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2015年4月の記事一覧

黄色とオレンジ

マラドーナのラストパス

中学時代にむさぼるように読んだ本について。 いったい何回読んだんだろうなあ。あんなにワクワクした本、もしかしたら最初で最後かもしれない。絶版となって久しい、サッカー少年向けの技術書『マラドーナのスーパーサッカー』です。不世出の天才マラドーナが、かなり詳細な連続写真とともにボールの蹴り方、ヘディングのポイント、リフティング上達のコツ、フェイントのパターン、試合中のアドバイスなどを語る、いま考えてもかなり贅沢な一冊でした。サッカー少年としてのぼくは、監督から学んだことよりも、こ

神田ぶらり(50)お祭りポスター

神田明神のお祭りの季節になりました。 なんでも「日本三大祭り」のひとつだそうで、隔年で盛大に催されます。今年は「ご遷座400周年奉祝」だとかで、いっそうにぎにぎしいようですね。 町ではぼつぼつ飾り付けが始まっていますが、その先頭を切って登場するのが、各種のお祭りポスター。今年も神田の街角には、さまざまなお祭りポスターが貼りだされています。 こちらの黄色いのは、毎回ほぼ同じデザインで作られているものです。なんか、いちばんオフィシャルっぽいですね。 そして、各町内会が作成

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空をあおぐ【雪町子×ならざきむつろ】

『マチネの終わりに』第三章(18)第四章(1)

 「惚れてる」とフィリップは言った。その余計な一言は、彼女の気持ちを、既に後戻りの出来ない方向へと衝き動かしつつあった。  胎児のようにからだを丸めて、改めてリチャードとの会話を思い出した。  帰国して、自分は彼と結婚するのだろうかと考えた。  子供を作る。彼との間に。――それが自分の新しい生の一歩となることは、疑い得ない。自分の年齢を考えた。あと半年で四十一歳になる。時間が限られているという事実が、心に重く伸しかかった。  第四章 再会(1)  蒔野は、既にフラン

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小樽散歩道〜♪

キャンディ~クラッシュ天使

ダンボー、クローバー見つけるの巻

『マチネの終わりに』第三章(17)

 土台、雄渾なチェロという楽器の響きを、今の彼女は、とても受け止めきれなかった。  人間的な喜怒哀楽と、まったく無関係に屹立するバッハの楽曲を、蒔野のギターは、あの日のコンサートと同様に、そっと手を差し伸べるように彼女にもたらした。それでいて、彼のまだ若い、才能とのハネムーンを心ゆくまで楽しんでいるような演奏は、彼女の心をすべて受け止めて、まったく揺るぎなかった。  ただその音楽とだけ一つになって、すべてから解放されたかった。時間と旋律とが、一切の過不足なく結び合って流れ

ホットケーキ

Drawing Wonder 150430

今日の石積み 150429

FFの夜ふかし日記 2015/4/28

昨日・今日は渋谷公会堂へ。NOW AND THENツアーに行ってきた。 これまで自分はつくづく幸せ者だと思いながら生きてきたけど、今日もやっぱりそう思った。 昨日は客席で、今日は舞台袖から見学。大阪には行けなかったので、その分も楽しみにしていた。 ツアーが始まるまえ、スタジオでリハしてるみんなを見ながら、ライブ本番わたしはどんな気持ちになるんだろうと考えていた。まあきっと、一緒に演奏できなくて残念だとか、悔しかったり羨ましかったりするんだろうと思っていた。 でも実際は、そんな

恋愛規範:「好きです」と「付き合ってください」の隔たりについて

"「愛」は親密性そのものというより,そこにおいてコードとして働き,親密な関係内部の相互行為を律する言説装置である.感情の面からしても,特定の人に恋愛感情を抱くことと,その人と恋愛関係を形作ること(コミットメント形成)は独立して考えることができる." ―筒井淳也(2008)「親密性の社会学 縮小する家族のゆくえ」 <彼女>を作りました. <彼女>,が括弧付きであることには理由があります.私はかのじょ(便宜上,三人称単数女性はひらがなで表記することとします.)に対して恋愛的