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【詩】カニカマ

 冷蔵庫にポツンと居座る、
 カニカマを見て思う。

 カニカマほど、
 己に自信を持つ者はいない。

 カニはカニ、
 カニカマはカニカマ。
 カニの偽物だとしても、
 彼は個として存在する。

 カニカマだけを求めてしまう。
 偽物を本物としてしまう。
 それ程までに魅力的で、
 視認できない力を持っている。

 不思議。何とも不思議。

 カニカマに尊敬を懐きながら、
 冷蔵庫の中のそれをつまみ食いした。

 やっぱり、
 カニカマはカニカマ。

 カニカマみたいに、
 唯我独尊に酔いたいものだ。

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