答えのないデザインの戦い方
デザインに正解はない。だからデザイナーは悩む。
それなのに、クライアントや上司に
「このデザインはどうですか?」
と相談するのはどうしてだろう?この矛盾に気づいているだろうか。
あなたに正解がわからないように、クライアントや上司も正解は知らない。
そもそもデザインだけでなく、このVUCAの時代に答えのある仕事の方がマレだ。
まず、認識を改めよう。あなただけでなく、雲の上の存在のような上司も優秀なクライアントも、誰も彼も答えのないゲームの中で戦っている。
そして答えのないデザインに悩むのではなく、答えのないデザインのルールと戦い方を身につけよう。
デザインのクオリティはプロセスで決まる
デザインの案件が来たら、とりあえずギャラリーサイトでサイトを漁ったり競合サイトを調べたりしてないだろうか?
…一番やってはダメな行動だ。コンサルなら肩を叩かれても文句は言えない。
1. 論点を立てる
まずやることは、論点を立てること。
論点とは、「議論の中心となる問題点」を意味する言葉だ。
サイト作成は、何かしらの課題がありそれを解決するための手段だ。
現状の課題とこのサイトの目的はなんなのか?
そのためには何を調べる必要があるのか?
どんなサイトをピックアップするべきなのか?
を書き出そう。
2. ファクトや類似例から仮説を立てる
論点を立てたら、実際に論点を調べるためのギャラリーサイトや競合サイトをピックアップしよう。
クライアントの課題やワイヤーフレーム、競合、ギャラリーサイトのデザインから、示唆を得て仮説を立ててみよう。
このワイヤーフレームの構成よりも〇〇のコンテンツがあるとより伝わるのでは?
トンマナは競合と比べると、こちらの方が良いいかも?
このレイアウトデザインを利用してみると、オリジナリティを演出できるかも?
などなど。
3. 仮説を検証する
仮説の上でデザインを作ったら、実際のユーザーを超具体的に想像してまっさらな目で確認しよう。
ただ自分の作ったデザインはバイアスによって良いデザインに見えてしまうので、「1日寝てから見る」「違う環境やデバイスで確認する」「印刷してみる」など、少しでもバイアスを外す工夫をしよう。
デザインは議論するための場
上司やクライアントにデザインを持っていく時は、以下を大前提として認識しておこう。
デザインは議論・炎上させるための場。議論されないデザインは悪いデザイン。良いデザインは議論によってプロジェクトを前進させる。
議論するには、最低でも2つ以上の選択肢が必要。1案だけでは議論できない。比較検討することで議論は生まれる。
ワクワクする仮説を提案することが、デザイナーの価値
あなたはデザインを上司やクライアントに見せる時、ワクワクしているだろうか?
もし「憂鬱だ」「嫌だ」と思っているなら、
そしてワクワクしながらデザインを提案できないなら、
仮説が悪いのでプロセスの1からやり直そう。
デザイナーがワクワクするデザインを提案できないのは、「決めることを上司に委ねている」「考えることを放棄している」「作業者になっている」可能性がある。
デザイナーとして価値を出したいのであれば、ワクワクする仮説を提案しよう。その方が何倍もデザインが楽しくなる。
参考本
この記事は、「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術という本をデザインに応用して書いた。少しでも認識が変わったならぜひ読んでほしい。
というか、今の社会人や新卒には必須本だと思う。弊社に入社したデザイナー全員に読ませたい。
(CXOもリードデザイナーも誰も答えを持っていないんだよ)
さいごに
もし、デザイナーとして悩んでいる。未経験でデザイナーになりたい方がいたら、こちらも読んでみてほしい。
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