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【初受験・3ヶ月半・海外経験0】TOEIC900点overを一撃でクリアした勉強法〜大学受験を頑張った人へ〜

もう3年前のことになりますが、TOEIC初受験で910点を獲得した理由について考察しましたので、興味のある方はお付き合いいただけますと幸いです。

本記事が初投稿になりますので、簡単に自己紹介をさせていただきます。4月から国公立の文系大学院に進学するinitarouと申します。少し経歴が特殊で、関関同立から国公立大学に編入をした経験があります。

国際政治を専攻しており、来年には、イギリスに1年間留学しようと考えているため、現在も英語学習を続けています。その振り返りとして、TOEICの高得点を短期間でどのように取得したのかをまとめたいと思い、本記事を作成するにあたりました。長文かつ拙文ですが、よろしくお願いいたします。

本記事の結論といたしましては、

大学受験レベルの基礎英語をマスターし、TOEIC模試の復習を適切な方向性で徹底的にやり込めば、TOEIC800点以上をとることができるのではないか

ということになります。


TOEICの受験動機

そもそも、TOEICを受けようと思ったのは編入試験を受けようと考えたことがきっかけでした。出願先の大学ではTOEICのスコアが求められていたため、勉強を開始することなりました。

受験を志したのが遅かったため、初受験までの受験期間は、大学1年の2月初旬から2年になった5月中旬まで約3ヶ月半しかなく、その中でどのように高得点を獲得するか、頭を悩ませていました。

考えてもまとまらないのでとりあえず作戦を立てて行動してみることに

作戦と実行

大学生の春休みは2ヶ月間でとても長く、人生のモラトリアム期間とも考えられます。当時はコロナ禍の真っ只中であり、勉強とバイトしかすることしかありませんでした。この状況に焦りを感じたことで編入試験に興味を持つのですが、これはまた別の話、、、

「編入試験を受ける」と春休みの1ヶ月前に決めたため、この長い休みの間にとりあえず大学受験の英語の復習をすることにしました。大学の授業を除いて英語に触れる機会は0だったため、英語力の錆びつきを感じたからです。

バイト先の塾で得たノウハウを活かして、単語、文法、解釈、長文の4つに分野を分けて作戦を立て、それに基づき教材とスケジュールを決めて復習を開始しました。春休みの2ヶ月間をふんだんに使う計画です。この時は、最初から大学受験英語を復習すればTOEICで高得点が取れるのではと確信していたのではなく、とりあえず英語力を元の状態に戻すかという程度の意識でした。

2ヶ月間も大学受験英語の勉強していたのは、実のところなかなかTOEICの模試を解いてみる勇気が出なかっただけという私の弱さもあります。今ではとりあえずさっさと模試を解いて、試験の傾向を掴んでから勉強を開始した方がいいと思っています。ただ、結果的に、この長い準備期間が功を奏したのではないかと今では考えています。

勇気のなさがたまたま良い方向に作用した


では、具体的に何をしたのかを軽く紹介させていただきます。

  • 2月:システム英単語、速読英熟語、一億人の英文法、Nextage

  • 3月:単語・熟語・文法の復習、基礎英文解釈の技術100、英語長文ハイパートレーニングレベル3

  • 1日あたりの勉強時間:英語に充てたのは1日2時間ほど

それぞれの勉強方法などの紹介は別の記事に譲るとして、単語・熟語・文法に関しては、それぞれの参考書につき85~95%程度の完成度になるように意識しながら勉強を進めていました。

英文解釈はコツコツと進めていましたが、結局半分のテーマくらいしかやらず、ハイパートレーニングに関しては5問しか解いていません。ただ、ハイパートレーニングに関しては、付属の音源を用いて音読とオーバーラッピング、シャドーイングを徹底的に行なっていました。これらの勉強法についてはTOEICの教材と勉強方法のトピックで詳しく紹介することにします。

はじめの一歩

満足のいく勉強ができたかはさておき、2月、3月の間、毎日コツコツ英語学習に取り組んだことで、大学受験が終わってからの1年ですっかり錆びついていた英語力は復活した感触を得ました。そこで、4月の初旬に思い切ってTOEICの模試を解いてみたところ、以下のような結果を得ました。

カフェで思い切って解いてみた結果


これはStudyPlusという勉強記録アプリに残っていた当時の投稿で、正真正銘当時の私の心境を表しています。最初は「800を超えればいいか」くらいに感じており、「あと2ヶ月半」も勉強できるじゃないかとも考えていたことが投稿からみてとれます。実際に受験するのは1ヶ月半後ですが、2ヶ月半後というのは出願に間に合う本当にギリギリのデッドラインでした。自分の実力的にもそんなに簡単に点数は伸びないであろうと当時は感じていました。

また、参考書に書いてあった通りに、解答をみていない状態で翌日に2回目を解いてみたところ、そこまでスコアが変わらず、期待値はこんなものかと感じていたところでした。

解答をみない状態での2回目通し


このように大学受験レベルの基礎英語を復習した状態だけでは、当然のことかもしれませんが、800点を超えることはできませんでした。しかし、次に紹介するTOEIC模試の使い方、特に復習の方法が私のスコアを大きく伸ばすことになりました。

以下では、TOEICの勉強法について詳しくみていきます。

事前準備も大事だが、テストの概要を先に知ることの大事さを改めて痛感

教材と勉強方法

初受験までに使ったTOEICに関連する教材は以下のものになります。


『至高の模試600問』はいうまでもなく、私のTOEIC対策の主役でした。また、900点を超える上では、文法の得点を安定させてくれた『900点特急』はかなり役にたったのではないかと考えています。『860点奪取の方法』は何事もやり方やテクニックなど、どうすればいいかを考えてしまう私の性質上利用を決めました。模試以外の2つは普通に取り組んだくらいで、特にいうこともないので、模試の使い方についてスポットライトを当てていきたいと思います。

役に立ちすぎたので神々しく真ん中に配置しておく

大学受験英語の復習の際でも触れたように、私は長文を解いた後には必ず音読やオーバーラッピング、シャドーイングを徹底して行います。この習慣は高校生のころに身につけました。

ここで、念のため、オーバーラッピングとシャドーイングの違いを英語学習で権威のあるサイトの文言を引用してご紹介しておこうと思います。

オーバーラッピングは、基本はシャドーイングと同じくお手本の音声に合わせて、発音やイントネーションなどの忠実な再現を心がけながら、声に出して内容をリピートします。ただし発声のタイミングは、お手本と同時スタート。両方の音声が同時に耳に入ってきます。

オーバーラッピングでは、スクリプトを手元に置き、目で英文を確認しながらお手本に合わせて発音します。そのため、ひたすら耳からの情報を頼りに音声を追うシャドーイングと異なり、スクリプトで一つひとつの単語を確認しながら発音できる点が大きなメリットです。
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シャドーイングは、お手本となる英語音声のスタートより少し遅いタイミング、目安としてはだいたい0.5〜1秒後に同じ内容を声に出して追いかけていくトレーニングのこと

シャドーイングでは、テキストを見ずに、あくまで耳から聞こえてくる音声を記憶しながら内容を繰り返します。そのため、ハードルは高いもののリスニング力の向上が期待できます。

レアジョブ英会話EnglishLab

最初からシャドーイングをすることは難しいので、まずは音読とオーバーラッピングで内容を確認して、その後ひたすらシャドーイングを行う勉強法を採用していました。

使い分けの具体的なイメージとしては、

①音読
:日本語訳をときどきみながら、長文の意味を理解しながら読めているかを確認する作業を繰り返す。英語の文章を読みながら意味がそのまま頭に入ってくるようになる状態を目指す。主にReadingパートの復習で使用した。

②オーバーラッピング
:最初に日本語訳をみてから行う。音声を聞きながら自分で発声することで、音源から流れてくる英語を自分の知っている音として認識する。流れてくる英語、自分の読む英語を音源のスピードで意味が理解できる状態を目指す。復習の全体の7割くらいの時間をこの作業に使う。主にListeningパートで使用するが、音源があるReadingパートでも優先して行う。

③シャドーイング
オーバーラッピングを満足なクオリティで終えた文章を本当に理解しているか確認するために行う。スクリプトを見ないので自然と言えない部分や、意味が理解できない部分が浮かび上がってくる。そこが自分の弱いポイントなので徹底的に復習する。完璧にできるようまで徹底して行う。試験前も、模試の音源をシャドーイングして英語脳になるよう調整していた。自分が「英語」として聞けるものを着実に増やしていくイメージで取り組むと、リスニング力の向上に直結する。

以上のようなものになります。

徹底的に読み込む・聞き込むことが重要


勉強方法のイメージとしては、模試を解き終えた後に

  • 丸つけ

  • ざっと復習(単語洗い出し、日本語訳確認、なぜ間違えたのかの確認)

  • Readingパートは①の音読を開始(音源があれば②、③も)

  • Listeningパートは②、③の作業を開始

  • これを3〜4週間の間徹底して行う

このような勉強を行なっていました。

3〜4週間と聞いて長すぎると思われたかもしれませんが、TOEICの問題数はかなり多く、本気で、完璧に自分のものにするまで復習を行うとなるとそれくらいの期間はかかるのではないかと思います。他の参考書も並行して勉強していればなおさらのことです。

実際のところ、私はTOEICの勉強に専念した1ヶ月半で模試を2つしか解きませんでした。しかし、その期間、合計で35時間ほど模試の教材に勉強時間を費やしています。つまり、30時間ほどは狂ったように問題の文章を復習していたということになります。

徹底した復習が高得点奪取の鍵である
1時間英語を声に出していると自ずと英語への体力もついてくる


大事なことは模試を自分の実力、現在地を把握することに使うのではなく、隅から隅まで自分のものにしてやろうという気持ちで復習に取り組むことではないかと思います。

これは全く持って私の思い込みかもしれませんが、TOEICで高得点を取りたいと焦る人ほど色々な教材に手を出し、それぞれの教材に満足な完成度で取り組むことができず、結局のところ遠回りしてしまっているのではないかと思います。世の中には色々な勉強法の誘惑があり、(実際私も紹介していますが)、「TOEICの点を取るにはこの参考書が必須!」のような言説が溢れているように感じます。

私は、そのような誘惑に負けずに、大学受験レベルに立ち戻って基礎的な英語力を確立した上で、TOEICの問題形式、そして試験時間の長さになれるために、徹底して模試を使い込んで試験に対応できる実力を身につけることが必要なのではないかと考えています。

その裏付けとして、上記の勉強法を実践した結果、4月5日に初めて解いた時には750(L:390、R:360)であったスコアを、1ヶ月後の5月初旬には865(L:445、R:420)まで大幅に上げることに成功しました。大学受験レベルの基礎的な英語を固めた上で、TOEICに特化した勉強法で対策したことが効果的であることを示している証拠ではないかと考えています。

お恥ずかしいほどのテンションの上がり具合
さすがに隠すところは隠しました

そして残りの半月の間、同じ勉強法を信じて繰り返したことで、初受験、準備期間3ヶ月半、海外経験0でTOEIC910点をとることができました。

大学受験に落ちた後、初めての成功体験

なぜ効果が出たか、なぜやるべきか

ここまで簡単にスコアが上がると、元から英語が得意だったのではないか、誰でもこんなに短期間で容易にスコアアップはできないだろうとのお声がありそうです。

確かに、高校時代から必死に努力して英語力を形成してきたという自信はありますが、中学時代は英語が1番苦手な科目でした。そんな自分を変えてくれたのが、高校2年生の時に担当してくれた学校の英語の先生です。先生は「一つの長文につき音読を20回するといい」というアドバイスをくれました。真面目しか取り柄のなかった私はこの教えを徹底して守り続けました。すると、読み込んだ長文が出題される定期テストだけでなく、校内模試でも英語で一桁の順位をとることができ、英語が得意科目に徐々に変わりました。

このような下積み時代があるからこそ、TOEICの受験に際して、大学受験英語の復習とシャドーイング系の勉強が効果的であったのかもしれません。
しかし、今では、ほとんどの人が、まずは英語の基礎を高校時代の知識を手がかりにしながら復習するべきだと確信しています。経験則からではありますが、英語力の底上げを図ることは、TOEICの効率的なスコアアップに直結するのではないかと考えています。私が伝えたいのは、TOEICの勉強にとりかかる前に少し「復習」という寄り道をしてはどうかということです。

急がば回れ


以下では経験から得られた考察をご紹介します

高校時代の友人はいわゆる旧帝大に進学することが多く、彼らは入学時に何の対策もせずにTOEICを受けさせられていました。多くの友人は730点ほどを取っていたことを記憶してしています。

大学受験英語ができた人間はTOEICの元のスコアが高いという、至極当たり前に聞こえる内容ですが、この事実を考察するとTOEICで高得点をとるための糸口が見えてきました。

気づきの中で大事なものの一つがセンター試験英語(現、共通テスト)とTOEICに求められる能力が似ているということです。

センター試験の英語では、アクセントや文法を除けば、限られた時間の中で長文を読解し、必要な情報をどれだけ見つけてこれるかが高得点の鍵になっていたように感じます。さらに、リスニング試験もきちんと意味内容を把握し、情報を処理できれば得点できるようになっていました。センター試験では速読力と情報処理能力が求められていたということです。

これらの能力はTOEICでも同様に求められているのではないでしょうか。
TOEICでは長文やリスニングで出題されるテーマはセンター試験とかなり異なりますが、本質的には、速読力と情報処理能力などの従来の大学入試で求められていた能力が、TOEICを攻略する上で必要とされていると考えます。

旧帝大に合格した友人は、あらかじめセンター試験英語で9割近くを得点できる基礎的な英語力があり、さらに過酷な受験勉強の結果、速読力や情報処理能力を身につけていました。そのため、何の対策をしなくてもTOEICで「高得点」と呼ばれる730点をとることができたと考えられます。

基礎的な英語力+速読力+情報処理能力=TOEIC高得点

筆者作成

この式と経験から考えられるのが、
センター試験(共通テスト)の英語で8割から9割程度を得点できるような基礎的な英語能力、そして前述した速読力と情報処理能力に磨きをかけることができれば、TOEICで800以上を余裕でとることができるのではないか、という私の仮説です。

それぞれの要素を説明すると、

  • 基礎的な英語力というのは、センター試験英語で8割を軽く得点できる程度の能力であると考えます。身につけるためには、いろんな参考書や動画教材を用いることが想定されますが、一例として、冒頭にて私が紹介した教材などを用いることが考えられます。大学受験を頑張った人で、かつ、まだ学生なのであればすぐに取り戻せるはずです。忘れきってしまった人や0に近い人は、一度TOEICから離れて、世の中に溢れる参考書を駆使して、基本的な英語力身につけることをおすすめします(TOEICの教材だけで基礎英語を学ぶ必要はないはずです)。

  • 速読力と情報処理能力というのは、そのままの意味で、英文を早く読む力と、問題を解くにあたって大量の情報の中から必要なものを見つけ出す能力であると定義します。これらの能力は大学受験英語の長文について学習する過程でも身につけることができ、特にセンター試験(現、共通テスト)でもこの能力が求められていました。私は、この能力をTOEICの対策で伸ばし切ることが何よりも重要だと考えます。細かな文法書に時間を使うのは、基礎的な英語力を身につける過程だけにして、TOEICの対策をする際には、先に紹介した音読、オーバーラッピング、シャドーイングを模試の復習する過程で徹底して行うことでこれらの能力に磨きをかけることが重要であると思います。個人的な体験と経験則からにはなりますが、最初から700点を超える基礎的な英語力があれば、あとは模試を効果的に活用することで、800点を容易に突破することができると考えます。

適切な方向に適切な勉強法で進む

どれくらい勉強したか

大学受験レベルの基礎英語を身につける過程であった2、3月は、先に紹介したように1日あたりの勉強時間はそれほど多いわけではなく、1日2時間ほどを英語に充てていました。

他方で、4、5月の英語に充てる勉強時間は大学が始まったものの、当時はコロナ禍の真っ只中でオンライン授業が主流であり、通学時間に時間を割かなくても良かったので、春休みよりも多く、一日あたり3〜4時間を確保していました。

有効な対策

ここまで長々と当時を振り返りながら、TOEICの勉強方法について紹介してきましたが、改めて内容をまとめると、

①大学受験レベルの基礎英語を復習する時間が必要
②1の勉強を終えた段階ではTOEICは750点
③センター試験で軽く8割を超える基礎的な英語力があれば700点は容易に取ることができる
④この状態からTOEICの点数を伸ばすには速読力と情報処理能力に磨きをかけることが重要
⑤2つの能力に磨きをかけるには、模試の復習段階でReadingパートは音読、Listeningパートはオーバーラッピングとシャドーイングを時間をかけて徹底的に行うことが効果的
⑥色々な教材に手を出す必要はない、模試を120%活用する

以上のようになります。

大学受験レベルの基礎英語はマスターしていた仲の良い友人に4以降の勉強法を試してもらったところ、最初は650(L:330、R:320)だったスコアを2ヶ月半で875(L:430、R:445)まで上げることに成功していました。自分の勉強方法に少し自信がもてたため、この記事を作成する動機にもなりました。

何事も教え合いが大事

おわりに

ここまで自分の経験からTOEICの高得点をどのように短期間でとることができるのかについて考察してきました。

強調したいことは、

最初からTOEICの対策をすることが必ずしも最短ルートではない

ということです。

時間がない中で、成果が見えにくい大学受験レベルの基礎的な英語力の復習という勉強テーマに投資することは難しいかもしれません。ご承知の通り、単調で面白みがないからです。しかし、「守破離」という言葉があるように、まずは基本を身につけなければ、成果は得られないと考えます。

まずはTOEICを受けてみて自分の現在地を確認した後、700点に届かないのであれば、一度TOEICから離れて、これまで学習してきた大学受験レベルの英語を見直してみる時間を確保することが重要なのではないでしょうか。

タイトルにもあるように、大学受験を頑張った人ならば、元の英語力を取り戻すのに時間はさほどかからないように思います。少し寄り道をしてから、TOEICの対策をするだけで、周りの人から一目置かれるような、そして就活・転職で役に立つようなスコアを一撃で取得することができると思います。

本記事はここまでになります。読んでいただきありがとうございました。
もしご質問がある方がいらっしゃいましたら、X(@initarou_mm)までご連絡いただければと思います。


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