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意識の低いデスクツアーをご覧ください

こんにちは。ほしよだかです。BLエロ漫画を描いて売ってる人です。作画はデジタルなので機材の紹介をしたいと思います。

えげつない作風

目的は機材というよりは、こんなに浅い知識でも創作ができるんだということを知ってもらいたいからです。皆が皆ガジェットを使いこなせるとは限りません。何が何だかわからない人は僕も含め一定数いると思いその層に向けて発信する感じです。

巷に見る意識の高い環境、おしゃれで難しい機械の話は、わかる人とわかんない人に分かれると思うので意識は低くわかり良く行こうと思います。



デスク環境は何をしたいのかだけで良い説

おしゃれとか、シンプルとか、僕はほとんど考慮しません。カッコいい機械に囲まれる事が目的の場合は別ですが、僕は漫画を描く事が目的で、描いた漫画が全てです。

1.全体を通して

基本的な方針として自分の出せる予算の中で可能な限り高価で有名どころの商品を選んでいます。理由は結局は最後、高い物に行き着くからです。そこに至るまでに廉価な物を何度も買い替えるのが勿体無いからです。

2.机

明らかに撮影のために拭いた感

「漫画家は木の机」
これは単なる思い込みですが若い時の僕はそう思ったので木の机の中で、その時買える予算ギリギリの物を買いました。せいぜい3〜4万の物だったと思いますが20年前の僕には高かったという事です。当時は描きたいと思ってただけで絵も描いて無かったので何もわかりませんでしたが、結果としてデジタル環境下でもギリギリ使える代物だったので現在も使い続けています。大きさは長さ140cm×奥行60cm高さ72cmです。

何が使える代物なのかというと、頑丈さと重さです。デジタル環境ではモニターや液タブなどの重量物を常に机に置く事になります。特にアームで吊る場合は、根本の一部分に物凄い圧がかかり、モノによってはアームの取り付け部分の圧に負けて天板が歪みます。また、机が軽いとアームの重心が天板上を外れた時に最悪机ごと倒れる恐れもあります。

こういう時ね

この机は表面こそ木ですが、裏面などにはふんだんに鉄が使用されており、とても頑丈で助かっています。

裏面。厚い天板と堅牢なフレーム

以上の事から、どんな物でも良いから頑丈で重たい物をオススメします。また、置く部屋の広さが許す限りデカい物がオススメです。

モノは置けりゃイイってものではありません。マウスもキーボードも画面も動くからです。置き場所+可動域というノリシロが必要で、それが無いといちいちガチャガチャして本当に嫌になります。嫌になると創作は止まります。

結構動くよ

これ以外の要素、例えば電動で上下するだとか色やブランドなんてものは二の次三の次で良いと思います。だってヤワだったり軽かったり小さすぎたりすると結局使えなくて捨てる羽目になるんだもん。そして机って捨てるの大変。

3.椅子

ふんぞり帰るスタイルなのか机にかじりつくスタイルなのか大きく2つに分かれます。漫画を液タブで描く場合はかじりつきタイプになるでしょう。板タブの場合はふんぞりタイプが良いかもしれません。

ふんぞりタイプはスポーツカーの椅子みたいなやつか社長椅子みたいやつですね。かじりつきタイプは事務椅子みたいやつになります。

その中で腰痛に優しいとされているのが前傾機能です。椅子ごと前に倒れるという機能でこれがついている物は少なく代表的な物がアーロンチェアというやつみたいです。25万とかするやつ。
それは買えなかったので同じメーカーの一段安いやつにしました。セイルチェアというやつでこれなら一気に12万円位に下がります。前傾もある。

世の中のこの椅子の紹介でおそらく一番映えない写真

前傾はぶっちゃけ少し描きにくくなるものの、確かに腰に優しく長時間粘れるようになりました。理由はわかりません。
また、事務椅子としては高いですよね。その甲斐あって買って2年以上経ちますが一切ギシギシしないんですよね。身動きのたびに音が鳴るのは結構なストレスになるのでこの点も良い点です。

4.パソコン

PCはBTOって言うのかな?パーツを選ぶと組み立てて送ってくれるサービスで買ったやつです。絵を描くにあたってノートからデスクトップに変更。

声を大にして言いたいポイントはスケスケにもなってないし光ったりもしないただ白く四角いだけの筐体という所です。ぴかぴか光るPCをインテリアとして愛でる文化がある事は何となく僕も把握していますが、僕はパソコンは地味な方が好きなのでBTOの人にわがままを言って探してもらいました。

纏める気概の見えない配線

もちろん中身の機械的な知識は皆無なのですが、自分なりに絵を描くのに必要なのは何なのかググった結果、メモリを多く配分して2020年に24万円くらいで買いました。発注メールが残ってたのでコピペ。多分色々間違ってると思いますがちゃんと動いているしサクサクしてます。

・OS:Microsoft Windows 10
・CPU:9世代 LGA1151 Core i7 9700K
・メモリー:Corsair 合計64GB CMK32GX4M2A2666C16 16GBx4枚組
・ビデオ:ASUS ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING
・電源:Seasonic SSR-750FM Gold

5.キーボード&マウス

デスクトップにした結果、キーボードを別に購入するという概念が生まれ最初は家電屋さんで買ってきた数千円のものを使っていました。ボタンが白かったので数年で黄ばんできて嫌になったのでググってみたら押し心地の良い高級キーボードがあることを知った。

僕の本業は事務職なので興味が出て買う事にしました。電池の交換がコードがある事より面倒だと思ったので有線、白いボタンが黄ばんでテンションが下がった経験から黒にしました。
スタイリッシュさを考えればテンキーレスの小さいやつが良いのかもしれませんが、かっこよさは求めてないのでデカいやつです。便利よ。

最初に書いたようにこういうのは何個も買った挙句、結局高いものを買うはめになり、もったいないので、最初から最高峰とされるREALFORCEというやつにしました。色々試したわけじゃないので他は知りませんが確かに押し心地が良く、職場用にもう一つ買いました。押し心地って同じものを2つ買わせるほど大事なんだと気づかされました。大げさに最高峰と言いながら1個2万円ちょっとです。

届いてみると真っ黒すぎてこれはこれで気が滅入りました。ググってみるとキーキャップの変更という概念があることがわかり早速交換してみました。色が違う部分の配分はググって出てきたサイトの丸パクリです。

オジサンの抵抗

同時にマウスも高いのは違うのかな?という疑問が浮かび、アマゾンで高めでピンポン玉がついてたり奇抜なもの以外のものを選び買ってみました。
機種としてはロジクール MX MASTER3sという物です。

それまでのワゴンセールで買ったマウスより多機能みたいでしたが、正直全く使いません。しかし、高いやつは重いんですよ。その重さによって安定感があり使いやすいです。軽いせいでポインターが合わせにくい方は重いものを使ってみるとグッと作業が楽になると思います。

6.モニタ

統一感無視のラインナップ

黒い方がiiyama の23型で解像度が Full HD
白い方がDell Sシリーズ S2722QC 27型で解像度が4Kです。

最初は黒いやつを2台買って並べていたんですが後述する液タブで4Kという言葉を覚えた僕は「モニタも4Kにしよう!」と調子に乗り試しに買ってみたものです。勢いで2台同時に買わなくて本当によかった。なぜか。

4Kは表示領域が広く、したがって27型程度だと何もかも小さいからです。この4Kの方で漫画のシナリオを文章で書くんですが、拡大しないと見えない。かといって、もっと大型の4Kのモニタはスペース的に邪魔です。

液タブの4Kは後述のように僕にとって正解でしたが、モニタは4Kじゃなくても良いですね。

モニタの話では必ず語られるであろう色の塩梅は僕にはほとんど関係ない話のようです。なぜなら黒いのが2015年、白いのが2022年の購入で時期も違えばメーカーも全然違うにもかかわらず色の違いが僕にはさっぱりわからないからです。

描いているのが白黒漫画とはいえ、表紙はカラーなわけでカラーイラストも描かないわけではないにもかかわらず全くわかりません。色盲検査で引っかかった事はありませんが、その辺の目の機能が低いのかもしれません。

7.液タブ

ワコム製です。沢山あるメーカーの中で割高な方だと思いますが迷わずワコムです。理由は使ってる人が多いからです。

僕は機械が苦手で、変になった時にググってすぐに対処法が出てくる方が良い。こういう時に長時間躓くとそれをキッカケに創作が何日も止まったりするのでトラブルはさっさと解決したい。

機種的にはcintiq pro 24というやつです。もう旧モデルになるようで売ってないかもしれませんが、どちらにしてもオススメはデカい4Kです。

シートなんか貼らないよ 千ページ高筆圧で描いても無傷

理由は大きい方が原稿をノビノビ描ける事と、4Kはモノクロ線がガタガタしないからです。
小さい画面でチマチマ描くと絵までチマチマしがちです。僕は自由に腕を大きく動かして線を引きたいので大きい方がいい。この上に30インチ位のもありましたが、机の大きさと相談して24インチにしました。さっきも言いましたが置けたとしても動かせないのは困るのです。

線のガタガタはモノクロ漫画特有の現象だと思います。カラーイラストしか描かない人は液タブの解像度は気にしなくて良いかもしれません。
モノクロ漫画の線は「モノクロ2値」というモードで描きます。グレー色で補完するアンチエイリアスがかからない代わりにソリッドで、紙にペンで描くのと同じ要領で描けるモードです。

画面の解像度が4K以下(例えばHD画質とかそういうの)だと、そんなに拡大しなくても線がガタガタします。これがもう描きにくいわけです。特に細くて細かい線が描きにくい。そうすると大雑把な線だけで描くようになり、出来上がりも大雑把になってしまう現象が僕は起こりました。下図は左がHD、右が4Kの液タブで描いた漫画です。比べれば多少詳細になっていると思います。

言うほど変わってなくて草

8.左手デバイス

有名な左手デバイスtourbox、と思いきやその隣のTABMATE(クリスタ純正デバイス)を使っています。

便利だと思ったんだけどね

あまり機械が得意でない人はクリスタとセットでTABMATEがオススメです。純正なので割り当ての操作が簡単です。tourboxは専用アプリで設定するなど難易度が一段上がります。そしてこれは個人的な事ですが単純にtourboxは上手い押し方を見つけられなかった。僕には全然直感的じゃなかった。左手がいつも変な形で機械の上に乗っかっており疲れました。

9.マイク&カメラ&スピーカ

漫画を描いて売っている僕の活動内容的には殆ど不必要なものですが、創作中にプロの編集の方にアドバイスをもらうサービスがあり、その時に使うことがあり用意しています。買ったときにオススメカメラなどとググってその中から買っただけで一番力の入っていないガジェットです。
マイク:ソニー コンデンサーマイク ECM-PC60
カメラ:ロジクール Webカメラ C920n

2つとも小さくて邪魔にならない位が取り柄

同じくこだわれないのがスピーカーです。アンプがどうとか全く知識が無いし、音の良しあしもわからないし、音にこだわる方が口をそろえる「本気の時はヘッドホン」ですが、僕は今どき髪型がウルフカットなので髪がつぶれるヘッドホンは使わず、描いてるエロ漫画の資料用のエロビも普通にスピーカーで流す派です。

丸いね!!!!

そんな中もう10年位前になりましょうか。適当にアマゾンで買ったスピーカーがこれというわけです。音響機器に詳しくないという負い目からか、いかにもスピーカー!といった外観は抵抗があり、そんな僕にぴったりの「っぽくない」外観。JBLという僕でさえ聞いたことがあるメーカーの製品。

気に入ったので予備にもう一つ買おうとしましたが白色が無くなってしまったようで、色にはこだわらないタチとはいえ、スピーカーは白とこれで刷り込まれてしまい再購入を断念、コレを壊れるまで使ったら少しはスピーカーの勉強をして、また別の物を買ってみようかなといった感じです。

スピーカー:JBL Pebbles バスパワードスピーカー

10.デスク照明

わかってる。時代はモニターにくっつけるタイプの照明だよね。わかる。でも僕はオッサンなので電気スタンドが良いったら良いのです。

中年の無意味な主張

しかも卓上に置くタイプのスタンドね。机と一緒で「漫画家は木の机にナショナルの卓上スタンド」という昭和の思い込みから離れられなくて大変満足しています。
Panasonic LEDデスクスタンドSQ-LD521

まとめ

全体を通し一つ言える事は最初に書いた通り映えとは無縁という事です。色合いがガチャガチャだし機材の吟味も甘いと思います。

しかし創作用の機材って普通は少しづつ買いそろえるものだと思うし、僕もそうです。そして一旦揃えても壊れるなどして絶えず更新が続くものです。

統一感のようなものを気にするより、一つ一つ買いそろえていくときに、その時「良いな」と自分で思ったものを直感で買う方が幸せになれると思っています。チョロっと調べたらとっとと買ってしまうのが良いということです。

こだわりだして、選ぶだけで半日とか1日とか、つぶしてしまうのはもったいない。本当に造詣が深くない限りは、選ぶのに時間をかけてもかけなくても結果は大体同じなんじゃないかな。

割と高かった椅子などはお金を貯めたりして準備もしたので、買う時によく考えた方が良いのかなとも思いましたが考えてもわかんないモンはわかんないんですよね。さっさと思い切って、届いたら多少の不具合も仕方ないんだから身体の方を合わせていく位の気概で良いんだと思っています。

作画専用部屋なのに台所用品が多いのも大問題
生活感100%

以上、大変に意識の低いデスクツアーでした。こんな無分別のひょうろくだまみたいな人でも快適に作画できる環境はできる。コツはおしゃれに引きずられ過ぎない事ということをお伝えして終わりにしたいと思います。

長いのに読んでくれた方はありがとうございました('ω')

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