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情報システムへの期待と限界 〜 〇〇予約システムを例に [情報リテラシー 一歩前]

情報リテラシー 一歩前として、至急伝えたいことがあります。

今、例のワクチンの予約システムがニュースなどで取り上げられています。

いろんな見方があって良いと思いますし、時には攻撃的であっても仕方がないことかもしれません。

それは場合によってはシステムをより良く進化させる事もありますから。

それでもちょっとあんまりだと思うことがあったのでここに記します。

これまで仕事柄、知識や経験が無いことが招いた誤解やすれ違い、そこから喧嘩や絶交に発展する事例をよくみてきました。
すぐに誤解を解く事ができた場合もありますし、そういう事例を聞いた後で、ああ、そこにいたら止められたのにという後悔も。
生徒さん同士、講師と生徒さん、講師と講師が、
古い知識と新しい知識、経験と意外な視点、現象と理論と直感ですれ違うのです。
ただ、現実には真実は闇の中でも、情報システムやコンピュータには真相があったりします。何故なら人が作ったものですから。


さて、ある「情報システム」はある「目的」を果たすための道具であります。

そして、ワクチン摂取予約システムは情報システムのひとつであります。

よって、ワクチン摂取予約システムは道具であります。

ちなみに、この道具の目的は何か?
ワクチン摂取予約である。

何を当たり前の事をと言われそうだが、ポイントは「道具」にあります。

道具とは目的を果たすための武器です。

それがないと目的を果たせない重要なアイテムの場合もありますが、ここで肝心なことはそれが全てではないという事。

重要なので繰り返します。

それが全てではないのです。


どんなシステム、翻ってどんな目的も、情報システムだけでは完結しません。

常にそれを使う人や更にその外側のシステムがあるわけですから。

例えばなんらかの「予約」を果たすには次のような人や物や事が関わります。

●予約する人
 ●予約行為をする人
●予約させる人
 ●予約を受け付ける人
●予約のルールを決める人
 ●予約のルールを守らせる人
●予約の記録
●予約の訂正
●予約の参照


これをワクチン予約に絡めると、

●予約する人     = おばあちゃん
 ●予約行為をする人 = 孫
●予約させる人    = 医者、或いは国
 ●予約を受け付ける人= 事務またはシステム
●予約のルールを決める人= 医者、或いは国
 ●予約のルールを守らせる人=医者、事務、システム、予約する人
●予約の記録 = 台帳またはシステム
●予約の訂正 = 台帳またはシステムへ予約する人が行為する人に依頼して、受け付けの人が予約させる人に確認をとる。
●予約の参照 = 同上、および予約させる人

となります。

どうでしょうか?

情報システムなんて紙や受付の人の代わりの部分だけなのです。

全体のどこかでエラーが起きれば予約という目的は達成されません。

どこで問題が起きたかなんて、この全体を見る視点が無ければ判断できません。

ずさんなのは人間だったりします。

そして、それはみんなお互い様です。

物事の「不可能」さに気づけば、もっと寛容的になれるのに。

なんて考えた週末でした。

令和3年5月23日 立葵が鮮やかな日。そしてゲーデルへ


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