僕の番号が僕の番号であるために 〜 マイナンバーはなぜ面倒か?【情報リテラシー一歩前】
僕の番号が僕の番号であるためには
勝ち続けなきゃなりません。
何に勝ち続けなきゃいけないのか?
僕と君と彼のあやまちに。
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今日もまたSNSで誰かが、マイナンバーで楽になると思ってたのにコピーしたり用紙に貼り付けたり全然面倒じゃんという感じのことを呟いていました。
人生は面倒で意味のない作業を嫌がります。
マイナンバーはいろいろ便利だと言われて育てられてきたのに…全然便利じゃない。意味のない作業をさせられている。とみんな感じています。
ここでは、なぜこんなことになってしまうのか?という理由を掘り下げることで、意味のない作業に少しでも意味を感じ取れたなら、人生を回復できるのではないかと思ってお話しします。
なぜマイナンバーは便利でないのか?
2つあります。
ひとつめはシンプルに
僕が便利になるために作られたものではないから。
あくまで彼ら=マイナンバーを僕たちに配布して情報をうまく管理したい人たちにとっての便利のために作られたからです。
だから僕たちにとっての便利さは ー それがアピールされることもありますが ー すべて後付けであり、マイナンバーの目的とは本質的に別のプロジェクトです。
ふたつめは、
ナンバーは間違えるから。
そう、誰かに伝える時に。
間違えないように伝えればいいんじゃない?
そうです、そこが今回の掘り下げるポイントです。
間違えないようにナンバー(情報)を伝えるためにどうしたら良いか?ということを考えるとこの問題の本質が見えてくると思います。
間違えないようにナンバーを伝えるには?
ここではマイナンバーの利活用などについては話しません。いったいぜんたいマイナンバーとはなんなのかということも。
あくまで ”ナンバーを伝える” という一点に絞って掘り下げます。
ひとまずポイントをまとめると次のようになります。
間違えないようにナンバーを伝える時に配慮するポイント
構造的なこと
・ひとり対大勢
・伝える距離
意識的なこと
・私が間違えるはずがない
・どうせミスするでしょ
物理的なこと
・ミス(意図しない間違い)
・偽装(意図した間違い)
・訂正
架空のナンバーを伝える作業をイメージする
では、まずシンプルに ”僕” から ”彼” へ ”自分の持っているナンバー” を伝えるという設定にしましょう。
設定 A (基本形)
彼 あなたのナンバー教えて
僕 いいよ。はい [ 123 ]
彼 ありがとう。
おそらく、マイナンバーを伝えるということにおいて多くの人が想定しているのはこの設定 Aのようなやりとりだと思います。
めっちゃシンプルです。なんの面倒もありません。
マイナンバーの導入という話も、こんなふうになるんだと、今まで住民票や免許書のコピーやなんやで大変だった手続きも、マイナンバーひとつで簡単に済ますことができるようになるんだと、捉えられたと思います。
ところが、実際問題こうはいかないから面倒なことになるのです。
ポイント1: ひとり対大勢 (構造的な問題)
次の例を見てみましょう。
設定 B (ひとり対大勢)
彼 あなたのナンバー教えて
僕 いいよ。はい [ 123 ]
彼 ありがとう。
彼 あなたのマイナンバー教えて
君 いいよ。はい [ 789 ]
彼 ありがとう。
この設定では、彼は僕だけの番号が欲しいのではなく、君やどこかの誰かの番号も欲しているのです。実際、マイナンバーの場合は行政機関が国民全体のナンバーを取得するわけです。
ここに、一つ目の問題が浮かび上がりました。
この時、僕や君からみれば設定 A の状況とかわらないように思えますが、"彼"からみたら僕と君から、もしかしたらもっと大勢からナンバーを受け取らなければならないのです。
そうなるとどうなりますか?
そうです。ここにナンバーの "管理" 作業が生まれます。
今、僕から受け取った "ナンバー"は "僕" のものとして保管
今、君から受け取った "ナンバー"は "君" のものとして保管
ナンバーとその所有者をしっかりと結びつけて保管しなければなりません。僕と君から受け取ったナンバーがごっちゃになっちゃダメですよね。
彼の仕事が見えてきましたでしょうか?
ポイント2: 伝える距離 (構造の問題)
もうひとつ構造的な問題です。
今回の設定をもう少し実体に近づけると、こうなります。
設定 C (彼は教室、僕らはグランドにいる)
彼 おーい!みんなのナンバー教えて
僕 [ 123 ]でーす
彼 いま教えてくれたの誰〜!?遠くて見えないよー
僕 鈴木でーす [ 123 ] でーす
君 佐藤でーす [ 789 ] でーす
彼 ありがとー!
距離といいましたが、第3者を通じて間接的に伝えてもらうことも同じです。役所と私たちの関係もそうでしょう。昔の郵便局や役場ならもっと近かったかもしれませんが。
今回の例では彼は僕や君を知っています。ですから設定Bでは間違いなく僕のものは僕のものとして受け取れるでしょう。でも離れてしまってはナンバーを伝えたのが僕なのか君なのか判断できません。ですので"ナンバー"に僕や君の"名前を添えて"もらいます。
必要でしょう?
さて、ちょっと長くなりそうなので続きは次回にします。
令和2年12月23日 正しいものはなんなのか note に告白することで答えを育んでいます。
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