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茶屋のお婆ちゃんと世間話をした昼下がりのこと

先日、お祭りの交通規制警備の仕事でお土産屋さんの前を担当していた。

炎天下の中、車の誘導をしていると茶屋のお婆ちゃんが打ち水をしてくれた。

「暑いでしょう、日陰に入りな」

トランシーバーで本部から"一旦規制解除"の指示が入った。

解除の指示を聞くやいなや、茶屋に入り、醤油の染みたこんにゃくをひとつ頼んだら、お茶も出してくれた。🍵

お金を払おうとすると、「いいのよ」とご馳走になってしまった。

「さっきから出そうと思ってたけど、お仕事中だったでしょ」🍵

暑い中でも日陰に吹く山の風と打ち水のお陰で、少し涼しい気もした。

凛と鳴り続ける風鈴もまたその涼しさに一役買っていた。

感覚でしかないけど、日本の昔から続くお店のなんとも言えない雰囲気が最高だった。

「ずっと休んでていいよ」と言われ、いろいろと世間話をした。

「あたし、扇風機の風が苦手で、ここには扇風機もクーラーもないの、でもここは山の風で朝晩は涼しいのよ」と、顔に皺を寄せ、くしゃっと笑った。

店の前を通る子どもが親に手を引かれながら、「かき氷がないと生きていけな〜い」と駄々を捏ねながら歩いていた。

「あの子、おかしいわね(笑)」
「子どもって本当面白いわ」

「うちの孫なんて、携帯ばかりみて、なんにも喋らないのよ」

「あ〜ちょっと自分も耳が痛いです(笑)」
「でも確かにここ十数年でいろいろと変わりましたよね」

「コロナの前と後でもいろいろ変わったのよ」
「でも、変わっていくのは時代の波だから仕方がないことだと思うわ」

茶屋のひさしの内側から観光客を見ていると、世の流れとか人の変化とかいろんなことが感じ取れるのかなと思った昼下がりだった。

ご馳走になった分、今度また何か買いに来ます。
そのときは、よろしくお願いします😌

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