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少年はかく語りき

ねえねえお父さん。お金があるとするじゃない?それもムッチャたくさん。五万とな億万とかお父さんが好きなだけあるたと思って。で、それと命とどっちが大事?

夕飯の後、私がお風呂に浸かっているとピッカピカの1年生になった次男坊が入ってきてかく語りきだした。

彼はシャワーを浴びながら続けた。さながらスティーブ・ジョブズかTEDに出てくる一流のプレゼンターのように身振り手振りを交えながら、時には熱く、時には沈黙し、こちらの反応を揺さ振るのだ。

3巡目くらいでふと、担任の先生がきっとこうやって語ったのだろうと思った。

新任の先生でまだ会ったことはないが、その語りっぷりが目に浮かび重なった。

同じくモノを教える立場の人間として、嬉しく思った。

大丈夫、伝わりましたよ。先生。

その話の中身、真意が伝わったかどうかは分かりません。

でも、きっと先生がそれほど熱く、大切なコトとして語ったものは確かに、宝の地図として少年の胸に刻まれました。

思い起こせば小学校の授業で今も覚えていることといえば、簡単な計算ができることと漢字が書けるという技能の他にはこういう出来事だったりする。

先生にめっちゃ怒られたとか、先生がめっちゃ泣きながら話した事とか。


今日は良い風呂だった。

令和3年4月28日 光あるうちに


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