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記事一覧

「想像力」を取り戻す~舞台『未来少年コナン』~

1970年生まれの私だが、正直に言うと、1978年に放送された日本アニメーション制作の『未来少年…

アンマchan
11日前
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『TSURUBE BANASHI(鶴瓶噺) 2024』

「何で、こんなことが起こるんやろ?」 笑福亭鶴瓶師匠は、首を傾げながら、自虐的な呟きを繰…

アンマchan
3週間前
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史実に基づいた"IF"の物語の先~音楽劇『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』~

♪兎追いし彼の山 恐らく、日本で生まれ育った人ならこの続きが歌えるのではないか。 1914(大…

アンマchan
1か月前
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ワインで反戦を訴える~舞台『ワインガールズ』~

華やかな香りとフレッシュな舌触りに心地良さを感じた後、しかし、腹にガツンときて、それが持…

アンマchan
1か月前
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「帰れない男」は誰だ?~舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』~

舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』(倉持裕作・演出。以下、本作)。 一体、誰が『帰れな…

アンマchan
1か月前
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「時間」を否定する~坂本龍一+高谷史郎『TIME』~

時間は常に進み、戻ることはできない。時間は常に進むが、かといって飛び越すこともできない。…

アンマchan
1か月前

芝居を演ること、芝居を観ること~舞台『あのよこのよ』~

演劇の魅力・面白さは「見立て」にある。 劇作家・演出家・俳優の野田秀樹氏は、そういったことを口にする。 舞台『あのよこのよ』(青木豪作・演出。以下、本作)は、まさに野田氏の言葉どおりの、少し硬く云えば「"芝居・演劇"そのもののメタファー」といった作品である。 「見立て」を換言すれば「(観客の)想像力」であり、誰も見たことのない明治初期の、しかも、実際にはなかった出来事の物語に夢中になることでもある。 しかし本作はそれだけでなく、物語の構造、セリフ、演技、衣装はもちろん、セ

舞台『骨と軽蔑』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

自身の劇団などで作・演出したケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の過去作を別の演出家…

アンマchan
2か月前
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舞台『東京輪舞』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

舞台『東京輪舞』(アルトゥル・シュニッツラー原作、山本卓卓作、杉原邦生演出。以下、本作)を…

アンマchan
2か月前
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舞台『緑に満ちる夜は長く』

舞台『緑に満ちる夜は長く』(田村孝裕作・演出。以下、本作)の公式サイトで「あらすじ」を読ん…

アンマchan
3か月前
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夜を往く者たち~舞台『ボイラーマン』~

夜は人を狂わせる。 自己陶酔だけの素人小説の書き出しみたいだが、実際「夜」というのは、そ…

アンマchan
3か月前
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喪の仕事~舞台『う蝕』~

舞台『う蝕』(横山拓也・作、瀬戸山美咲・演出。以下、本作)の感想を書こうと思って、本稿のタ…

アンマchan
3か月前
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高谷史郎(ダムタイプ) 『Tangent(タンジェント)』

テクノロジーの劇的な進化によって、「VR」或いは「AR」といった「電脳仮想世界」ばかりが注目…

アンマchan
3か月前

鎮魂の物語~舞台『最高の家出』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

舞台『最高の家出』(三浦直之作・演出。以下、本作)を観た。 53歳の私は主演の高城れにが所属する「ももいろクローバーZ(通称・ももクロ)」のことをよく知らないし、作・演出を務めた三浦が主宰する劇団「ロロ」もよく知らない。だから、それらのファンの人たちなら当然わかることが(たぶん)わからない。 そこでわからないなりに、観ながら思った取り留めのないことをツラツラと書いていく。 その前に一応、本作パンフレットに掲載された「STORY」を紹介しておく。 1984年に刊行されて話題