「どこ見てんのよ!?」 〜縦書きから横書き習慣へ〜 [デジカメ入門一歩前]
一枚の写真を鑑賞するときに、僕たちはどこをどの順番で見てしまうのか?というお話です。
縦書きと横書き習慣
ピカピカの一年生になった息子の国語の教科書がいろんな意味でキラキラ眩しくて、夕べ最後のページまで一気に読んでしまった。
それはともかく、
国語の教科書 = 縦書き
です。新聞もそうかな?
一方、この note も含めてたいてい
ネットの文書 = 横書き
です。英語の本や数学も。
さて、僕らは一昔前は活字離れと言われましたが、今ではすっかりネットの虜です。
そうなると横書きの習慣が形成されます。
習慣は僕らの肉体にも変化をもたらします。
それは、まずどこを見るか?ということです。
どこから見てる?
たいていの日本の新聞は一面右上に新聞社名がドンとあります。
それからトップの記事が左に続きます。
私の小学生の頃は、そもそも一面の記事をすっ飛ばして裏面のテレビ欄ばかり見てましたが。
一方、たいていのWebサイトは左上に会社名やサービス名がきてますね。
なぜでしょう?
一番先に見るからです。
鶏が先か卵か先かみたいな話にもなりますが、たいていそのような順番で見てますよね?
それで、ある時僕はハッとしました。
新聞の一面を開いた時に、右上の新聞社名に続くトップ記事ではなく、左上の2番目くらいの記事から読み始めていることを。
そうです。完全に横書き習慣になったのです。
目が。
僕らはもう昔の僕らではないのです。
横書きの目
縦書きの目は書物を右上から見始めます。
横書きの目は書物を左上から見始めます。
ネットの黎明期、ホームページの作成講座なんかでは、ページ上の重要なものは左上に配置しましょうなんて言われてました。実際に視線のヒートマップなんて分析もされたりして。
ネット時代。すっかり僕らは左上からモノを見る習慣になったといえます。
そうなると、本題。写真の見方が変わります。
写真を見る順番はたいてい
●明るいところ
順番もなく、暗いところは見ない場合もあります。全体に暗い写真は写真自体を見てもらえない!
●人の顔
何にせよ人は人を見ます。たくさん顔がある場合なら美しい顔や怖い顔を見てしまうなんて分析もあります。
●左上
横書き(左から)習慣の人は左上から視線のサーチが始まります。
その他、大きいモノ、鮮やかなもの、珍しいもの、ハッキリしているもの、その他見る人の被写体に対する重要度で変わります。
それらを踏まえて写真にはたいてい見る順番が意図されています。
意図していないと映画のネタバレ、音楽のサビだけ聴くなどと同じで、味わいが低下します。
物語は左側から
例をあげます。
顔をアップで撮る場合、よく自分に近い方の目にピントを合わせようといわれます。
でも、人物が左側を見ている(人物から見て右)と、近い方は右側の目ですから左目にピントを合わせます。
ところがたいてい左側から見るのでぼやけた右目から見ることになります。
この時、左側から日差しの入る窓際に人物が立っていると、ピントを合わせた左目が暗くなります。
ピントの合ってない右目が明るく
ピントの合っている左目が暗く
なんともチグハグな写真になります。
この場合、潔く右目にピントを合わせるのもありだと思います。
ものには理由があります
ものごとの理由を辿ると習慣が変わったり、常識が覆ったりします。
料理の仕方、掃除の仕方、病気の予防。
え、そうだったの?昔聞いたのと違う!というのはたいてい昔の人が間違えていたというよりは、前提となる状況や人々の習慣が変わったことに由来しているのかも知れません。
ただ、習慣に縛られると、マンネリな写真になります。
それでも良いのです。
今日もまた世界中の朝焼けや夕日が撮られ、名所が撮られているわけですから。
でも、もし僕らが何かを表現したいなら、この視線の順序について少し考えてみても良いかも知れません。
令和3年5月29日 晴れもよし雨もよし
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