コメント欄に舞い降りた神
ヒス兄さんをご存知だろうか。
とんかつの「松のや」で、たまたま相席になったヒステリックグラマーのトレーナーを来た兄さんのことだ。
相席で手元だけ見えるヒス兄さんのトンカツ定食の食べ方が、なんとも楽しくて妙な親近感に包まれて私まで楽しくなったという話だ。
後から読んでも、なんのこっちゃらな内容だが、食べ終わってすぐにこれは記事にせねばと思ったのだから、心が大きく動いたのだろう。
ニヤニヤしながらなんとスラスラ書けたことか。書きたいことを全部書けたスッキリ感は半端なかった。
苦しんで産み出した記事よりも、楽しみながら気楽に書いた記事の方がよく読まれたりするものだ。
おかげさまで、ヒス兄さんとの思い出noteは、公式まとめ記事にも取り上げていただき、たくさんの方からコメントもいただけた。
掲載からしばらくして、スマホに通知がきた。
「記事にコメントがありました」
知らないアイコン…誰だろう…。
コメントをいただくのは、ものすごく嬉しい反面、知らない方からのコメントはなんとも言えない緊張感がある。
そして、このコメントを目にした瞬間、音が鳴るくらいバクっと心臓が鳴った。
嘘やろ……
仕事をしていたが、ぐわんぐわんと色んな考えが頭の中を駆けめぐる。心を落ち着かせて、コメント欄を3回読みかえす。
カラシとソースのつけ方
納豆を味噌汁にいれるところ
ここまではいい。
ヒステリックグラマーのトレーナー。色はグレーでセンターにロゴが入ったやつのはずだ。お気に入りだったんだ。。
そして極めつけは、10月中旬、仙台の松のやでの出来事であること。
ちなみに私の記事に地名はどこにも書いていない。そして仙台に松のやは3店舗しかない。
間違いなくヒス兄さんだ。
どうしよう?と1時間悩んでコメントしてみた。
勇気をだしてコメントしてみたものの、もう返信がない可能性もある。コメントも独りよがりだったかなと、ネガティブなことばかり頭をよぎる。
通知が来た!ヒス兄さん!
神!
あらためて朝カツの楽しみ方を教えてくれた。
さらに
あの時はやりませんでしたが、
ってまだまだ必殺技や奥の手あるのですか?
カツに塩を振ってのりで巻く?
新しい楽しみ方まで教えてくれた。
嬉しくてすぐにコメントした。
数日後、松のやへ。ヒス兄さんの姿を探したが見当たらなかった。って当たり前か。
一人でテーブル席に座った。
今回は朝じゃなく、ランチであった為、ロースカツ定食に焼きのりをトッピング。
水を持ってきてくれた恰幅のいい店員のお兄さんさんに
「塩で食べたいので、塩お願いできませんか」
小さい声で伝えてみると「わっかりましたー!塩ですねぇ」大きな声を出して厨房へ消えていった。
店員の兄さんがロースカツ定食を持ってきてくれたが、塩がついていなかった。
もう一度小さい声で店員さんに塩をお願いすると、あっ!うっかり。みたいな表情で「塩ですねー持ってきます」また大きな声で伝えてくれた。
キャベツを先に食べ、焼きのりの皿にソースとカラシをたっぷり入れてかき混ぜる。
サクサクのトンカツをそっとソースにくぐらせて口へ運ぶ。サクッ、ジュワァ、外はカリカリ、中はジューシー。やっぱり旨い。安定感。
そして、ヒス兄さんおススメの塩を少々かけ、焼きノリでトンカツを巻いてみた。
旨いんかいな…半信半疑で一口食べる。
口へいれると、なんじゃこれ!?
衣のサクサク感と焼きノリのパリパリ感が相まってなんとも言えない歯触り。
その後やってくるのは、香ばしいノリの香り、上品な塩味からジュワァ〜と一気に肉の甘さが口の中を駆け巡る。
思わず白ごはんも口いっぱいに詰め込んだ。
めちゃくちゃうまいよ、ヒス兄さん。
気付いたら隣の銀行員っぽい兄さんたちが、ニヤニヤする私をじぃーっと見ていた。私も塩兄さんと呼ばれているかもしれない。
その後のトンカツも塩ノリでペロッと平らげた。
ヒス兄さんからもらったコメントは、私にとっては突然もらったプレゼントみたいなもの。
ありふれた日常がまた非日常になった。
またいつの日か松のやで会いましょう。
ヒス着用でお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました。 いただいたサポートは他のクリエイターさんのサポートと奥さん子どもにあずきバーを買ってあげたいです。