卯野有希路

短い文章で世界を創り出す実験を行う詩人気取り。不定期で投稿します。雑記等、詩以外も投稿…

卯野有希路

短い文章で世界を創り出す実験を行う詩人気取り。不定期で投稿します。雑記等、詩以外も投稿予定。 共感して下さると有り難いです。 ご連絡は各SNSのDM、またはメール(inbunsouko.10000@gmail.com)にて。

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  • 自作の詩篇をまとめています。 お気に入りを見つけてみて下さい。

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    エッセイとも呟きとも違う、短い文章をまとめています。 内容は雑多です。

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【ご報告】「卯野有希路」として自己紹介

 どうも皆さん。  いつも私のnoteを読んでいただきまして、誠にありがとうございます。  「韻文倉庫」、改め「卯野有希路(うのゆきじ)」と申します。  去年の11月末に「韻文倉庫」という、botっぽい無個性な名で活動を開始した私ですが、1月から「卯野有希路」というペンネームで、本格的な詩生活に身を置く事にしました。  この記事では私の自己紹介、「ペンネームの由来」や「今後の展望(野望)」について書いていこうと思います。 自己紹介  まず最初は自己紹介から。私の詳しいプ

    • 【詩】海は書き損じで出来上がる

       線を引いて書き直す  増えて  増えて  よく見たら  黒くなる。  大した事ない間違いが  増えて  増えて  よく見たら  汚くなる。  ボールペンは大嫌い  炭素の様に消せないから。  インクが  粘度高く  紙に付着して  ずっと離れない。  上書きではない。  修正でもない。  空いている隙間に  正しく書いて  誤魔化す。  ごちゃごちゃとした  インクの海。  書き損じだらけの  紙の海。  僕はそこに本音を書いた。  こんなの自分みたい。   ま

      • 【詩】季節の死骸

         死骸に虫はたかるか?  死骸に花は咲くか?  いや  その死骸から  新たな季節が産まれる。  季節は不死だ。  それは燃え尽きた灰から  雛が産まれる  フェニックスの様に。  かつての死骸を  内臓から喰らい這い出る。  血を拭えば  そこは新たな景色だ。  季節は巡る。  若気と老いを繰り返す。  終わりのない生命に  僕等は歓喜するんだ。  季節よ。  季節の死骸から  産まれてきてくれて  ありがとう。  そして  今季の生を謳歌せよ。

        • 【詩】カニカマ

           冷蔵庫にポツンと居座る、  カニカマを見て思う。  カニカマほど、  己に自信を持つ者はいない。  カニはカニ、  カニカマはカニカマ。  カニの偽物だとしても、  彼は個として存在する。  カニカマだけを求めてしまう。  偽物を本物としてしまう。  それ程までに魅力的で、  視認できない力を持っている。  不思議。何とも不思議。  カニカマに尊敬を懐きながら、  冷蔵庫の中のそれをつまみ食いした。  やっぱり、  カニカマはカニカマ。  カニカマみたいに、

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        【ご報告】「卯野有希路」として自己紹介

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        記事

          【詩】ラジオ

           何気ない日常。  日々の気づき。  やるせない思い。  くだらない話。  音声だけで  満足させる  パーソナリティーたちの  技術が光る。  日が昇る朝。  昼の高速道路。  帰路に就く夕方。  深夜の部屋で一人。  寂しがり屋の  僕たちは  今日もラジオに  お世話になる。  テレビでは味わえない  プライベート感が  僕たちに寄り添う  笑い声が聴こえたら  合図さ。  僕たちはラジオを聴くのさ。

          【詩】ラジオ

          【X投稿詩】2024年4月

           こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。 「エイプリルフール」  嘘吐く余裕無く、  午前が過ぎて、  種明かしの必要無く、  午後が過ぎた。  そんな私の4月1日。  世間で言うエイプリルフール。 (2024年4月1日投稿) 「鳥」  モノトーンの空、  風は静か。  遠く遠く、  鳥は飛ぶよ。  遥か彼方の、  群れを求めて。  彼等の痕跡なんて、  ここに無いのに。 (2024年4月4日投稿) 「或る春の一室にて」  ノートを

          【X投稿詩】2024年4月

          【詩】夜汽車

           彼女の望みは  実に単純であった。  この世界の片隅で  自分たちの痕跡を消したかったのだ。  深夜の酔いと共に  孤高な旅へと向かって行く。  誰も僕等を知らない  そんな夜を憧れた。  ……夜汽車は走る。  擦れる金属の音。  ガスや電気が心を揺らす。  ボックス席に座る僕等を  何処に連れて行く?  ……夜汽車は走る。  目指すは暗闇の果て。  名も無きプラットフォーム。  影に澄ます僕等を  受け入れてくれるのか?  空気を押し切る鋼鉄の塊。  複雑な機

          【詩】夜汽車

          【詩】デパート内の喫茶店にて

           初めて来たその店は  老舗デパートの最上階。  ガラス張りを背にして  ブレンドコーヒーと  ドーナツを楽しんだ。  今まで行かなかったその店は  レトロで  エレガントでいい感じ。  ピアノ・インストのオフコースも  お洒落な照明も  飾られた抽象画も  素敵だな。  テーブルに置かれた  木製のペッパーミルも  使い込まれて  素朴な味がある。  良い年の重ね方をしている。  素敵なその店を  僕は気に入った。

          【詩】デパート内の喫茶店にて

          【詩】灯台

           街の中心にある丘には  小さな展望台がある  ペットボトルの緑茶だけを持って  僕は一人展望台まで登る  もうすぐ日が落ちる手前  誰もいない展望台に着く  一口、お茶を飲む  温もりが食道を通る  ベンチに座って景色を見ると  風がサァーッと吹いてきた  景色の先には灯台が見える  高い 高い  灯台が見える  変わらぬリズムで  回転灯を回す  強く発光し  回転灯は回る  グワン  グワン  黙って動く  フワン  フワン  光が揺れる  あそこ

          【詩】灯台

          【詩】Time

           花が咲く  前髪が伸びる  いつかの風邪も治る  季節は何巡する  使っていないプロジェクターに  埃が溜まる  何年も眠ったままの望遠レンズに  カビが生える  行きつけの店は潰れ  その跡にアパートが建つ  両親は白髪が増え  皺も深くなる  友は町を離れ  連絡がつかなくなる  「昔は良かった」と嘆き  「昔に戻りたい」と願う  そして  気づけば嫌だったあの頃を  綺麗さっぱり忘れている  時は勝手に刻まれる  時は勝手に進んでいく  途中停

          【生存報告】 作品の方向性が定まり、執筆のスピードが上がっています。 ストックに問題が無ければ、来週月曜日noteに復帰予定です。よろしくお願いします。

          【生存報告】 作品の方向性が定まり、執筆のスピードが上がっています。 ストックに問題が無ければ、来週月曜日noteに復帰予定です。よろしくお願いします。

          【X投稿詩】2024年3月

           こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。 「雨」  最初の一粒は何処に降る?  僕の目の前に降ってくる。  雨は気まぐれ。  小さな子供と同じ。  僕等の日々に左右されず、  ワガママを通して威張っている。  最初の一粒は何処に降る?  僕の鼻先に降ってくる。  一つ、くしゃみ。  雨は柔らかく降ってきた。 (2024年3月5日投稿) 「目線の先」  かつての僕は、  空ばかり見ていた。  無限に広がる可能性に、  心を踊らせていた

          【X投稿詩】2024年3月

          【生存報告】 公募用作品の執筆の為にnote休止しているのですが、全然アイデアが浮かびません。如何しよう。 ……あ、あともうすぐ月初なので、毎月恒例のX投稿詩まとめを投稿します。よろしく。

          【生存報告】 公募用作品の執筆の為にnote休止しているのですが、全然アイデアが浮かびません。如何しよう。 ……あ、あともうすぐ月初なので、毎月恒例のX投稿詩まとめを投稿します。よろしく。

          【お知らせ】 公募用作品の準備の為、noteでの活動を3週間程休止させて頂きます。この期間中、Xの方は休まず活動していきますので、宜しければフォローして下さると幸いです。

          【お知らせ】 公募用作品の準備の為、noteでの活動を3週間程休止させて頂きます。この期間中、Xの方は休まず活動していきますので、宜しければフォローして下さると幸いです。

          【詩】春

           彼女の柔らかい黒髪は、  春風に誘われて揺れていた。  産まれたての翠緑は光り輝き、  彩りの側を流れる川のせせらぎは穏やかだ。  幼い花々たちの舞は、  喜びの頂点を表し続けている。  南南西からのギフトは、  神聖な存在による豊穣と平穏であった。  麗しき老女神は、  慈悲深い笑みを浮かべたままだ。  「今年も来たね」  いたずらっ子の君は言う。  去年から季節が一巡しても、  彼女は変わらず側にいてくれた。  変わらず爽やかな空気。  肺に一杯吸った。  何

          【詩】亀みたいな生活

           永く、緩く、  コツコツと。  亀みたいな生活を、  僕は憧れている。  ゆっくりとした時間の中で、  自分らしく生きている。  陽の暖かさに感謝し、  自然の恵みに喜びを感じる。  好きなモノを食べ、  好きな時間に寝る。  「ノロマ」と周りから言われていても、  そんなの気にせず笑っている。  永い時間を過ごす果て。  爺さんになっても、  楽しく過ごしたいね。  小さな孫から、  「亀みたい」って言われたら、  此方の勝ちだと思うんだ。  忙しい有り難み。  確

          【詩】亀みたいな生活