにツツジは、島に馴染み深い植物なのだ。

タネが小さく(1、2ミリ)、芽が出てもなかなか大きくなれないツツジは、厳しい環境では生き残れず、自然に生えてくるまでとても時間がかかる。

そこで、豊島内で採取したツツジの種を岡山大学で発芽させ、島の小中学生が育てている。 

苗を植えるための穴掘りをお手伝いさせていただいていると、ツツジの苗木を大事そうに抱えた小中学生たちがゾロゾロとやってきた。ツツジを包み込むように抱える小中学生が本当に微笑ましくて、目を細めて見てしまった。

鍬で草の根を切ってもらう

掘った穴にツツジを入れて、土をかける。
プレートに気持ちを書いて苗木の近くにさした。

私も小学生みたい?

立派なツツジに育ってほしい。ここがツツジのピンク色に染まる日が来ますようにという願いを込めて丁寧に植えていく。

可愛いツツジ

小中学生に、豊島好き?と聞くと、好き。とみんな照れながら答える。私が小さい頃は、恥ずかしながら都会に憧れていて、一刻でも早く地元を出たかった。
子供たちにこんなに真っ直ぐに「好き」と言われる豊島はすごい。

真面目にツツジを植える一方、撮影隊のドローンに興奮して、空を見上げる子供たちが可愛かった。

純粋な子供たちを見ていると、次世代に繋ぐとはこういうことなのかと考えさせられる。私を見上げるまっすぐな目はキラキラしていて、この目に映る景色が美しいものであったらいいなと思ってなぜか泣きそうになった。
そのために、豊島の景色が美しく未来に咲きますように。

特別に許可を得て撮影してます!


今日、たった今会ったばかりの私が、子供たちから感じたものは大きかった。

みんなで盛り上がり、ツツジの植林はすぐに終わった。

ここで全ての活動が終了。

あっという間だったが、たくさんのことがぎゅっと詰まって濃厚な二日間だった。

荷物をまとめ、港へ。港近くのお土産屋さんで買い物を楽しむ。
豊島のトマトドレッシング、レモン胡椒、海苔の佃煮(紫蘇入り)など。
そして、豊島の無農薬レモンが7個入り500円で売っていてそれも購入。
どれも美味しそう。

買い物を終え、社員の皆さんと島のせんべいを頬張りながら船の時間を待つ。
この日は晴れていて、長閑な時間が流れた。今日、東京に戻るなんて信じられないくらいに。

とうとう豊島を出発。
安岐さんが、港でニコニコしながら見えなくなるまで手を振ってくれていた。

安岐さんの笑顔を見て、豊島の二日間が脳内にザーッと流れた。
今日を忘れないでおこう。また必ず、ここに戻ってきたい。植林したツツジをいつか見にきて、島の方々とお花見がしたい。私の島の夢がまたひとつ増えた。


追伸:後日、レモンはずっと作ってみたかった「発酵レモン」にした。せっかく無農薬なので、皮も使おうと思って。活用法を探り中だ。


立派〜!