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「 大剣の覇者 イアン 」

その昔、今よりももっと昔。
大剣使いの大男がいた。
男の名は、イアン。
大きな剣を片手で振るう剛腕の持ち主。
男はその膂力で名を馳せ、いつの間にか、大剣の覇者と呼ばれた。

ある日、イアンは天空高く聳え立つ塔の上に秘宝があると人伝に聞いた。
人々は、イアンならその塔の上にある秘宝を手にすることができると口を揃えて言った。

イアンは、その塔に登り、秘宝を守る塔の民をなぎ倒し、簡単に秘宝を手に入れた。
民は皆、秘宝に近づくことをせずに、空の上の神を崇めていた。

イアンは秘宝を手にして、その力を使った。
その時から、イアンは不老不死の体になった。
そして呪いは、塔の民にも降りかかった。
民は、塔から出ることができずに、体が朽ちても、塔の中で彷徨い続けることになった。

年月が経ち、塔は、青々としていた樹木が消え、荒廃した。
そのうちに、外の人々が塔に迷い込むことがあった。彼らは、塔に入ったら最後二度と出てくることができなかった。

その塔に入った者は帰ってこない。誰からも知られない塔。

いつしかその塔は、「 ロストタワー 」と呼ばれるようになった。

人々の中に、昔、大剣使いの大男が塔に向かったという伝承を記している者がいた。
それから、ロストタワーの頂上に、伝説の剣があると、噂が囁かれるようになった。
どんな願いでも叶うかは、噂をする人々の中でも色々と言う者もいた。

イアンが持っていた大剣

「大剣の覇者 イアン」 著  インフィニットゲーム


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